核心解説
この問題は、日本の医療制度の基本となる
国民医療費 (National Medical Expenditure)の規模感を問うています。看護師は、医療経済や社会保障制度の理解が求められ、特に患者の療養生活や地域連携を考える上で、医療費の大まかな水準を知っておくことは重要です。平成28年(2016年)のデータでは、国民医療費は約42兆円であり、これを総人口で割った人口1人当たりの額は約
33万円でした。
正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は
33万円です。平成28年度の国民医療費は約42.1兆円で、人口1人当たりでは約33.2万円と計算されています。これは、医療費の年々増加傾向を反映しており、高齢化の進展や医療技術の高度化が主な要因です。この数値は、日本の医療保険制度の持続可能性を議論する際の基礎データとなります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
① 13万円は、実際の数値よりも大幅に低く、過去のデータや一部の自己負担額と混同した可能性があります。
② 23万円も低い数値であり、平成20年代前半の水準と誤認した場合に選ばれやすい誤答です。
③ 43万円は、国民医療費の総額(約42兆円)と人口1人当たりの額(約33万円)を混同した場合に選ばれやすい数値です。また、近年の増加傾向を過大に見積もったケースも考えられます。
関連概念の整理 (Related Concepts)
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混同注意! 国民医療費と
介護保険給付費は別物です。介護保険給付費は約10兆円台(平成28年度)であり、医療費とは規模が異なります。
- 国民医療費には、
医科診療医療費、
歯科診療医療費、
薬局調剤医療費、
入院時食事療養費などが含まれます。
- 国民医療費の対
国民所得 (National Income)比も重要な指標で、平成28年度は約11%程度です。
概念整理:
| 項目 | 平成28年(2016年)の数値 |
| 国民医療費総額 | 約42.1兆円 |
| 人口1人当たり国民医療費 | 約33.2万円 |
| 対国民所得比 | 約11.2% |
| 医療費の財源内訳 | 保険料約50%、公費約38%、患者負担約12% |
一目で比較!:
| 比較対象 | 規模感 | 主な使途 |
| 国民医療費 (総額) | 約42兆円 (平成28年) | 医療機関への診療報酬、薬剤費など |
| 介護保険給付費 | 約10兆円 (平成28年度) | 居宅・施設サービスの介護報酬 |
| 年金給付費 | 約55兆円 (平成28年度) | 老齢・障害・遺族年金 |
看護過程ポイント: 直接的な看護介入には関連しませんが、医療費の理解は、
退院支援・在宅移行において、患者・家族の経済的負担をアセスメントする視点に役立ちます。例えば、医療費の高額療養費制度の活用や、介護保険サービスの導入提案などです。
暗記のコツ: 「人口1人当たり33万円」は、「みんなで33(サンミ)万円」と語呂合わせで覚えましょう。総額の42兆円は「医療費は4(し)2(に)兆円=死にそうなくらい高い」とイメージすると記憶に残りやすいです。
国試頻出ポイント: 国民医療費は、国試で
最重要!頻出テーマです。特に「人口1人当たりの金額」「対国民所得比」「年次推移(増加傾向)」の3点は毎年確認しておきましょう。近年は、都道府県別の医療費の差(北海道が高い、長崎県が高いなど)や、後期高齢者医療費の割合も問われています。