こんな問題があと1,192問挑戦 ›
必修問題
男性の導尿でカテーテルを挿入するとき、体幹に対する頭部側からの挿入角度はどれか。
-
1
0~10度
-
2
40~50度
-
3
80~90度
✓ 正解
-
4
120~130度
解説
男性の尿道は長く、恥骨前彎と恥骨下彎の2つの彎曲があります。カテーテル挿入時は陰茎を体幹に対して「80〜90度(直角)」に引き上げて恥骨前彎を真っ直ぐにし、挿入を容易にします。
同じテーマの次の問題感覚受容にリンパ液の動きが関与するのはどれか。2つ選べ。この問題が収録された問題集【合格ライン突破】 過去問5年分 本気の実戦問題KRW 20,000
核心解説
この問題は、男性の導尿 (Male Catheterization)における基本的な手技、特にカテーテル挿入時の陰茎の保持角度を問うています。男性の尿道は約16~22cmと長く、2つの彎曲(恥骨前彎と恥骨下彎)を持つことが特徴です。この彎曲を直線化し、カテーテルをスムーズに挿入するために、陰茎を体幹に対して約80~90度(ほぼ直角)に引き上げます。これにより、恥骨前彎 (Preliminary Curve)が矯正され、抵抗なく挿入できるようになります。
1. 核心概念の分析 (Key Concept): 男性尿道の解剖学的特徴を理解することが鍵です。尿道は恥骨結合の前下方を走る恥骨前彎と、恥骨結合の後方で上方へ彎曲する恥骨下彎 (Subpubic Curve)の2つがあります。導尿時はまず陰茎を垂直(80~90度)に挙上して恥骨前彎を真っ直ぐにし、抵抗なく進むことを確認しながら挿入を進めます。
2. 正解の根拠 (Answer Rationale): ③番の80~90度が正解です。陰茎を体幹に対して垂直に挙上することで、恥骨前彎が伸展・直線化されます。この操作は、カテーテル先端が尿道粘膜を損傷するリスクを減らし、患者の苦痛を軽減するために重要です。
3. 誤答の分析 (Distractor Analysis):
- ①番の0~10度は、陰茎をほとんど挙上しない状態であり、恥骨前彎が残ったままとなるため挿入抵抗が大きく、粘膜損傷のリスクが高まります。
- ②番の40~50度は、中途半端な角度であり、十分に恥骨前彎が矯正されません。この角度ではカテーテルが尿道球部で引っかかりやすいです。
- ④番の120~130度は、陰茎を過度に挙上しすぎる角度です。解剖学的に不自然であり、患者に強い痛みや不快感を与え、尿道損傷のリスクを高めるため禁忌です。
4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 男性導尿では、さらにカテーテルが恥骨下彎を通過する際に抵抗を感じることがあります。その際は陰茎を水平(約60度)に下げながら挿入を進めることで、彎曲に沿って進めることができます。また、混同注意!女性の導尿では尿道が短く(約4~5cm)彎曲が少ないため、陰茎の挙上操作は不要です。女性は約15~20度の角度で挿入します。
概念整理:
| 項目 | 男性尿道 | 女性尿道 |
| 長さ | 16~22cm | 約4~5cm |
| 彎曲 | 恥骨前彎 + 恥骨下彎(2つ) | ほとんどなし |
| 導尿時の挿入角度 | 80~90度(陰茎垂直挙上) | 約15~20度(軽度上方) |
| カテーテルサイズ | 12~16Fr | 10~14Fr |
一目で比較!:
| 角度 | 臨床的意義 | リスク |
| 0~10度 | 恥骨前彎が矯正されず挿入困難 | 尿道粘膜損傷、出血 |
| 40~50度 | 不十分な矯正、尿道球部で抵抗 | 患者の苦痛増大、偽腔形成リスク |
| 80~90度(正解) | 恥骨前彎が直線化され挿入容易 | 標準ケア |
| 120~130度 | 過度な挙上で尿道が過伸展 | 尿道損傷、強い疼痛 |
看護過程ポイント:
- アセスメント (Assessment): 患者の年齢、前立腺肥大の有無、排尿状態、尿道の状態(狭窄や損傷の既往)を評価する。特に高齢男性では前立腺肥大による尿道狭窄が多く、抵抗を感じた際は無理に挿入しない。
- 看護診断 (Nursing Diagnosis): 「尿路感染リスク状態」「排尿状態障害(導尿に関連)」「急性疼痛(処置に関連)」
- 計画・実施 (Planning & Implementation): 無菌操作を徹底し、カテーテル先端に潤滑ゼリー(リドカイン含有ゼリーが望ましい)を十分に塗布する。挿入時は陰茎を80~90度に挙上し、抵抗なく進む場合はそのまま膀胱まで進める。抵抗を感じた場合は、陰茎を水平に下げて角度を調整しながら挿入する。尿の流出を確認後、バルーンを5~10mlの蒸留水で膨らませる。
- 評価 (Evaluation): 尿の流出状態、患者の疼痛の有無、挿入後の血尿の有無を観察する。
暗記のコツ:
「男性導尿は、陰茎を天井に向かってピンと立てる(80~90度)!」とイメージすると覚えやすいです。さらに「前彎を伸ばす → 下彎を通す(水平に倒す)」という2ステップを「立ててから、寝かせる」と語呂合わせで覚えましょう。
国試頻出ポイント:
男性導尿の挿入角度は、看護師国家試験で繰り返し出題される基本手技の一つです。特に「80~90度」という数値は、最重要!暗記必須です。また、恥骨前彎と恥骨下彎の解剖学的な位置関係や、バルーン膨張前に尿の流出を確認する手順も併せてよく出題されます。
出題パターン注意!:
単純な知識問題として「男性導尿時の挿入角度は?」と出題されるほか、状況設定問題(事例問題)で「導尿中に抵抗を感じた場合の看護師の対応」という形で発展して出題されることがあります。その場合は、無理に押し込まず、陰茎の角度を調整する(水平にする)ことや、医師へ報告する判断が問われます。
臨床実践ガイド- 1臨床シナリオ (Clinical Scenario)75歳男性、前立腺肥大症(BPH)の既往あり。腹部手術後に尿閉となり、医師の指示で導尿を実施することになりました。膀胱は恥骨上に触知され、患者は「尿が溜まって苦しい」と訴えています。あなたは看護師として、準備した16Frフォーリーカテーテルを挿入します。
- 2看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)1. 観察:患者の協力が得られるか確認し、尿道口の清潔状態を観察する。
2. アセスメント:前立腺肥大があるため、抵抗が強い可能性を予測する。挿入前に十分な潤滑が重要。
3. 報告基準(SBAR):挿入困難な場合や血尿が認められた場合は、医師へ報告する。
4. 介入:陰茎を80~90度に挙上し、ゆっくりとカテーテルを挿入する。抵抗を感じた場合は、無理せず陰茎の角度を水平(約60度)に調整し、再試行する。それでも挿入できない場合は、医師に報告し、別のサイズや素材(クーデ型カテーテルなど)の使用を検討する。
5. 評価:膀胱まで到達し、尿の流出を確認できたら、バルーンを蒸留水で膨らませる。尿量・性状を観察し、患者の苦痛が軽減したかを確認する。
- 3患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)- 最重要!無菌操作の徹底:尿路感染症(UTI)予防のため、清潔手袋の着用とヨード剤での消毒を必ず行う。
- バルーン膨張の確認:尿の流出を必ず確認してからバルーンを膨らませる。尿道内でバルーンを膨らませると、尿道損傷や激痛の原因となる。
- 禁忌:無理な挿入は絶対に行わない(偽腔形成や尿道破裂のリスク)。
- 高齢者への配慮:認知症やせん妄のある患者では、処置の説明を穏やかに繰り返し、身体抑制のリスクを最小化する。
看護プロトコル:
- 観察項目:尿道口の発赤・分泌物の有無、挿入時の抵抗感、尿の流出確認、排尿後の残尿感
- 記録のポイント:挿入日時、使用カテーテルのサイズ・種類、挿入のしやすさ、尿量・性状、患者の反応(疼痛の有無)
- 家族への説明:導尿の目的(尿閉の解除)、カテーテル留置中の注意点(感染予防、バッグの位置管理)、入浴や体位の制限について
先輩看護師の一言:
「導尿は患者さんにとってとても不快な処置です。特に男性患者さんは恥ずかしさや痛みを強く感じるので、『力を抜いてくださいね』『痛みが出たらすぐ教えてくださいね』と優しく声をかけながら、確実な手技で行うことが大切です。国試で『角度』を聞かれたら、迷わず80~90度を選んでください!現場では、この知識が患者さんの安全と安楽を守る基礎になります!」
- 恥骨前彎 — 男性尿道の最初の彎曲で、恥骨結合の前下方を走る部分。導尿時は陰茎を垂直に挙上してこの彎曲を矯正する。
- 恥骨下彎 — 恥骨結合の後方で尿道が上方へ彎曲する部分。カテーテルがこの彎曲を通過する際は、陰茎を水平に下げて角度を調整する。
- フォーリーカテーテル — バルーン付き尿道カテーテル。膀胱内でバルーンを膨らませて留置する。男性用は通常12~16Frを使用する。
- 無菌操作 — 導尿は膀胱内にカテーテルを挿入する侵襲的な処置であり、尿路感染症予防のために厳格な無菌操作が必要である。
- 尿閉 — 膀胱内に尿が貯留しているにもかかわらず、自力での排尿ができない状態。導尿により緊急的に尿を排出する適応となる。
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。