核心解説
この問題は、
痛風 (Gout)の基本的な病態と、それに関連する血液検査値の異常を問うものです。
最重要!痛風は
高尿酸血症 (Hyperuricemia)により、関節内に尿酸塩結晶が析出し、急性の炎症発作(痛風発作)を引き起こす代謝性疾患です。したがって、血液検査で高値を示すのは
尿酸 (Uric Acid)です。病態の根幹は、プリン体の代謝異常による尿酸の過剰産生または排泄低下であり、この理解がなければ正解にたどり着けません。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は①番の
尿酸 (Uric Acid)です。痛風の診断には、
血清尿酸値 7.0 mg/dL以上が一つの基準となります。高尿酸血症が持続することで、関節滑膜や軟骨に尿酸結晶が沈着し、激しい痛みを伴う炎症反応(痛風発作)が生じます。よって、血液検査で高値を示すのは尿酸です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
②番の
尿素窒素 (Blood Urea Nitrogen, BUN)は、
混同注意!腎機能の指標であり、痛風とは直接関係しません。ただし、痛風患者に腎障害(尿酸腎症)が合併することはあるため、BUNやクレアチニンが高値となる場合もありますが、それは病状の進行を示す二次的な変化であり、痛風に特異的な高値ではありません。
③番の
アルブミン (Albumin)は、肝臓で産生される血漿タンパク質の一種で、低値は肝障害や栄養不良を示唆します。痛風とは関連しません。
④番の
トリグリセリド (Triglyceride)は、中性脂肪とも呼ばれる脂質の一種です。高トリグリセリド血症は痛風の合併症として高頻度にみられますが(メタボリックシンドロームの関連)、痛風そのものの診断や病態を直接示す指標ではありません。問題は「痛風の患者の血液検査データで高値を示すのはどれか」と、痛風に最も特異的な項目を問うているため、尿酸が正解となります。
概念整理:
痛風 (Gout) =
高尿酸血症 (Hyperuricemia) + 関節への尿酸結晶沈着 + 急性炎症発作。プリン体代謝の最終産物である
尿酸が鍵物質です。
一目で比較!:
| 検査項目 | 痛風 | 腎障害 | 肝障害 |
|---|
| 尿酸 | 高値 | 高値(二次性) | 不変~低値 |
| 尿素窒素 (BUN) | 通常正常 | 高値 | 低値(重症時) |
| アルブミン | 正常 | 低値(ネフローゼ) | 低値 |
| トリグリセリド | 高値(合併あり) | 正常~高値 | 正常~低値 |
看護過程ポイント: 痛風患者のアセスメントでは、血清尿酸値に加え、
関節の疼痛評価(発赤・腫脹・熱感)、発作の誘因(飲酒、高プリン体食、脱水、ストレス)の確認が重要です。看護診断としては
急性疼痛 (Acute Pain)、
非効果的健康維持 (Ineffective Health Maintenance)などが挙げられます。介入では安静、患部の冷却、薬物療法(NSAIDs、コルヒチン、尿酸降下薬)の遵守、食事指導(プリン体制限、水分摂取促進)が中心となります。
暗記のコツ: 「
痛風 (Gout)は
風が吹くと痛む →
尿酸が原因!」と覚えましょう。プリン体の代謝産物が尿酸であることを思い出せば、他の選択肢と混同しにくくなります。
国試頻出ポイント: 痛風は、原因物質(尿酸)、好発部位(母趾MTP関節)、治療薬(NSAIDs、コルヒチン、フェブキソスタット、アロプリノール)、食事指導(プリン体制限、アルコール・果糖制限)の組み合わせで頻出です。特に「尿酸降下薬は発作寛解後に開始する」というタイミングがよく問われます。
出題パターン注意!: 「痛風患者の看護」として、食事指導や薬物療法に関する正誤問題だけでなく、事例問題(例:「痛風発作が生じた患者への対応として適切なのはどれか」)として出題される可能性が高いです。単純な知識問題としても、痛風の治療薬(アロプリノールの作用機序など)と組み合わせて出題されます。