核心解説
この問題は、
ウイルス性肝炎 (Viral Hepatitis) の主要な感染経路を問うています。
感染経路の違いを病態生理と関連付けて理解することが、看護師国家試験で確実に得点する鍵です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! A型肝炎 (Hepatitis A) と
E型肝炎 (Hepatitis E) は、
糞口経路 (Fecal-Oral Route) すなわち経口感染が主な感染経路です。ウイルスに汚染された水や食品(特に生の二枚貝であるカキなど)を摂取することで感染します。潜伏期間を経て急性肝炎を発症しますが、多くは慢性化せずに治癒します。したがって、選択肢①のA型肝炎が経口感染するウイルス性肝炎の正解です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ②番の
B型肝炎 (Hepatitis B)、③番の
C型肝炎 (Hepatitis C)、④番の
D型肝炎 (Hepatitis D) は、いずれも血液や体液を介して感染する「
血液媒介感染 (Bloodborne Infection)」が主な経路です。B型肝炎は母子感染、性行為感染、針刺し事故などで、C型肝炎は主に輸血や注射器の回し打ち(過去の事例)で感染します。D型肝炎はB型肝炎ウイルスに感染していなければ感染しない(不完全ウイルス)という特殊性も併せて覚えておきましょう。
関連概念の整理 (Related Concepts)
A型肝炎とE型肝炎は共に経口感染で急性肝炎を起こしますが、E型肝炎は妊婦が感染すると重症化しやすいという特徴があります。また、A型肝炎の予防には
ワクチン接種と手洗い・加熱調理などの感染予防策が有効です。一方、B型肝炎はワクチンで予防可能ですが、C型肝炎は現在も有効なワクチンが実用化されていません。看護師として、各肝炎ウイルスの感染経路を正しく理解し、患者指導や針刺し事故防止対策に活かすことが求められます。
概念整理:
ウイルス性肝炎の感染経路分類
| 感染経路 | 該当する肝炎ウイルス |
|---|
| 経口感染(糞口経路) | A型肝炎、E型肝炎 |
| 血液媒介感染 | B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎 |
一目で比較!:
A型肝炎 vs B型肝炎
| 項目 | A型肝炎 | B型肝炎 |
|---|
| 感染経路 | 経口(糞口) | 血液・体液 |
| 潜伏期間 | 約2~6週間 | 約1~6ヶ月 |
| 慢性化 | なし | あり(乳幼児感染で高率) |
| ワクチン | あり(定期接種外) | あり(定期接種) |
| 予防の基本 | 手洗い・加熱調理 | ワクチン・針刺し対策 |
看護過程ポイント:
感染経路別の看護介入
-
アセスメント: 患者の渡航歴、生食摂取歴(A/E型肝炎)、輸血歴・針刺し事故歴(B/C型肝炎)、ワクチン接種歴を確認する。
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看護診断 (Nursing Diagnosis): 【感染リスク状態】ウイルス性肝炎患者への曝露に関連する
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計画・実施: A型肝炎患者の便取り扱い時は手袋・ガウン着用(標準予防策 + 接触感染対策)、B型肝炎患者の血液取り扱い時は針刺し防止のための安全器材使用。
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評価: 院内感染(二次感染)が発生していないか、患者・家族への感染予防指導が理解できているか。
暗記のコツ: 「
AとE(エイ)は口から、BとC(ビーシー)は血から」と覚えましょう。「エイ」は「経口感染のエイ」と連想し、「ビーシー」は「Blood(血液)とBody fluids(体液)」のBとCと覚えると混乱しにくいです。
国試頻出ポイント: このテーマは「感染経路の違い」を直接問う問題として非常に頻出です。また、「A型肝炎の予防接種は旅行前に勧奨される」「C型肝炎の治療は経口の抗ウイルス薬(DAAs)が主体」など、各肝炎の治療・予防に関する発展問題にも対応できるよう、基礎知識を固めておきましょう。
出題パターン注意!: 近年は単純な暗記問題から、「輸入感染症としてのA型肝炎事例」「院内感染対策としてのB型肝炎患者への対応」など、状況設定問題(事例問題)への発展が増えています。例えば、「生ガキを食べた後の黄疸患者への看護」という形で出題されることがあります。