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診療に伴う技術
非観血的血圧測定において、マンシェットの幅が上腕周囲長に対して狭すぎた場合の影響として正しいのはどれか。
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1
脈圧が実際より小さくなる
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2
測定値に影響はない
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3
拡張期血圧が実際より低く測定される
-
4
収縮期血圧が実際より高く測定される
✓ 正解
-
5
収縮期血圧が実際より低く測定される
解説
マンシェットの幅が狭すぎると、動脈を圧迫するために必要な圧力が高くなるため、収縮期血圧が実際より高く測定される。逆に幅が広すぎると、血圧は実際より低く測定される。マンシェットの幅は上腕周囲長の40%程度が適切とされる。
同じテーマの次の問題成人の橈骨動脈での脈拍測定において、正しい方法はどれか。この問題が収録された問題集看護師の基本となる基礎看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、非観血的血圧測定 (Non-Invasive Blood Pressure Measurement, NIBP) における測定誤差の原因を問うています。血圧測定の正確性は、マンシェットのサイズ選択に大きく依存することを理解することが鍵です。マンシェットの幅は上腕周囲長の約40%が適切とされています。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! マンシェットの幅が上腕に対して狭すぎる場合、動脈(特に上腕動脈)を完全に圧迫するために、より高い圧力(空気の注入量)が必要になります。その結果、血流が途絶える時点(収縮期血圧の測定ポイント)の圧力が実際よりも高く評価され、収縮期血圧が実際より高く測定されるという誤差が生じます。逆に、マンシェットが広すぎると、少ない圧力で動脈を圧迫できるため、血圧は実際より低く測定されます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意!
- ①番(脈圧が実際より小さくなる):誤り。 マンシェットが狭すぎると収縮期血圧は高く、拡張期血圧もやや高めに測定される傾向があり、脈圧(収縮期血圧 - 拡張期血圧)は実際より大きくなるか、変動します。小さくなることはありません。
- ②番(測定値に影響はない):誤り。 マンシェットサイズの不適切は、測定値に系統的な誤差(偏り)を生じさせます。
- ③番(拡張期血圧が実際より低く測定される):誤り。 狭すぎるマンシェットでは、拡張期血圧も実際より高く測定される傾向があります。
- ⑤番(収縮期血圧が実際より低く測定される):誤り。 これはマンシェットが広すぎる場合に生じる誤差です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
血圧測定の正確性に影響するその他の因子も併せて覚えておきましょう。
| 因子 | 影響 |
|---|
| マンシェット幅 狭い | 血圧 高め に測定 |
| マンシェット幅 広い | 血圧 低め に測定 |
| マンシェット 緩い | 血圧 高め に測定 |
| マンシェット 巻き直し不足 | 血圧 低め に測定 |
| 加圧 不十分 | 収縮期血圧 低め に測定 |
| 減圧 速すぎる | 収縮期血圧 低め、拡張期血圧 高め に測定 |
概念整理: 非観血的血圧測定の原理は、マンシェットで動脈を圧迫し、血流が再開する時の圧力を測定することです。マンシェットサイズが不適切だと、この「圧迫の効率」が変わり、正確な圧力評価ができなくなります。
一目で比較!:
- マンシェット狭い:血圧高め(圧迫に強い力が必要)
- マンシェット広い:血圧低め(圧迫に弱い力で十分)
看護過程ポイント:
- アセスメント:患者の上腕周囲長を測定し、適切なサイズのマンシェットを選択する。
- 計画・実施:マンシェットの幅は上腕周囲長の40%を目安とする。マンシェットは上腕動脈の真上に巻き、ゴム袋の中央が動脈上にくるようにする。
- 評価:測定値に疑問がある場合(例:患者の状態と乖離がある、左右差が大きい)、マンシェットサイズや巻き方の再確認、測定方法の見直しを行う。
暗記のコツ: 「狭い→高い」と覚えましょう。「狭い道を通るには、強い圧力(高い血圧)が必要」というイメージです。逆に「広い→低い」は「広い道は少ない圧力(低い血圧)で通れる」と連想します。
国試頻出ポイント: 血圧測定の誤差要因は、頻出です。マンシェットサイズ(狭い/広い)と加減圧速度、マンシェットの緩みなど、複数の因子とその影響をセットで問う選択肢問題として出題されます。
出題パターン注意!: 単純な知識問題に加え、「Aさん(80歳、女性)の血圧が異常高値である。マンシェットサイズの確認を指示された。あなたはどのような点に注意するか」といった臨床判断を問う状況設定問題に発展することがあります。高齢者では筋肉の萎縮などで上腕周囲長が変わりやすいため、特に注意が必要です。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
新人看護師が、70代の女性患者(BMI 28、上腕周囲長35cm)の血圧を測定しました。使用したマンシェットは標準サイズ(幅12cm)でした。測定値は168/92mmHgと高値でしたが、患者に高血圧の既往はなく、特に症状もありません。先輩看護師が測定し直すと132/78mmHgでした。この差の原因として、マンシェットサイズの不適切さが疑われます。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)- 1観察・アセスメント患者の上腕周囲長をメジャーで正確に測定します。この場合、35cmなので、適切なマンシェット幅は約14cm(35cm×0.4)となります。標準サイズ(12cm)では狭すぎるため、大きめのマンシェット(大柄用/肥満用)を選択する必要があります。
- 2報告・介入医師や先輩に状況を報告し、適切なサイズのマンシェットで再測定を行います。測定値はカルテに「マンシェットサイズ変更後の値」であることを併記します。
- 3評価再測定値が患者の状態と一致しているか確認します。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 誤った高値は不必要な降圧薬投与や治療開始につながる危険性があります。
- 逆に、誤った低値は高血圧の見逃しにつながります。
- マンシェットのゴム袋の長さも重要で、上腕周囲の80%以上をカバーする必要があります。 看護プロトコル: 定期的な血圧測定機器の点検と、スタッフ間での測定技術の標準化(特にマンシェットサイズ選択基準)が重要です。SBAR報告では、「患者Aさん、上腕周囲長35cmに対し標準サイズのマンシェットで測定したところ168/92mmHgでした。大柄用マンシェットで再測定した結果132/78mmHgです。経過観察で問題ないと考えます。」のように伝えます。
先輩看護師の一言: 「血圧測定は基本中の基本だけど、一番ミスが多いところでもあるんだよ。『この患者さん、測定値が高すぎるな?何かおかしいな?』と感じたら、まずマンシェットサイズと巻き方を確認!それだけで正確な値が取れることが本当に多い。国試でも『適切なマンシェットサイズ』は絶対に覚えておいてね!」
- 非観血的血圧測定 — マンシェットと聴診器を用いて、動脈の圧迫と血流音(コロトコフ音)を聴取することで血圧を測定する方法。カフサイズの選択が正確性に直結する。
- マンシェット幅 — 血圧測定カフの幅。上腕周囲長の40%が適切とされ、狭すぎると血圧が高く、広すぎると低く測定される。
- 収縮期血圧 — 心臓が収縮して血液を動脈に送り出す時の最大圧力。コロトコフ音の第I点で測定される。
- 拡張期血圧 — 心臓が拡張して血液を充満させている時の最小圧力。コロトコフ音の消失点(第V点)で測定される。
- コロトコフ音 — 血圧測定時にマンシェット下の動脈から聴こえる血流音。第I音(収縮期血圧)から第V音(拡張期血圧)までの変化を聴取する。
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