緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。 | MyMerci
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必修問題
問題

緑内障患者への投与が禁忌なのはどれか。

解説
「アトロピン」(抗コリン薬)や抗ヒスタミン薬などは、散瞳作用によって隅角が狭くなり眼圧を急激に上昇させる危険があるため、閉塞隅角緑内障の患者には禁忌です。
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詳細解説

核心解説 この問題は、緑内障 (Glaucoma)、特に 閉塞隅角緑内障 (Angle-Closure Glaucoma) の患者に対する薬剤の禁忌を問うています。緑内障の病態は、眼圧 (Intraocular Pressure) の上昇により視神経が障害される疾患です。閉塞隅角緑内障では、虹彩によって房水の排出路である隅角が物理的に閉塞されることで眼圧が急激に上昇します。よって、最重要! 散瞳作用(瞳孔を開く作用)を持つ薬剤は、隅角をさらに狭くするため、この病態に禁忌となります。 1. 核心概念の分析 (Key Concept): この問題の核心は、抗コリン薬 (Anticholinergic Drugs) の薬理作用を理解しているかです。抗コリン薬は副交感神経を遮断し、瞳孔括約筋を弛緩させることで散瞳 (Mydriasis) と毛様体筋麻痺 (Cycloplegia) を引き起こします。この作用が、閉塞隅角緑内障の患者において眼圧上昇を誘発するため禁忌となります。 2. 正解の根拠 (Answer Rationale): 正解は ③ アトロピン (Atropine) です。アトロピンは代表的な抗コリン薬で、強い散瞳作用を持ちます。これを緑内障患者に投与すると、隅角閉塞が進行し、眼圧が急上昇、急性緑内障発作 (Acute Glaucoma Attack) を引き起こす危険性があります。よって、閉塞隅角緑内障には絶対禁忌です。開放隅角緑内障 (Open-Angle Glaucoma) でも注意が必要ですが、特に閉塞隅角型では禁忌です。 3. 誤答の分析 (Distractor Analysis): - ① コデイン (Codeine): 混同注意! コデインは オピオイド鎮咳薬・鎮痛薬 です。散瞳作用はありません。ただし、モルヒネなど一部のオピオイドは縮瞳 (Miosis) を引き起こすため、眼圧への影響は限定的ですが禁忌にはなりません。この選択肢は「緑内障に禁忌な薬剤」の一覧を丸暗記しようとする学習者が引っかかるための誤答です。 - ② アスピリン (Aspirin): 非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) です。眼圧への直接的な影響はほとんどなく、緑内障の禁忌薬ではありません。むしろ、血小板凝集抑制作用がありますが、緑内障とは無関係です。 - ④ ジゴキシン (Digoxin): 強心配糖体 (Cardiac Glycoside) で、心不全 (Heart Failure) や心房細動 (Atrial Fibrillation) に使用されます。眼圧への影響はなく、緑内障の禁忌薬ではありません。 - ⑤ フェニトイン (Phenytoin): 抗てんかん薬 (Antiepileptic Drug) です。眼圧への影響はなく、緑内障の禁忌薬ではありません。 4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 混同注意! 緑内障に禁忌な薬剤として、抗コリン薬(アトロピン、ブチルスコポラミン、抗パーキンソン病薬など)抗ヒスタミン薬(第一世代:ジフェンヒドラミンなど)、そして一部の三環系抗うつ薬が代表的です。これらはいずれも散瞳作用を持つため、閉塞隅角緑内障患者には禁忌です。一方、縮瞳薬(ピロカルピンなど)は逆に散瞳薬の拮抗薬として緑内障治療に用いられます。 概念整理: - 緑内障の種類: 閉塞隅角緑内障 (Angle-Closure Glaucoma)(房水排出路が物理的に塞がる、急激な眼圧上昇)と 開放隅角緑内障 (Open-Angle Glaucoma)(房水排出路は開いているが、抵抗が増して徐々に眼圧上昇)。 - 禁忌薬の作用機序: 散瞳作用 → 虹彩が周辺に引き寄せられ、隅角が狭小化 → 房水排出障害 → 眼圧上昇。 - 代表的な禁忌薬剤カテゴリー: 抗コリン薬抗ヒスタミン薬三環系抗うつ薬抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)も注意。 一目で比較!:
薬剤分類代表薬眼への作用緑内障への適応
抗コリン薬アトロピン、スコポラミン散瞳 + 毛様体筋麻痺禁忌(特に閉塞隅角型)
抗ヒスタミン薬(第一世代)ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン散瞳(弱〜中程度)慎重投与・禁忌
縮瞳薬ピロカルピン縮瞳治療薬(閉塞隅角型に有効)
看護過程ポイント: - アセスメント: 患者の 眼疾患の既往歴 を必ず確認する。特に「緑内障」の診断とそのタイプ(閉塞隅角型か開放隅角型か)は重要。 - 看護診断: 「薬物療法に関連した眼圧上昇のリスク状態」 または 「急性緑内障発作に関連した急性疼痛(眼痛)・視覚障害のリスク状態」。 - 計画・実施: 散瞳作用のある薬剤を投与する際は、必ず緑内障の有無を確認する。やむを得ず投与する場合は、眼圧測定視力・視野の観察 を計画する。 - 評価: 投与後、患者の 眼痛、霧視、充血、嘔気・嘔吐 などの症状出現を評価する。これらは急性緑内障発作の兆候です。 暗記のコツ: 「アトロピン(抗コリン薬)目をパッと開く(散瞳) 薬。緑内障で出口が詰まりかけているところに、さらに目を開けると、虹彩が出口を完全に塞いでしまう → 眼圧が急上昇!」とイメージしましょう。他の禁忌薬も「パッと開く」作用を持つ薬剤(抗ヒスタミン薬、三環系抗うつ薬、抗パーキンソン病薬)とセットで覚えましょう。 国試頻出ポイント: - 「緑内障に禁忌な薬剤」は毎年のように出題される頻出項目です。特に アトロピンスコポラミン は必ず押さえましょう。 - 近年は状況設定問題で、「高齢の緑内障患者に、夜間せん妄に対して抗コリン薬を処方された」などの事例で、禁忌を判断させる問題が出やすいです。 - 混同注意! 緑内障治療薬(ピロカルピンなどの縮瞳薬、ラタノプロストなどのプロスタグランジン関連薬)と、禁忌薬を混同しないようにしましょう。 出題パターン注意!: 単純知識問題:「緑内障に禁忌なのはどれか?」から、応用問題:「閉塞隅角緑内障のある患者の術前投薬として適切なのはどれか?」のように発展します。また、「緑内障患者に投与後、眼痛と視力低下が出現した。何が考えられるか?」のような症状からの逆引き問題にも対応できるように、薬剤の副作用と病態を関連付けて理解しておきましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド - 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 80代女性、閉塞隅角緑内障で治療中(ピロカルピン点眼中)。夜間、不穏状態となり、せん妄 (Delirium) と判断されました。医師が「何か眠くなる薬はないか」と相談してきました。この時、看護師としてどのような提案・注意が必要でしょうか? - 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! 第一に患者の 眼疾患の既往(閉塞隅角緑内障) を確認します。せん妄に使用されることが多い 抗ヒスタミン薬(第一世代)ベンゾジアゼピン系薬剤 は散瞳作用や抗コリン作用を持つ可能性があるため、医師に 「この患者様は閉塞隅角緑内障があり、散瞳作用のある薬剤は眼圧上昇のリスクがあります。緑内障に比較的安全な薬剤(例:非ベンゾジアゼピン系睡眠薬や抗精神病薬など)の検討をお願いします」SBAR で報告します。 - 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 万が一、散瞳作用のある薬剤が投与された場合、急性緑内障発作のサイン(眼痛、視力低下、霧視、充血、頭痛、嘔気)を注意深く観察する必要があります。眼圧が急上昇すると視神経が不可逆的に障害され、失明に至る可能性があるため、緊急対応が必要です。 看護プロトコル: - 観察項目: バイタルサイン、意識レベル、眼痛・頭痛の有無、視力・視野の変化、眼球結膜の充血、嘔気・嘔吐。 - 報告基準(SBAR): - S (Situation): 「3号室A様、閉塞隅角緑内障の既往があります。今夜、せん妄状態です。」 - B (Background): 「普段はピロカルピンを点眼中。緑内障のコントロールは良好です。」 - A (Assessment): 「抗コリン作用や散瞳作用のある薬剤は眼圧上昇のリスクがあるため、禁忌と考えます。」 - R (Recommendation): 「緑内障に安全な薬剤への変更を提案します。」 - 先輩看護師の一言: 「国試で覚えた知識は、こうした臨床の場面で患者さんの安全を守るために使います!『この患者さんは緑内障があるから、この薬は危ない』と気づけるかどうかが、看護師の腕の見せどころです。薬剤の作用と患者の病態を結びつけて考える習慣をつけましょう!」

重要概念

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