上腕出血時の間接圧迫止血の部位はどれか。 | MyMerci
必修問題
問題

上腕出血時の間接圧迫止血の部位はどれか。

解説
間接圧迫止血法では、出血部位より中枢側(心臓側)の動脈を骨に向かって圧迫し血流を遮断します。上腕の出血の場合は腋窩動脈を圧迫します。

詳細解説

核心解説 この問題は、止血法 (Hemostasis) の中でも 間接圧迫止血法 (Indirect Pressure Hemostasis) の適切な圧迫部位を問うています。間接圧迫止血法とは、創部そのものを直接押さえるのではなく、出血部位よりも中枢側(心臓側)の動脈 を、骨などの硬い組織に押し付けて血流を遮断する方法です。最重要! 上腕(肘から肩の間)からの出血であれば、その中枢側にある 腋窩動脈 (Axillary Artery) を、上腕骨頭または鎖骨に向かって圧迫します。 正解の根拠 (Answer Rationale)
上腕部の出血を間接圧迫止血で止めるには、その部位より心臓に近い(中枢側の)動脈を圧迫する必要があります。選択肢の中で上腕より中枢側に位置する動脈は 腋窩動脈 (Axillary Artery) のみです。腋窩(わきの下)でこの動脈を上腕骨頭に押し付けることで、末梢側への血流を効果的に遮断できます。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
②番の 尺骨動脈 (Ulnar Artery) は前腕の内側(小指側)を走行する動脈で、上腕より末梢です。④番の 橈骨動脈 (Radial Artery) は手首の親指側で脈を触れる動脈であり、やはり上腕より末梢です。これらを圧迫しても上腕の出血は止められません。混同注意! ③番の 大腿動脈 (Femoral Artery) は下肢(太もも)の止血に用いる部位であり、上肢の止血には該当しません。四肢の各部位に対応する圧迫点をセットで覚えましょう。 関連概念の整理 (Related Concepts)
間接圧迫止血法の主な圧迫点を整理します。
出血部位圧迫する動脈圧迫する位置
頭部・側頭部側頭動脈 (Temporal Artery)耳の前
顔面顔面動脈 (Facial Artery)下顎骨の下縁
上腕・肘腋窩動脈 (Axillary Artery)腋窩(わきの下)
前腕・手上腕動脈 (Brachial Artery)上腕の内側
大腿大腿動脈 (Femoral Artery)鼠径部(そけいぶ)
下腿・足膝窩動脈 (Popliteal Artery)膝の裏
直接圧迫止血法が第一選択であり、それが困難な場合や効果がない場合に間接圧迫止血法を考慮することを忘れないでください。
概念整理: 間接圧迫止血法は、「出血部位より中枢側の動脈」を「骨」に押し付けて血流を遮断する方法です。ポイントは、解剖学的位置関係(中枢と末梢)を正確に把握することです。
一目で比較!: 直接圧迫止血法 (Direct Pressure Hemostasis) は創部を直接ガーゼなどで押さえる方法で、一般的な止血の第一選択です。間接圧迫止血法 (Indirect Pressure Hemostasis) は、直接圧迫で止血が困難な場合(動脈性出血など)に用いる圧迫点を押さえる方法です。
看護過程ポイント: アセスメント:出血部位、出血の種類(動脈性か静脈性か)、出血量、全身状態(ショックの兆候)を評価します。計画・実施:直接圧迫止血を試み、効果がなければ医師の指示のもと間接圧迫止血や止血帯の使用を検討します。評価:圧迫部位の末梢の血流(色調、脈拍、感覚、運動)を経時的に観察し、阻血による二次的な障害がないか確認します。
暗記のコツ: 「上腕の出血なら、わきの下(腋窩)を押さえる」と体の部位と結びつけて覚えましょう。「出血部位より心臓側」がキーワードです。「腕の付け根=腋窩動脈」と連想すると良いでしょう。
国試頻出ポイント: 四肢の止血部位は頻出です。特に「上腕出血=腋窩動脈」「大腿出血=大腿動脈」「手の出血=上腕動脈」の組み合わせは確実に覚えておきましょう。事例問題で「患者が転倒し前腕を切創、出血が止まらない。圧迫する部位は?」などと問われます。
出題パターン注意!: 「どの動脈を圧迫するか」という単純知識に加え、「圧迫する部位はどこか(例:わきの下、鼠径部など)」や、「圧迫を続ける時間の目安(通常5~10分)」を問う問題、また直接圧迫止血法と間接圧迫止血法の使い分けを問う問題が出題される可能性があります。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
深夜の病棟で、せん妄状態の80代男性患者が点滴ラインを自己抜去し、その刺入部(前腕)から動脈性の真っ赤な血液が拍動性に噴出しています。看護師が駆けつけ、まず清潔ガーゼで直接圧迫止血を開始しましたが、出血が持続しています。あなたはどうしますか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 直ちに大声で応援を呼ぶ:一人で対応せず、他のスタッフに助けを求めます。
2. 直接圧迫を継続しながら、アセスメント:出血部位は前腕です。上腕動脈を上腕内側で圧迫するか、より中枢の 腋窩動脈 を圧迫するかを判断します。このケースでは、直接圧迫が効かないため、間接圧迫止血法に切り替えます。
3. 間接圧迫止血法の実施最重要! 片手で創部を圧迫し続けながら、もう一方の手の母指球または拳で、腋窩動脈を上腕骨頭(わきの下の骨)に強く押し付けます。
4. 医師への報告(SBAR):「S(状況):〇〇病室の△△様が点滴を自己抜去し、前腕からの動脈性出血が直接圧迫で止まりません。B(背景):せん妄状態で自己抜去しました。A(評価):現在腋窩動脈を間接圧迫中で出血は減少傾向です。R(提案):止血処置の継続指示と、場合によっては縫合処置の準備をお願いします。」
5. バイタルサインと末梢循環の観察:出血性ショックのリスクがあるため、血圧・脈拍を頻回に測定します。また、圧迫している部位より末梢の手の色調や感覚、脈拍(橈骨動脈)を確認し、阻血による障害が起きていないか評価します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 禁忌! 止血帯をむやみに使用しない。止血帯を使用する場合は、装着時間と脈拍消失の有無を厳密に記録し、1時間を超えないようにする(神経・筋の阻血壊死リスク)。
- 間接圧迫止血法は強力な圧迫が必要なため、持続できる時間は限られます。応援のスタッフと交代しながら圧迫を続けます。
- 標準予防策 (Standard Precautions) を徹底し、血液曝露を防ぐため手袋・ガウン・フェイスシールドを着用します。
- 高齢者は血管が脆弱なため、過度な圧迫で血管損傷を起こさないよう注意します。
看護プロトコル: 観察項目:出血の程度(色・量・拍動の有無)、圧迫部位の中枢側と末梢側の皮膚色・温度・脈拍・感覚・運動、バイタルサイン(特に血圧と脈拍数)。報告基準(SBAR):上記シナリオ参照。記録のポイント:出血発見時刻、出血の性状と量、実施した止血法とその効果、圧迫の開始・終了時刻、医師への報告時刻と指示内容、経過観察の結果。
先輩看護師の一言: 「『出血だ!』と慌てずに、まずは患部をしっかり直接圧迫!それで止まらなければ、解剖を思い出して『この動脈の中枢側はどこだ?』と考えて圧迫点を変えてみてください。でも、一番大事なのは『一人で抱え込まない』ことです。すぐに応援を呼び、医師に報告する。これが患者さんの命を救う確実な方法です。解剖の知識は、いざという時のための地図なんですよ!」

重要概念

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