核心解説
この問題は、
日本人の食事摂取基準(2020年版)に基づく、月経のある成人女性の
鉄 (Iron) の推奨量を問う基礎知識問題です。
月経による鉄の損失を補う必要があるため、閉経後の女性や男性よりも多くの鉄摂取が必要となります。
正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 日本人の食事摂取基準(2020年版)では、
18~49歳女性(月経あり)の鉄の
推奨量は10.5mg/日と定められています。月経による出血で失われる鉄分(約0.5mg/日)を補償するための数値です。この年代は鉄欠乏性貧血 (Iron Deficiency Anemia) のリスクが高いため、意識的に摂取することが重要です。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
①
混同注意! 5.5mg/日は、月経のない成人女性(閉経後など)や成人男性の推奨量に近い値です。月経のある女性には不足します。
③
混同注意! 15.5mg/日は、妊娠中(特に後期)の女性の付加量を考慮した推奨量に近い値です。通常時の月経のある女性には多すぎます。
④
混同注意! 20.5mg/日は、日本人の食事摂取基準には設定されていない値です。授乳期の推奨量とも異なります。
関連概念の整理 (Related Concepts): 鉄の吸収には
ビタミンC (Vitamin C) と
ヘム鉄 (Heme Iron)(動物性食品由来)が有効です。一方、
タンニン (Tannin)(緑茶・紅茶)や
フィチン酸 (Phytic Acid)(玄米・豆類)は吸収を阻害します。看護師は貧血予防の食事指導の際に、これらの相互作用も考慮しましょう。
概念整理: 鉄は赤血球のヘモグロビン合成に必須のミネラルです。食事摂取基準では、性別・年齢・生理的状態(月経・妊娠・授乳)によって推奨量が異なります。月経のある女性は、損失分を補うため男性より約5mg/日多い摂取が必要です。
一目で比較!:
| 対象 | 鉄推奨量 (mg/日) |
|---|
| 成人男性 (18~64歳) | 7.5 |
| 成人女性 (月経あり 18~49歳) | 10.5 |
| 成人女性 (閉経後 50~64歳) | 6.5 |
| 妊婦 (付加量含む) | +2.5 (中期以降) |
看護過程ポイント:
アセスメント: 月経の有無、貧血の症状(易疲労感、顔面蒼白、動悸、息切れ)、血液検査データ(Hb、Ht、血清フェリチン)を確認。
看護介入: 食事内容の確認と指導(レバー、赤身の魚、ほうれん草、大豆製品の推奨)。吸収促進食品(ビタミンCを含む果物)との組み合わせを提案。
暗記のコツ: 「
月経 (10) のある女性は鉄分 (5) を +10.5」と覚えましょう。「10.5」の数字を「10代後半から40代の女性の鉄分」とイメージすると定着しやすいです。
国試頻出ポイント: 日本人の食事摂取基準は、最新版(2025年版が2024年告示予定)の数値が問われる可能性があります。また、
妊娠中の鉄付加量、
授乳中のカルシウム推奨量、
高齢者のたんぱく質推奨量などもセットで頻出です。
出題パターン注意!: 単純な数値の暗記問題だけでなく、「鉄欠乏性貧血と診断された患者への栄養指導」という
状況設定問題 (Case Study) に発展することが多いです。その際、ビタミンCの併用や吸収阻害因子の回避などの具体的な指導内容が問われます。