職場における腰痛予防対策に関する記述で正しいのはどれか。 | MyMerci
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問題

職場における腰痛予防対策に関する記述で正しいのはどれか。

解説
厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」では、介護・看護作業において人力による抱え上げを原則禁止し、福祉用具の活用(ノーリフトケア)を推奨している。重量物取り扱いの目安は男性で体重の40%以下、女性で男性の60%程度とされる。腰痛の既往者も適切な対策のもとで就業可能であり、腰痛健康診断は重量物取り扱い等の特定業務に限定されている。
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詳細解説

核心解説 この問題は、職場における腰痛予防対策に関する知識を問うものです。特に看護現場では、患者さんの移動や体位変換に伴う身体的負担が大きく、看護師の職業性腰痛は深刻な問題です。厚生労働省の「職場における腰痛予防対策指針」(最新版)に基づき、ノーリフトケア(No-Lift Care)の導入が強く推奨されています。これは、人力による抱え上げを原則禁止し、スライディングボードやリフトなどの福祉用具を積極的に活用する考え方です。 1. 核心概念の分析 (Key Concept): この問題の核心は、腰痛予防対策に関する法規と指針の理解です。特に、介護・看護作業における身体的負担軽減策として、ノーリフトケア(No-Lift Care)が国際的なスタンダードとなっていることを押さえる必要があります。 2. 正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! ②「介護・看護作業では、ノーリフトケアの導入が推奨されている」が正解です。平成25年(2013年)に改正された「職場における腰痛予防対策指針」では、介護・看護作業においては人力による抱え上げを原則禁止とし、福祉用具の活用(ノーリフトケア)を推奨しています。これは、労働者の身体的負担を軽減し、腰痛発生リスクを低減するための基本的な対策です。 3. 誤答の分析 (Distractor Analysis): - ①番:腰痛健康診断は、重量物取り扱い作業(男性55kg以上、女性30kg以上)など特定の業務に従事する労働者を対象として義務付けられています。全事業場で義務ではありません。 - ③番:腰痛予防体操は、就業前の準備運動として、あるいは就業中・就業後に実施することで、筋・靭帯の柔軟性を高め、疲労回復を促進する効果があります。就業後のみが効果的というわけではありません。 - ④番:重量物取り扱い作業の重量目安は、男性で体重の約40%以下、女性では男性の約60%程度(体重の約24%以下)とされています。1回55kgという具体的な数値は目安ではありません。 - ⑤番:腰痛の既往がある労働者であっても、適切な作業方法の指導、作業環境の改善、健康管理(定期的な健康診断、腰痛体操の励行など)を徹底すれば、作業に従事することは可能です。一律に従事禁止とはなりません。 4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 腰痛予防対策の全体像を押さえましょう。指針では、「①事業者の責務による作業環境管理(設備・レイアウト改善、福祉用具導入)」「②作業管理(作業方法の見直し、作業時間の制限)」「③健康管理(健康診断、保健指導、腰痛体操)」の3本柱で対策を進めることが示されています。看護師の皆さんが特に意識すべきは、自らの身体を守るための適切なボディメカニクスの活用と、福祉用具の積極的な使用です。
概念整理: 腰痛予防対策指針の3本柱:①作業環境管理(福祉用具導入=ノーリフトケア、作業床高さ調整)②作業管理(ボディメカニクスの原則、2人以上での介助)③健康管理(腰痛健康診断、腰痛予防体操)
一目で比較!:
項目ノーリフトケア (No-Lift Care)ボディメカニクス (Body Mechanics)
目的人力抱え上げをゼロにする効率的で安全な動作を行う
手段リフト、スライディングボード等の福祉用具重心を低く、対象を身体に近づける等
考え方根本的解決(用具で負担を軽減)応用的技術(動作方法で負担を軽減)

看護過程ポイント: アセスメント:患者の体重、移動能力(自立度)、協力の得やすさ、環境(ベッドの高さ、スペース)。計画:福祉用具の選定と準備、介助者数と役割分担。実施:安全確認と声かけ、急な力が入った場合の対応策(即時中止)。評価:患者の安楽度、介助者の身体的負担感、腰痛発生の有無。
暗記のコツ: ノーリフトケアは「No(ノー)+Lift(リフト=人力での持ち上げ)」。つまり「人力で持ち上げないケア」と覚えましょう!国試では「推奨される」「原則禁止」という表現がキーワードです。
国試頻出ポイント: 「職場における腰痛予防対策指針」からは、ノーリフトケアの推奨、重量物取り扱いの重量目安、腰痛健康診断の対象者(特定業務従事者)が頻出です。また、看護師の職業性腰痛のリスクと予防策を問う問題もよく出題されます。
出題パターン注意!: 単純な正誤問題だけでなく、「Aさん(80歳、要介護4)のベッドから車椅子への移乗を介助する看護師への適切な指導はどれか」といった状況設定問題で、ノーリフトケアの原則やボディメカニクスの具体的な応用が問われることがあります。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): あなたは整形外科病棟の看護師です。Aさん(85歳、女性、左大腿骨頸部骨折術後、体重42kg)は、ベッド上での起居動作は一部介助、車椅子への移乗は全介助です。夜勤帯に1人で移乗介助を試みた新人看護師が「腰が痛い」と訴えました。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! まず新人看護師の腰痛の程度を評価し、必要時は医師の診察を勧めます。次に、ノーリフトケア(No-Lift Care)の観点から、スライディングボードや簡易リフトの使用を徹底するよう指導します。移乗介助は必ず2人以上で行い、ベッドの高さを車椅子の座面と同じ高さに調整する(高さの差をなくす)ことで、介助者の腰部への負担を大幅に軽減できます。また、Aさんの疼痛や不安の状態をアセスメントし、協力が得られるタイミングを逃さないことも重要です。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 無理な移乗は、介助者の腰痛だけでなく、患者の転倒・転落リスクを高めます。特に夜間は視界が悪く、患者の協力が得られにくいため、1人での移乗介助は厳禁です。また、リフトやスライディングボードを使用する際は、誤った使い方による皮膚損傷(摩擦・ずれ)を予防するため、使用方法を正しく理解しておく必要があります。
看護プロトコル: 観察項目(患者のADLレベル、協力動作の可否、使用可能な福祉用具)。報告基準(SBAR:S-1人での移乗介助時に新人看護師が腰痛を訴えた、B-移乗方法が統一されていない、A-ノーリフトケアの徹底とマニュアルの見直しが必要、R-リスクマネジメント委員会への報告とマニュアル改訂を提案)。記録のポイント(腰痛発症者の症状、福祉用具の使用状況、指導内容)。家族への説明(患者の安全と介助者の健康を守るため、適切な福祉用具を導入していることの意義を説明する)。
先輩看護師の一言: 「看護師は、患者さんを守るだけでなく、自分自身の身体も大切にしないといけません!『腰痛は職業病だから仕方ない』はもう古い考え方です。ノーリフトケアは患者さんの安全と、私たち看護師の健康を両立するための、まさに『根拠に基づく看護 (EBN)』です。国試でも、『この場面で最も適切な方法は?』と聞かれたら、まずは『福祉用具を使う』『2人以上で行う』という安全最優先の選択肢を探すクセをつけましょう!」

重要概念

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