核心解説
この問題は、日本の人口動態統計における重要な指標である年間出生数を問うものです。日本の出生数は長期的な減少傾向にあり、看護師国家試験では母子保健や地域保健の基礎知識として出題されます。特に、
少子化の現状を理解することは、小児看護学や母性看護学、さらには健康支援と社会保障制度の分野において重要な背景知識となります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 平成30年(2018年)の日本の出生数は約
91.8万人でした。これは、前年(平成29年:約94.6万人)から減少しており、統計開始以降、初めて100万人を下回った年として記憶されるべき重要な数字です。したがって、選択肢の中で最も近いのは
90万人(②番)となります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番の60万人は、近年の出生数よりもさらに少なく、過去の最小値に近い数字ではありません。③番の120万人は、1980年代前半(約115万人)や1970年代(約200万人)の水準と比較すると低いものの、平成30年の実際の数値よりはるかに多いです。④番の150万人は、第1次ベビーブーム(1947~1949年:約270万人)や第2次ベビーブーム(1971~1974年:約200万人)の時代の水準であり、現代の状況とはかけ離れています。これらの誤答は、日本の出生数の長期的な減少傾向を正確に把握していないために生じます。
関連概念の整理 (Related Concepts)
日本の出生数は、平成17年(2005年)に約106万人と過去最低を更新した後、一旦微増したものの、その後再び減少に転じ、平成30年(2018年)に約91.8万人、令和4年(2022年)には約77万人とさらに減少しています。この背景には、
晩婚化・未婚化の進行や
経済的不安、
子育て支援制度の課題などが複合的に関与しています。合計特殊出生率(TFR)も同時に確認しておくと、より深い理解が得られます。平成30年のTFRは1.42で、人口維持に必要な2.07を大きく下回っています。
概念整理: 平成30年(2018年)の出生数は約92万人。これは、我が国の出生数が100万人を初めて下回った年として極めて重要。少子化の現状を象徴する数値である。
一目で比較!:
| 年代 | 年間出生数(概数) | 特徴 |
|---|
| 第1次ベビーブーム(1947-1949年) | 約270万人 | 戦後の復興期、出生数ピーク |
| 第2次ベビーブーム(1971-1974年) | 約200万人 | 団塊の世代が親に |
| 平成17年(2005年) | 約106万人 | 当時の過去最低 |
| 平成30年(2018年) | 約92万人 | 100万人を初めて下回る |
| 令和4年(2022年) | 約77万人 | さらに減少、過去最低更新 |
看護過程ポイント: アセスメント段階で、地域の出生数や合計特殊出生率を把握することは、母子保健活動や小児医療の需要予測に直結する。例えば、出生数が減少している地域では、産科や小児科の病床数、訪問看護ステーションの専門性の見直しが必要となる可能性がある。
暗記のコツ: 「平成最後の年(2018年)は、出生数がついに100万人を切った『少子化の象徴イヤー』」と覚えましょう。ちょうど「100」というキリの良い数字を割り込んだ年として印象に残ると、試験でも思い出しやすくなります。
国試頻出ポイント: この問題は、単なる数値の暗記だけでなく、「出生数の動向がなぜ母子保健施策や社会制度に影響を与えるのか」という視点で問われることが多い。例えば、「少子化の影響を受けやすい制度はどれか」といった問題や、地域包括ケアシステムにおける小児・周産期医療の連携などと組み合わせて出題される。
出題パターン注意!: 単純な数値問題(例:平成30年の出生数は?)から、状況設定問題(例:ある地域の出生数が激減している。看護師として地域の保健活動で優先すべきことは?)へと発展する可能性がある。基本数値は、応用問題を解くための土台として確実に押さえておくこと。