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必修問題
問題

直流除細動器の使用目的はどれか。

解説
直流除細動器(DC)は、心室細動などの致死的な不整脈が起きている心臓に電気ショックを与え、心筋の異常な興奮をリセットして正常な「洞調律(サイナスリズム)を回復」させるために使用します。
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詳細解説

核心解説 この問題は、直流除細動器 (Direct Current Defibrillator, DC) の使用目的を問うています。直流除細動器は、心臓が血液を拍出できなくなるような致命的な不整脈に対して用いる救命装置です。その本質は、心筋全体に一瞬の強力な電気ショックを与えることで、心筋細胞の異常で無秩序な興奮状態(例:心室細動 (Ventricular Fibrillation, VF)無脈性心室頻拍 (Pulseless Ventricular Tachycardia, VT))を一掃し、心臓自身の正常なペースメーカーである 洞結節 (Sinoatrial Node, SA Node) が再び主導権を握れるようにすることです。つまり、心臓の電気的活動を「リセット」して正常な拍動を再開させることを目的としています。 1. 核心概念の分析 (Key Concept): この問題は、除細動 (Defibrillation) のメカニズムと目的を理解しているかを問うています。除細動は 心肺蘇生 (Cardiopulmonary Resuscitation, CPR) の一環であり、心停止 (Cardiac Arrest) の中でも特に VF無脈性VT の原因となる 致死性不整脈 (Life-threatening Arrhythmia) に対する唯一の根本的治療法です。蘇生のアルゴリズム(BLS / ACLS)においても、早期の除細動が最も重要な要素の一つとされています。 2. 正解の根拠 (Answer Rationale): 正解は④番の 洞調律の回復 です。直流除細動器は、心筋のすべての細胞を同時に脱分極させることで異常な興奮伝播を遮断し、最も自動能の高い 洞結節 がペースメーカー機能を再開するのを待つための処置です。これを「リセット」または「再同期化」と呼びます。最重要! 除細動の目的はあくまで「不整脈の停止と正常調律の回復」であり、直接的に血圧や呼吸を上げることではありません。血圧や呼吸の改善は、洞調律が回復し心臓が拍出を再開した結果としてもたらされるものです。 3. 誤答の分析 (Distractor Analysis): - ① 血圧の上昇: 混同注意! これは除細動の直接的な目的ではありません。VFが継続している状態では心拍出量 (Cardiac Output) はほぼゼロであり、血圧は測定不能です。除細動により洞調律が回復し心臓が拍動を再開することで、結果的に血圧が上昇します。 - ② 呼吸の促進: 除細動器は呼吸機能に直接作用しません。呼吸は気道確保と人工呼吸(バッグバルブマスクなど)によって維持され、心拍再開後の全身への血流改善により、結果的に呼吸状態が改善する可能性があります。 - ③ 体温の上昇: 体温調節とは無関係です。低体温療法(Therapeutic Hypothermia)などは心停止後症候群に対する治療であり、除細動の目的ではありません。 4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 混同注意! 用語の違いを明確にしておきましょう。 除細動 (Defibrillation) は、心拍動がないVF/無脈性VTに対して非同期で電気ショックを与えることです。一方、 カルディオバージョン (Cardioversion) は、心房細動 (Atrial Fibrillation) などの頻脈性不整脈で、心拍動がある状態に対してR波に同期させて電気ショックを与え、正常調律に戻す処置です。目的は似ていますが、適応と手技が異なります。
概念整理:
処置適応リズム患者の状態同期の有無
除細動 (Defibrillation)VF / 無脈性VT心停止 (Cardiac Arrest) 無脈非同期 (Asynchronized)
カルディオバージョン (Cardioversion)心房細動 (Af) / 心房粗動 (AFL) / 有脈性VT意識がある場合もあり 有脈R波同期 (Synchronized)

看護過程ポイント: - アセスメント: 患者がVFかどうかを迅速に判断する(意識消失、呼吸停止、頸動脈触知不可、心電図モニターでVF波形確認)。 - 看護診断: 【非効果性組織灌流:脳・心・腎】、【心拍出量減少】。 - 計画・実施: CPRチームの一員として、安全な除細動を実施する。導電性パッドの正しい貼付、周囲の安全確認(全員から離れるよう声かけ「チャージ中、離れてください!」)、心肺蘇生と除細動の中断時間を最小化する。 - 評価: 除細動後の心電図波形、脈拍の再開、血圧の回復、意識レベルの変化を評価。
国試頻出ポイント: 看護師国家試験では、以下の点が頻出です。 1. 除細動の適応(VFと無脈性VT)を問う問題。 2. 安全な実施手順(「クリア!」と声をかけ、誰も触れていないことを確認する)を問う問題。 3. 除細動とカルディオバージョンの違いを問う問題。
出題パターン注意!: 「患者が突然、意識を失い、心電図モニターがVF波形を示した。看護師の第一処置はどれか」という状況設定問題で出題されます。選択肢には「心臓マッサージ」「気管挿管」「除細動」「アドレナリン投与」などが並びます。VF/無脈性VTに対しては、何よりもまず早期の除細動が優先されます。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド この概念は、救命現場であるICU、CCU、救急外来、あるいは院内急変対応(コードブルー)で直ちに応用されます。 - 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 60代男性、急性心筋梗塞でCCU入院中。突然、意識レベルが低下し、モニター心電図が 心室細動 (VF) の粗な波 に変化しました。バイタルサインは血圧測定不能、頸動脈触知不可、呼吸停止状態です。あなたはこの患者の担当看護師です。あなたはどうしますか? - 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! まず、意識と呼吸と脈拍を確認(10秒以内)し、VFと判断。直ちにCPRを開始すると同時に、近くのスタッフに救急カートと除細動器を依頼します(コードブルーコール)。除細動器が到着したら、電源ON → パッドを貼付(前胸部と側胸部)→ 「解析中、触らないでください」と声をかけリズム解析 → VFと確認 → 「充填中(チャージ中)」→ 「皆さん離れてください!(クリア!)」と大きな声で安全確認 → ショックボタンを押下。その後、直ちにCPRを再開します(2分間)。 - 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 絶対禁忌! 除細動中に患者やベッドに触れていると、ショックが介助者に流れ、重篤な傷害を引き起こします。「クリア」の声かけと自らの目視による安全確認が最も重要です。 - パッドはペースメーカーや貼付薬(ニトログリセリンパッチなど)の上に貼らない。 - 湿潤した皮膚や多毛な場合は、パッドの密着を妨げないよう剃毛や拭き取りを行う。 - 酸素は患者から離して(1メートル以上)火花による火災を防止する。
先輩看護師の一言: 「いざという時は慌てますよね。でも、BLSとAEDのトレーニングを繰り返しやっておくと、体が動くようになります。心停止は、CPRと早期の除細動が全てです。特にCCUやERでは、VF波形を見たら『迷わずショック!』この合言葉を忘れないでください。患者さんの命を救う最初の一手をあなたが握っています!」

重要概念

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