中心静脈圧(CVP)モニタリングの適応となるのはどれか。 | MyMerci
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問題

中心静脈圧(CVP)モニタリングの適応となるのはどれか。

解説
中心静脈圧(CVP)は右心房圧を反映し、主に循環血液量と右心機能の指標として用いられる。輸液の指標や心不全の評価に有用である。CVPは左心系の圧力を直接反映するわけではないため、左心室拡張末期圧の評価には肺動脈楔入圧(PAWP)などが用いられる。心拍出量の直接測定には熱希釈法などが必要となる。

詳細解説

核心解説 この問題は、中心静脈圧 (Central Venous Pressure: CVP) モニタリングの目的と適応を理解しているかを問うものです。CVPは右心房内の圧力を反映し、循環血液量 (Circulating Blood Volume)右心機能 (Right Ventricular Function) を評価するための重要な指標です。 正解の根拠 (Answer Rationale): CVPは、上大静脈 (Superior Vena Cava) または右心房に留置したカテーテルで測定される圧であり、最重要! 主に以下の目的で使用されます。 1. 循環血液量の評価:低値(正常値: 5〜10 cmH2O)は出血や脱水による 循環血液量減少 (Hypovolemia) を示唆し、高値は 循環血液量増加 (Hypervolemia) や右心不全を示唆します。 2. 輸液療法 (Fluid Therapy) の指標:急変時や術後管理において、輸液の効果や過剰輸液のリスクを評価します。 誤答の分析 (Distractor Analysis): - ①番 混同注意! 末梢動脈血圧の連続測定は、動脈ライン (Arterial Line) を用いて行われます。CVPとは測定部位と目的が異なります。 - ③番 CVPは心拍出量 (Cardiac Output: CO) を直接測定する方法ではありません。心拍出量の測定には、熱希釈法(スワンガンツカテーテル)や Fick法 (Fick Method) が必要です。 - ④番 脳内酸素飽和度の評価は、近赤外線分光法 (Near-Infrared Spectroscopy: NIRS) などを用います。CVPとは全く異なる指標です。 - ⑤番 CVPは右心系の圧力であり、左心室拡張末期圧 (Left Ventricular End-Diastolic Pressure: LVEDP) の評価には適しません。左心系の指標としては、肺動脈楔入圧 (Pulmonary Artery Wedge Pressure: PAWP) が用いられます。 関連概念の整理 (Related Concepts): CVPモニタリングは、スワンガンツカテーテル (Swan-Ganz Catheter) を用いた 肺動脈カテーテル (Pulmonary Artery Catheter: PAC) による高度な血行動態モニタリングの一部として行われることもあります。CVPの値は 右房圧 (Right Atrial Pressure: RAP) と等しく、右室の拡張末期圧、ひいては全身の静脈還流量を反映します。輸液負荷に対する反応性(passive leg raising test など)もCVPで評価可能です。
概念整理: CVPは右心房圧を直接反映し、循環血液量と右心機能の指標。正常値は 5〜10 cmH2O。低値(3cmH2O以下)は循環血液量減少、高値(15cmH2O以上)は循環血液量増加または右心不全を示唆。左心系の評価にはPAWPが必要。
一目で比較!:
モニタリング項目測定部位主な評価対象
中心静脈圧 (CVP)上大静脈 / 右心房循環血液量、右心機能
肺動脈楔入圧 (PAWP)肺動脈(楔入位)左心房圧、左心室拡張末期圧 (LVEDP)
動脈圧 (ABP)末梢動脈(橈骨動脈など)全身血圧、心拍出量の間接的評価
心拍出量 (CO)肺動脈(熱希釈法など)心臓のポンプ機能、心拍出量の直接測定

看護過程ポイント: - アセスメント:CVP値の異常(低値・高値)を確認し、バイタルサイン(血圧、脈拍、呼吸数、SpO2)、尿量、皮膚の色調(冷汗、チアノーゼの有無)、頸静脈怒張の有無を併せて評価する。 - 看護診断:例:「循環血液量減少リスク」または「循環血液量過多リスク」。 - 計画:CVP値に基づく輸液療法の指示を医師と確認する。測定ラインの閉塞・感染・空気塞栓の予防策を徹底する。 - 実施:圧トランスデューサーの高さを 右房の高さ(腋窩中線第4肋間) にゼロ点設定して測定する。定期的に波形と数値を記録する。 - 評価:CVP値の経時的変化と患者の臨床症状の改善を評価する。
暗記のコツ: CVPを「循環血液量のメーター」とイメージしましょう。メーターの針が下がれば(低値)輸液が必要、上がれば(高値)心臓や血管がパンクしそう(過負荷)というサインです。右心系の圧力であり、左心系ではないことを覚えておくためには「C(Center)のCは右心房(Right Atrium)」と語呂合わせで。
国試頻出ポイント: 国試では、CVPの適応と解釈に加え、輸液管理ショック (Shock) の病態との関連で頻出です。特に、出血性ショック(低CVP、低血圧)と心原性ショック(高CVP、低血圧)の鑑別がよく問われます。また、CVP測定時の注意点(空気塞栓予防、圧トランスデューサーのゼロ点調整)も確認しておきましょう。
出題パターン注意!: 「術後患者のCVPが4cmH2O。バイタルサインはBP 80/50mmHg、HR 120bpm。看護師の優先的な対応は?」のような状況設定問題(事例問題)として出題されることが多いです。正解は「輸液の促進(医師へ指示を仰ぐ)」で、誤答には「利尿薬の投与準備」や「昇圧薬の準備」などが混在します。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド ICUや救命救急センター(ER)でCVPモニタリング中の患者を担当する場合を想定します。 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 70代男性、敗血症性ショック(Septic Shock)でICU入室。CVPモニタリングが開始されました。初期輸液後も血圧が安定せず、CVP値が 3 cmH2O と低値を示しています。尿量は 20 mL/hr と減少傾向です。看護師として、医師への報告と次の介入をどう行うべきでしょうか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察 (Observation): CVP値(現在3cmH2O)、バイタルサイン(BP 80/50mmHg、HR 115bpm、RR 28/min、SpO2 95%)、尿量、皮膚の色調(冷汗・蒼白の有無)、意識レベル(JCS I-3程度)、末梢冷感の有無を確認。同時にCVP波形(呼吸性変動の有無)を観察。 2. アセスメント (Assessment): CVP低値 + 低血圧 + 乏尿 = 循環血液量減少(Hypovolemia)が第一に疑われる。敗血症による 血管拡張 (Vasodilation) とそれに対する不十分な輸液が原因と考えられる。 3. 報告 (Report) / SBAR: - S: CVP低値、血圧低下、乏尿あり。 - B: 敗血症性ショック、CVPモニタリング中。 - A: CVP 3cmH2O、BP 80/50、HR 115、尿量20mL/hr。 - R: 追加輸液(晶質液やアルブミンなど)の指示を仰ぎたい。 4. 介入 (Intervention): 医師の指示に従い、急速輸液 (Rapid Fluid Resuscitation)(例:乳酸リンゲル液 500mL を30分で投与)を開始。投与前後でCVP、血圧、尿量を再評価。輸液反応性を見極める(CVPが2cmH2O以上上昇すれば過剰輸液の可能性も考慮)。 5. 評価 (Evaluation): 輸液後、CVPが 8cmH2O に上昇、血圧が 100/60mmHg に改善、尿量が 40mL/hr に増加すれば輸液反応性ありと判断。改善が乏しい場合は、昇圧薬 (Vasopressor)(ノルアドレナリンなど)の開始を検討。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 最重要! 空気塞栓(Air Embolism)予防:CVPラインの接続部は確実にロックし、三方活栓は閉じておく。ライン交換時は トレンデレンブルグ体位 (Trendelenburg Position) をとらせるか、Valsalva呼吸を指示。 - 感染予防:カテーテル関連血流感染症 (Catheter-Related Bloodstream Infection: CRBSI) 予防のため、穿刺部の清潔保持と定期的なドレッシング交換を徹底。不必要なラインの留置は避ける。 - 測定誤差の防止:圧トランスデューサーは常に右房の高さ(腋窩中線第4肋間)に固定。患者の体位変換時は毎回ゼロ点調整を行う。
看護プロトコル: - 観察頻度:重症患者は1時間ごとにCVP値、血圧、尿量、意識レベルを評価。安定したら4〜8時間ごと。 - 報告基準(SBAR):CVPの急激な変動(±3cmH2O以上)、血圧低下、尿量減少、CVP波形の異常(減衰波形など)があれば即時報告。 - 記録のポイント:CVP値、測定時の患者体位、トランスデューサーの高さ、輸液量と尿量、医師への報告内容と指示内容を詳細に記録。
先輩看護師の一言: 「CVPは『患者さんの血液量が今どうなっているか』を教えてくれるすごく便利な指標です。でも、数値だけに頼らないで!患者さんの顔色、尿の出具合、バイタルサインの全体像を必ず見て判断してください。CVPが正常でも患者さんがぐったりしていれば、それは何かサインかもしれません。『見える化』された数値を、患者さんの『見えない』状態を推測する道具として活用しましょう。国試でも『CVPが低い→輸液が必要』だけ覚えるのではなく、『なぜ低いのか(出血?脱水?血管拡張?)』まで考えられると、現場で本当に役立つ看護師になれますよ!」

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