核心解説
この問題は、
労働安全衛生法 (Industrial Safety and Health Act) に基づく
作業環境測定 (Working Environment Measurement) が義務付けられている業務の理解を問うています。作業環境測定とは、労働者の健康障害を予防するために、職場の有害因子(化学物質、粉じん、騒音など)の濃度や状態を定期的に測定する制度です。この測定が義務付けられているのは、
有害業務 に該当する作業場であり、具体的には有機溶剤、特定化学物質、鉛、粉じん、放射線などを取り扱う屋内作業場が該当します。問題の正解は、
有機溶剤を取り扱う屋内作業場 です。これは、
有機溶剤中毒予防規則 (Organic Solvent Poisoning Prevention Ordinance) により、作業環境測定の実施が事業者に義務付けられているためです。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 労働安全衛生法第65条および関連する各種規則(有機溶剤中毒予防規則、鉛中毒予防規則、特定化学物質障害予防規則、粉じん障害防止規則など)により、有害な業務を行う特定の屋内作業場では、作業環境測定が義務付けられています。有機溶剤を取り扱う屋内作業場は、蒸気やミストが空気中に拡散しやすく、労働者が吸入することで
有機溶剤中毒 (Organic Solvent Poisoning) を引き起こすリスクがあるため、定期的な測定と記録、そして結果に基づく改善措置が法律で定められています。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
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混同注意! ①番の軽量物の搬送を行う倉庫内作業は、重量物を取り扱う場合に腰痛予防のための「重量物取扱い業務」に該当する可能性はありますが、有害因子による健康障害を予防する「作業環境測定」の対象ではありません。
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混同注意! ②番の屋外での農業作業環境は、労働安全衛生法の適用対象となる事業所(工場、店舗、事務所など)に該当しない場合が多く、作業環境測定の義務はありません。
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混同注意! ③番の事務作業を行う一般オフィス環境は、有害因子を取り扱わないため、作業環境測定の義務はありません。ただし、建築物環境衛生管理基準に基づく「空気環境の調整」は必要となる場合があります(こちらは労働安全衛生法とは別の法律による管理)。
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混同注意! ④番の食品を取り扱う調理作業場は、一般的に有害な化学物質や粉じんを取り扱わないため、作業環境測定の義務はありません。ただし、食品衛生法に基づく衛生管理は必要です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
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作業環境測定の対象業務: 有機溶剤、鉛、特定化学物質、粉じん、放射線、騒音(特定の業務)、石綿などを取り扱う屋内作業場。
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特殊健康診断: 作業環境測定と併せて、有害業務に従事する労働者には
特殊健康診断 (Special Health Examination) が義務付けられています(労働安全衛生法第66条)。測定結果と健康診断結果を総合的に評価して、労働者の健康管理を行います。
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混同注意! 作業環境測定(職場環境の評価)と特殊健康診断(労働者の健康状態の評価)は一対の制度です。
概念整理:
作業環境測定 = 有害業務が行われる屋内作業場の環境中の有害因子濃度を測定すること。目的は、労働者の健康障害を予防するための環境改善。法定の測定項目は、有機溶剤、鉛、特定化学物質、粉じん、放射線、騒音など。
一目で比較!:
| 項目 | 作業環境測定 | 特殊健康診断 |
|---|
| 目的 | 職場環境の評価・改善 | 労働者の健康状態の評価 |
| 対象 | 有害業務を行う屋内作業場 | 有害業務に従事する労働者 |
| 法律 | 労働安全衛生法 第65条 | 労働安全衛生法 第66条 |
| 結果 | 測定記録の保存、改善措置 | 健康診断結果の記録、事後措置 |
看護過程ポイント: 看護師が産業保健の現場で活動する場合、作業環境測定の結果をアセスメントし、労働者に健康障害リスクを説明し、予防行動(保護具の適切な着用など)を促すことが役割となります。
暗記のコツ: 「作業環境測定 = 有害なモノ(有機溶剤、粉じん、放射線など)を扱う場所」と覚えましょう。「有害」の反対は「無害」→ 一般的なオフィスや倉庫(重量物は除く)は無害なので対象外です。
国試頻出ポイント: 労働安全衛生法からの出題では、「作業環境測定の対象業務」「特殊健康診断の対象業務」「安全衛生管理体制」が頻出。特に、有機溶剤、粉じん、鉛、特定化学物質が測定対象であることは確実に押さえておきましょう。
出題パターン注意!: 「作業環境測定が義務付けられているのはどれか」という単純な知識問題として出題されるほか、「有害業務に従事する労働者への看護上の留意点」のような応用問題に発展することがあります。