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必修問題
グリセリン浣腸を準備する際の浣腸液の温度で適切なのはどれか。
-
1
20℃
-
2
30℃
-
3
40℃
✓ 正解
-
4
50℃
解説
グリセリン浣腸に用いる浣腸液の温度は、腸管の痙攣を防ぎ安全に投与するために、体温よりやや高い「約40〜41℃」に温めて使用するのが適切です。
同じテーマの次の問題感覚受容にリンパ液の動きが関与するのはどれか。2つ選べ。この問題が収録された問題集【合格ライン突破】 過去問5年分 本気の実戦問題KRW 20,000
核心解説
この問題は、グリセリン浣腸 (Glycerin Enema) を準備する際の基本的な看護技術を問うています。浣腸液の温度は、患者の安全と安楽を確保する上で重要な観察・調整項目です。腸管は温度変化に敏感で、冷たすぎると腸の蠕動運動が亢進し、腹痛や痙攣を誘発する可能性があります。逆に熱すぎると腸粘膜を火傷させてしまう危険があります。したがって、浣腸液は体温よりやや高い 最重要! 約40℃(38~42℃)に温めて使用することが標準とされています。この温度は、腸管の過度な刺激を防ぎ、安全で効果的な排便を促します。
1. 正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! ③番の 40℃ が適切です。グリセリン浣腸の浣腸液は、体温(約37℃)よりやや高い 38~42℃ に温めて使用します。この温度帯は、腸粘膜への刺激が穏やかであり、腸管の痙攣を防ぎながら、穏やかな排便反射を誘発するのに最適です。患者の安楽を考慮し、手首の内側などで温度を確認する習慣をつけましょう。
2. 誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ①番の 20℃ は冷たすぎます。冷水浣腸として用いられることはありますが、グリセリン浣腸では腸管を強く刺激し、腹痛や不快感を強く与えるため適切ではありません。②番の 30℃ も体温より低く、腸管の痙攣を引き起こすリスクがあります。④番の 50℃ は熱すぎます。腸粘膜を火傷させる危険性があり、絶対に避けるべき温度です。
3. 関連概念の整理 (Related Concepts): 混同注意! 浣腸には様々な種類があり、目的や使用する薬剤によって適切な温度や注入量が異なります。例えば、高圧浣腸(ソープ浣腸) は腸管を拡張させて排便を促すもので、温度は40℃前後、注入量は500~1000mlと多めです。一方、グリセリン浣腸は薬液(グリセリンと精製水の混合液)が腸粘膜を刺激して排便反射を誘発するもので、注入量は20~50mlと少量です。また、禁忌として、腸閉塞、腸穿孔、急性腹症が疑われる場合には浣腸は禁忌であることを併せて覚えておきましょう。
概念整理: グリセリン浣腸は、高張性のグリセリン液が腸管内の水分を引き出し、腸粘膜を刺激することで排便反射を誘発する。適切な温度管理(40℃前後)は、患者の安楽と安全(腸管痙攣・熱傷予防)のために不可欠。
一目で比較!: | 浣腸の種類 | 主な目的 | 適切な温度 | 注入量の目安 |
|---|
| グリセリン浣腸 | 排便誘発(刺激型) | 40℃前後 | 20~50ml |
| 高圧浣腸(ソープ浣腸) | 便秘解除(拡張型) | 40℃前後 | 500~1000ml |
| 冷水浣腸 | 腸蠕動促進(寒冷刺激) | 20~25℃ | 500ml程度 |
看護過程ポイント: 【アセスメント】患者の直近の排便状況、腹部の状態(膨満、圧痛の有無)、痔疾や肛門疾患の有無を確認。【看護診断】便秘 (Constipation) / 排便パターンの変化。【計画】患者の安楽を最優先し、プライバシーに配慮した環境を整え、適切な温度(40℃)の浣腸液を準備する。【実施】左側臥位(シムス位)をとり、ゆっくりと注入。注入後は我慢できる範囲で数分間保持。【評価】排便の有無、性状、量を確認。患者の苦痛の有無も観察。
暗記のコツ: 「体温(37℃)+ 少し(3℃)=40℃」と覚えましょう!「グリセリンはぬるま湯で」が合言葉。熱すぎず(50℃はやけど)、冷たすぎず(30℃以下は腹痛)、ちょうどいいお風呂のお湯くらいの温度(40℃)とイメージすると忘れません。
国試頻出ポイント: 浣腸液の温度と注入量は、基礎看護技術の分野で頻出です。特にグリセリン浣腸は「40℃」「20~50ml」という数値がセットで問われやすいため、必ず押さえておきましょう。
出題パターン注意!: 「浣腸実施中の患者が『お腹が痛い』と訴えた。最初に確認すべきことは?」というように、温度や注入速度の不適切さに気づく応用問題に発展することもあります。
臨床実践ガイド
この知識は、臨床の第一線で患者さんの安楽と安全を守るために必須です。- 1臨床シナリオ (Clinical Scenario)「80代女性、認知症があり、3日間排便がないため、グリセリン浣腸の指示が出ました。準備を始めようとしたとき、患者さんが『お尻が痛いから嫌だ』と拒否されています。」このような場合、看護師は温度だけでなく、患者さんの不安や恐怖にも配慮する必要があります。まずは患者さんの気持ちを受け止め、なぜ浣腸が必要なのかをやさしく説明し、協力が得られるように努めます。
- 2看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)最重要! 1. 温度確認: 40℃に温めた浣腸液を、自分の手首の内側に数滴たらして温度を確認する。2. 体位: 左側臥位(シムス位)をとり、肛門を確認する。3. 挿入: 浣腸チューブにワセリンなどの潤滑剤を十分に塗布し、肛門からゆっくりと挿入する(成人で約6~8cm)。4. 注入: ゆっくりと注入し、患者さんの様子を観察する。「痛みはありませんか?」と声をかけながら行う。5. 保持: 注入後は、トイレまで我慢できるか確認し、数分間そのままの体位で保持してもらう。
- 3患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)禁忌: 腸閉塞、イレウス、腸穿孔が疑われる場合、原因不明の腹痛、急性腹症、直腸・肛門の手術直後などは浣腸は禁忌です。必ず実施前に医師の指示と患者の状態(腹部の診察結果など)を確認しましょう。危険所見: 注入中に強い腹痛、出血、血圧低下、顔色不良が見られた場合は直ちに中止し、医師に報告します。
看護プロトコル: 【観察】実施前後のバイタルサイン、腹部の状態(膨満、蠕動音)、肛門周囲の状態(痔疾、創傷の有無)。【報告基準(SBAR)】S(状況): 「◯◯様、グリセリン浣腸を実施しました。」B(背景): 「3日間排便がなく、腹部膨満を認めたため。」A(アセスメント): 「注入後、約10分で排便がありました。性状は硬い普通便です。」R(提案): 「排便後の腹部の状態を引き続き観察します。」【記録】実施日時、浣腸液の種類と温度、注入量、患者の反応、排便の有無・性状・量。
先輩看護師の一言: 「浣腸は患者さんにとってはとてもデリケートで、恥ずかしい、痛いというイメージを持たれがちな処置です。国試では温度や注入量などの数値を正確に覚えることはもちろん大切ですが、現場では『患者さんの気持ちに寄り添うこと』が何より大事。『ちょっと冷たくないですか?』『痛くないですか?』と声をかけながら、ゆっくりと優しく行うことで、患者さんの不安はぐっと減ります。技術だけでなく、コミュニケーションも合わせて身につけていきましょう!」
- グリセリン浣腸 — 高張性のグリセリン液を用いて腸粘膜を刺激し排便反射を誘発する浣腸法。注入量は少量(20~50ml)で、温度は40℃前後に調整する。
- 浣腸液の温度 — 腸管の痙攣予防と粘膜保護のため、体温よりやや高い38~42℃(標準40℃)に温める。手首の内側で温度確認を行う。
- 左側臥位(シムス位) — 浣腸実施時の標準的な体位。左側を下にして両膝を曲げることで、S状結腸の解剖学的構造に沿った注入が可能となり、患者の安楽にも配慮できる。
- 排便反射 — 直腸壁が便などで拡張されることで生じる反射。グリセリン浣腸はこの反射を薬液の刺激で人為的に誘発する。
- 浣腸の禁忌 — 腸閉塞、イレウス、腸穿孔、原因不明の腹痛、急性腹症、直腸・肛門の手術直後などが該当する。実施前の患者の全身状態と腹部所見の確認が必須。
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