核心解説
この問題は、
循環式浴槽 (Circulation Bath) における水質管理と、それに起因する感染症の知識を問うています。レジオネラ肺炎は、循環式浴槽や冷却塔水、加湿器などで
レジオネラ属菌 (Legionella pneumophila) が増殖し、そのエアロゾル(微細な水滴)を吸入することで発症する呼吸器感染症です。温泉や銭湯などの循環式浴槽では、適切な塩素消毒や定期的な清掃が不十分だと、この菌が繁殖しやすくなります。感染経路は水系エアロゾル吸入であり、ヒトからヒトへの感染はしません。
正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! レジオネラ属菌は、35~45℃の温水環境を好み、
循環式浴槽や冷却塔、加湿器などの人工水系で増殖します。感染はエアロゾルの吸入によるため、浴槽で飛び跳ねるなどの動作で発生した微細な水滴を吸い込むことで肺炎を発症します。このため、施設での浴槽管理は感染対策の重要な柱となります。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
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混同注意! ①番:
コレラ (Cholera) は経口感染(汚染された水や魚介類の摂取)が主な感染経路であり、循環式浴槽からのエアロゾル吸入では発症しません。
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混同注意! ②番:
A型肝炎 (Hepatitis A) も糞口感染(汚染された飲食物の経口摂取)であり、浴槽の水を大量に飲まない限り感染リスクは極めて低く、エアロゾル感染ではありません。
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混同注意! ④番:
後天性免疫不全症候群 (AIDS) の原因ウイルスであるHIVは、血液や体液を介した感染(性行為、針刺し、母子感染)であり、浴槽の水では感染しません。
関連概念の整理 (Related Concepts): レジオネラ症には、重症肺炎型(レジオネラ肺炎)と、軽症のインフルエンザ様症状で経過するポンティアック熱があります。院内感染対策として、
レジオネラ属菌対策は重要で、特に免疫抑制状態の患者(移植後、悪性腫瘍治療中など)では重篤化しやすいため、給水系の定期的な水質検査と清掃が義務付けられています。
概念整理: レジオネラ属菌は環境常在菌であり、人工水系(浴槽・冷却塔・加湿器)で増殖。感染経路は
エアロゾル吸入。予防には適切な塩素濃度維持(0.4mg/L以上)と定期的な浴槽清掃・配管洗浄が不可欠。
一目で比較!:
| 感染症 | 原因病原体 | 主な感染経路 | 関連する環境 |
|---|
| レジオネラ肺炎 | レジオネラ属菌 | エアロゾル吸入 | 循環式浴槽・冷却塔 |
| コレラ | コレラ菌 | 経口(水系・食品) | 汚染された飲料水 |
| A型肝炎 | A型肝炎ウイルス | 糞口(経口) | 汚染された飲食物 |
| AIDS | HIV | 血液・体液感染 | 針刺し・性行為 |
看護過程ポイント: アセスメントでは、患者が温泉・銭湯・循環式浴槽の利用歴があるか、免疫抑制状態ではないかを確認。看護診断は「感染リスク状態 (Risk for Infection)」。計画・実施では、浴槽水の残留塩素濃度測定と記録、清掃スケジュールの遵守、高リスク患者への入浴制限の検討。
暗記のコツ: 「循環式浴槽=レジオネラ」は頻出の組み合わせ。レジオネラ属菌の好む「温水(35~45℃)」と「エアロゾル」をキーワードに覚えましょう。
国試頻出ポイント: 循環式浴槽の管理基準(残留塩素濃度など)、レジオネラ症の感染経路(吸入)、予防策(清掃・消毒)、高齢者や免疫低下者での重症化リスクが出題されます。
出題パターン注意!: 「循環式浴槽の管理に関する記述で正しいのはどれか」のような単純知識問題だけでなく、「温泉施設を利用した高齢者が発熱・呼吸困難で受診した」という状況設定問題で、感染症を推定させる形でも頻出です。