核心解説
この問題は、
赤血球数 (Red Blood Cell Count, RBC) の基準値を問う、基礎的な血液学の知識を確認するものです。赤血球は骨髄で産生され、全身の組織に酸素を運搬する役割を担っています。基準値は性別や年齢によって異なり、特に成人女性は月経による鉄欠乏の影響を受けやすいため、成人男性と比較して基準値が低く設定されています。
正解の根拠 (Answer Rationale)
成人女性の赤血球数の基準値は、
約350万~450万/μL です。これは血液検査で一般的に用いられる基準範囲であり、これを下回ると
貧血 (Anemia)、上回ると
多血症 (Polycythemia)が疑われます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
① 150~250万/μLは、
混同注意! 高度な貧血や骨髄抑制でみられる極めて低い値であり、基準値ではありません。
③ 550~650万/μLは、成人男性の基準値(約400万~500万/μL)を超える値であり、基準値ではありません。新生児期にみられる高値に近い数値です。
④ 750~850万/μLは、著しい多血症や脱水による血液濃縮など病的状態でのみみられる異常高値であり、基準値とは言えません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
赤血球数と併せて、
ヘモグロビン値 (Hemoglobin, Hb) や
ヘマトクリット値 (Hematocrit, Ht) の基準値も必ずセットで覚えましょう。成人女性のHb基準値は約12~16g/dL、Htは約36~48%です。貧血の診断や重症度評価には、これら3つの指標を総合的に判断します。
概念整理
| 指標 | 成人女性基準値 | 成人男性基準値 |
|---|
| 赤血球数 (RBC) | 約350~450万/μL | 約400~500万/μL |
| ヘモグロビン (Hb) | 約12~16g/dL | 約13~17g/dL |
| ヘマトクリット (Ht) | 約36~48% | 約40~50% |
一目で比較!
混同注意! 赤血球数とHbは異なる指標です。赤血球数は「数の多さ」、Hbは「酸素運搬能力(ヘモグロビン量)」を反映します。鉄欠乏性貧血では赤血球数は正常でもHbが低下することがあります(小球性低色素性貧血)。
暗記のコツ
成人女性は「3(さん)と4(し)の間」= 350~450万/μL、成人男性は「4(し)と5(ご)の間」= 400~500万/μLと語呂合わせで覚えると良いでしょう。また、女性は月経があるため男性より少し低い、と生理学的な理由と一緒に覚えると忘れにくくなります。
国試頻出ポイント
看護師国家試験では、赤血球数単独の基準値を問う問題は少なく、貧血の事例問題の中でHb値やHt値と組み合わせて出題されることが多いです。例えば「Hb 8.0g/dLの患者の看護介入」といった形で、検査値の異常から看護問題を考えさせる問題が頻出です。