核心解説
この問題は、
患者調査 (Patient Survey) に基づく外来受療率の知識を問う、
健康支援と社会保障制度 の分野からの出題です。患者調査は、医療施設を利用する患者の状況を把握し、医療政策の基礎資料とするための全国調査であり、外来と入院それぞれの受療率(人口10万対)が集計されています。この問題では、外来受療率で最も多い傷病を正しく理解することが求められます。
1.
核心概念の分析 (Key Concept):
この問題の核心は、
外来受療率 (Outpatient Consultation Rate) の動向を把握することです。外来受療率は、通院している患者さんの主な傷病(疾患)の傾向を示しており、医療需要の理解に不可欠です。平成29年(2017年)の調査では、外来受療率が最も高い傷病は
消化器系の疾患 (Diseases of the Digestive System) であり、特に歯肉炎・歯周疾患などの「歯及び歯の支持組織の疾患」が大きな割合を占めています。この結果は、多くの人が日常的に歯科医院を受診していることを反映しています。
2.
正解の根拠 (Answer Rationale):
正解は「消化器系の疾患」です。平成29年患者調査の結果を確認すると、外来受療率(人口10万対)の上位は以下の通りです。
第1位:消化器系の疾患(特に歯及び歯の支持組織の疾患が寄与)
第2位:循環器系の疾患(高血圧性疾患など)
第3位:呼吸器系の疾患(かぜ症候群など)
このように、消化器系の疾患が外来受療率で最も高い理由は、歯科疾患の受療頻度の高さに起因します。
3.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意!①
新生物(腫瘍) (Neoplasms) → 外来受療率は上位ではありません。ただし、
入院受療率では最も高い 傷病です。外来と入院の受療率を混同しやすいため注意が必要です。
②
呼吸器系の疾患 (Diseases of the Respiratory System) → 外来受療率では第3位です。かぜやインフルエンザなど頻度は高いものの、消化器系には及びません。
④
内分泌、栄養及び代謝疾患 (Endocrine, Nutritional and Metabolic Diseases) → 外来受療率ではさらに低く、主に糖尿病や甲状腺疾患などが含まれますが、受療者数は限定的です。
4.
関連概念の整理 (Related Concepts):
外来と入院の受療率トップの違いは頻出事項です。外来は消化器系(歯科含む)がトップ、入院は新生物(悪性腫瘍の手術や治療)がトップであることを対比して覚えましょう。また、患者調査の目的や、
傷病分類 (Disease Classification) の大区分を押さえておくことが重要です。
概念整理: 外来受療率の高い傷病(消化器系 > 循環器系 > 呼吸器系)をイメージし、特に「歯科疾患」の占める割合の大きさを意識する。入院受療率との比較で「新生物」の位置づけを再確認する。
一目で比較!:
| 指標 | 第1位の傷病 | 例 |
|---|
| 外来受療率 | 消化器系の疾患 | 歯肉炎・歯周疾患、虫歯 |
| 入院受療率 | 新生物(腫瘍) | 悪性腫瘍(がん) |
看護過程ポイント: 外来患者の特性を理解することで、
健康診断や保健指導の優先順位を考えるヒントになります。例えば、歯科疾患が多い地域では口腔ケアの指導が重要になります。
暗記のコツ: 「
外消(がいしょう)・入新(にゅうしん)」と覚えましょう。外来は消化器(消)、入院は新生物(新)がトップ。
国試頻出ポイント: 患者調査の結果(特に外来と入院の傷病別受療率の比較)は、ほぼ毎年出題されるレベルの頻出項目です。数字の暗記よりも、上位の傷病名を確実に押さえることが重要です。
出題パターン注意!: 「平成29年患者調査において、外来受療率が最も高い傷病はどれか」といった単純知識問題に加え、「高齢者の外来受療率の特徴」や「他の調査(国民生活基礎調査など)との比較」を問う形でも出題されます。