核心解説
この問題は、
災害看護 (Disaster Nursing)における
トリアージ (Triage)の基本を問うています。トリアージは、限られた医療資源を最大限に活用し、より多くの命を救うための選別方法です。特に日本では、災害時によく用いられる
START法 (Simple Triage and Rapid Treatment)とそれに対応するタッグの色の理解が必須です。
1.
正解の根拠 (Answer Rationale):
カテゴリーⅠ(最優先治療群)は、生命の危険が差し迫っており、即時の処置・治療が必要な状態です。具体的には、
気道確保、呼吸補助、循環の安定化(ショック対策など)が緊急に必要な重症患者が該当します。このカテゴリーを示すタッグの色は
赤 (Red)です。
2.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! 各色とカテゴリーを正しく関連付けることが重要です。
-
黒(0):
死亡群 (Dead / Deceased) または救命の可能性が極めて低い状態。全身熱傷95%以上、心肺停止状態などが該当します。
-
黄(Ⅱ):
待機的治療群 (Delayed)。全身状態は安定しているが、治療が遅れると悪化する可能性がある状態。例えば、意識は清明だが開放骨折がある場合などです。
-
緑(Ⅲ):
軽傷群 (Minor)。歩行可能で、比較的軽い傷病。擦過傷や打撲など、自分で歩いて避難所まで移動できるレベルの傷病者です。
3.
関連概念の整理 (Related Concepts):
トリアージは単にタグの色を覚えるだけでなく、その判断基準を理解することが国試では重要です。START法では、「歩行の可否」「呼吸の有無と回数」「末梢循環(脈拍の触知)」「意識状態(簡単な命令に従えるか)」の4項目で迅速に判定します。また、二次トリアージや病院到着後の院内トリアージ(
JTAS: Japan Triage and Acuity Scale)との違いも押さえておきましょう。
概念整理:
トリアージ (Triage)は「選別」の意。限られた医療資源を有効活用するための災害医療の基本概念。START法に基づき、黒(死亡/0)→赤(最優先/Ⅰ)→黄(待機的/Ⅱ)→緑(軽傷/Ⅲ)の4段階で分類する。
一目で比較!:
| タッグ色 | カテゴリー | 代表的状況 |
| 赤 | Ⅰ (最優先) | ショック、呼吸困難、意識障害 |
| 黄 | Ⅱ (待機的) | 開放骨折(意識清明) |
| 緑 | Ⅲ (軽傷) | 歩行可能な擦過傷 |
| 黒 | 0 (死亡/救命困難) | 心肺停止、広範囲熱傷 |
看護過程ポイント: トリアージはアセスメントの一つ。限られた情報で迅速に「治療優先度」を判断する。看護師は観察(呼吸、脈拍、意識)→判断(カテゴリー決定)→行動(タッグ装着、治療介入)を連続的に行う。
暗記のコツ: 「
赤信号!急いで治療!」と覚えましょう。赤は「緊急」のイメージ。黄色は「注意(注意して待つ)」、緑は「安全(軽症)」、黒は「最悪(死亡)」と色の持つイメージで連想すると記憶に定着しやすいです。
国試頻出ポイント: タッグの色とカテゴリーの組み合わせは毎年のように出題される基本問題です。単純な暗記で対応できます。さらに発展して、「ある患者に黄タッグが付いたのはなぜか」という状況設定問題で判断基準(例えば呼吸数が30回/分未満だが末梢循環は不良など)を問われることもあります。