核心解説
この問題は、
褥瘡(Pressure Ulcer)の深達度分類(NPUAP/EPUAP分類)に関する基礎知識を問うています。
褥瘡の深達度分類は、組織損傷の深さに基づいてステージⅠ~Ⅳに分類され、適切な創傷ケアと看護介入の計画に直結するため、国試頻出の核心テーマです。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 正解は
ステージⅡです。
NPUAP/EPUAP分類(2019年改訂版)において、ステージⅡは
真皮までの部分層皮膚欠損(Partial-thickness Skin Loss)と定義されます。具体的には、
水疱(Blister)形成や、
赤色またはピンク色の創底を伴う浅い潰瘍が特徴です。皮下脂肪や筋膜、筋肉、骨には達していない状態であり、
水疱は無傷の場合も破れている場合もステージⅡに分類されます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 各ステージの違いを明確に区別しましょう。
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① ステージⅠ: 完全な皮膚(Intact Skin)が保たれています。局所に
非圧迫性の発赤(Non-blanchable Erythema)がみられる状態で、水疱は形成されません。触診で皮膚温の上昇や硬結を認めることもあります。
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② ステージⅡ:
水疱または浅い潰瘍(真皮までの欠損)がみられる状態です。水疱形成はステージⅡの特徴です。
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③ ステージⅢ:
皮下脂肪(脂肪組織)までの全層皮膚欠損(Full-thickness Skin Loss)です。創底に壊死組織(スラフ)や陥凹(ポケット)がみられることがあります。水疱の有無ではなく、深さの進行がポイントです。
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④ ステージⅣ:
筋膜を越え、筋肉、骨、腱まで達する全層組織欠損(Full-thickness Tissue Loss)です。骨や腱が露出または触知可能な状態です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
褥瘡の分類は、
NPUAP/EPUAP分類に加え、
DESIGN-R®(深さ・滲出液・大きさ・炎症・肉芽・壊死組織・ポケットの評価)も重要です。深さ(Depth)の評価はDESIGN-Rにおいても最重要項目であり、ステージ分類を正しく理解することが基本となります。また、
混同注意! スラフ(黄色/黄褐色の壊死組織)やエスハー(黒色の硬い壊死組織)で覆われた創傷は、深さの評価が困難なため「深さ判定不能(Unstageable)」と分類される点も合わせて覚えましょう。
概念整理:
褥瘡深達度分類(NPUAP/EPUAP)の4ステージの特徴を整理します。
| ステージ | 組織損傷の深さ | 主な特徴 |
| Ⅰ | 完全な皮膚(表皮のみ) | 非圧迫性発赤(皮膚は無傷) |
| Ⅱ | 真皮までの部分層欠損 | 水疱 または浅い潰瘍(赤色・ピンク色の創底) |
| Ⅲ | 皮下脂肪までの全層欠損 | 脂肪組織露出、スラフ・ポケットあり |
| Ⅳ | 筋膜・筋肉・骨までの全層欠損 | 骨・腱の露出、深い壊死 |
一目で比較!: 褥瘡と
混同注意! 皮膚裂傷(Skin Tear)は、ずれ外力による創傷であり、褥瘡とは成因が異なります。また、
動脈性潰瘍(Arterial Ulcer)や
静脈性潰瘍(Venous Ulcer)も鑑別が必要です。
看護過程ポイント:
アセスメントでは、創傷の位置・深さ・大きさ・滲出液の性状・周囲皮膚の状態・疼痛の有無を観察します。看護診断の例として「皮膚統合性の障害(Impaired Skin Integrity)」や「組織灌流の変化(Ineffective Tissue Perfusion)」が考えられます。計画では、除圧用具の選択、適切なドレッシング材の選択(滲出液コントロール)、栄養状態の改善(特にたんぱく質・亜鉛・ビタミンC)を立案します。
暗記のコツ: 「
Ⅱで水ぶくれ」と覚えましょう。数字の「2」が「水」のイメージ(泡)につながり、水疱形成はステージⅡの決定的な特徴です。
国試頻出ポイント: 褥瘡分類の定義を問う問題は毎年出題されます。特に「水疱はステージⅡ」「黒色壊死(エスハー)は深さ判定不能」「スラフはステージⅢ以上」という3点はセットで覚えておきましょう。