核心解説
この問題は、
片麻痺 (Hemiplegia) の定義を正しく理解しているかを問う基本問題です。麻痺の種類を身体の部位の組み合わせで分類した場合、片麻痺は「身体の一側(右側または左側)の上下肢」に生じる麻痺を指します。
核心概念の分析 (Key Concept)
神経学的な観点から、麻痺のパターンは損傷を受ける部位によって大きく異なります。片麻痺の原因として最も頻度が高いのは、
脳血管障害 (Cerebrovascular Disease) です。
大脳皮質運動野または内包 (Internal Capsule) の損傷 により、病変と反対側の上下肢に運動麻痺が出現します。これは、
錐体路 (Pyramidal Tract) が脳幹部で交叉するためです。
正解の根拠 (Answer Rationale)
選択肢3の「一側上下肢」が片麻痺の定義に合致します。つまり、右上肢と右下肢、または左上肢と左下肢の組み合わせです。図3では右半身の上下肢に斜線が入っており、
右片麻痺 (Right Hemiplegia) を示しています。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
⚠️ この内容は必ず (qn_ai_explain) 内に記述すること!(qn_wrong_c) は選択肢UI用の1行コメント専用なので、誤答分析を入れるとUIが崩れます。絶対に混同しないこと!
- ①番(両上肢):これは
両上肢麻痺 (Bilateral Upper Limb Paralysis) であり、
混同注意! 頸髄損傷などで見られるパターンですが、片麻痺ではありません。
- ②番(両下肢):これは
対麻痺 (Paraplegia) と呼ばれ、脊髄の胸髄以下の損傷などで見られます。片麻痺と誤認しないように注意しましょう。
- ④番(四肢全体):これは
四肢麻痺 (Quadriplegia / Tetraplegia) であり、高位頸髄損傷などが原因です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
片麻痺と混同しやすい麻痺の分類を整理します。
| 分類 | 麻痺の部位 | 主な原因疾患の例 |
| 単麻痺 (Monoplegia) | 一つの四肢のみ | 脳卒中後の限局性病変、末梢神経損傷 |
| 片麻痺 (Hemiplegia) | 一側の上下肢 | 脳血管障害(脳梗塞、脳出血) |
| 対麻痺 (Paraplegia) | 両下肢 | 胸髄以下の脊髄損傷、脊髄腫瘍 |
| 四肢麻痺 (Quadriplegia) | 四肢すべて | 高位頸髄損傷、筋萎縮性側索硬化症 (ALS) |
概念整理
片麻痺は、
脳卒中 (Stroke) をはじめとする中枢性の運動障害の代表的な症状です。看護師は麻痺のパターンから病変部位を推測し、患者のADL(Activities of Daily Living, 日常生活動作)への影響をアセスメントします。
一目で比較!
- 単麻痺 (Monoplegia) vs 片麻痺 (Hemiplegia):単麻痺は「一つの腕または脚だけ」、片麻痺は「一側の腕と脚」と覚えましょう。単麻痺の方が病変範囲が小さい可能性が高いです。
- 片麻痺 (Hemiplegia) vs 半身無視 (Hemispatial Neglect):片麻痺は運動障害、半身無視は高次脳機能障害です。特に右大脳半球損傷後の左半側空間無視は、麻痺が軽度でも転倒リスクが高まります。
看護過程ポイント
- アセスメント:麻痺の部位、程度(徒手筋力テスト (MMT))、感覚障害の有無、高次脳機能障害の合併(失語、半側空間無視)を総合的に評価します。
- 看護診断:
身体可動性障害 (Impaired Physical Mobility)、
転倒リスク (Risk for Falls)、
セルフケア欠損 (Self-Care Deficit) などが優先されます。
- 計画・介入:安全な移動・移乗の援助(車椅子、杖歩行の介助)、関節拘縮予防(関節可動域訓練 (ROM訓練))、良肢位の保持、段階的なADL訓練を計画します。
- 評価:MMTの改善、ADLの自立度(Barthel Indexなど)、転倒発生の有無を評価します。
暗記のコツ
「
片方の
半身」→「
片麻痺」とそのまま覚えましょう。また、「
片足→単麻痺」「
両足→対麻痺」「
四肢→四肢麻痺」のように漢字と結びつけると整理しやすいです。
国試頻出ポイント
- 脳卒中患者の急性期看護の設問で、麻痺のパターンが図示され、「どのような麻痺か」を問う問題が頻出します。
- 「片麻痺がある患者の安全な移動介助方法」や「片麻痺患者の更衣介助(脱衣・着衣は麻痺側・健側のどちらから行うか)」といった応用問題に発展します。