核心解説
この問題は、
感染症法(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律)に基づく感染症の分類と、それに伴う医療措置(入院の必要性)を問うています。特に小児に多くみられる感染症の法的位置づけと、看護師として知っておくべき届出義務や隔離の基準を理解することが重要です。感染症法は、感染症をその危険性や感染力の強さに応じて1類から5類に分類し、それぞれに応じた対策(届出、入院勧告・措置、就業制限など)を定めています。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 正解は
麻疹(Measles) です。
麻疹 は
感染症法 において
2類感染症 に指定されています。2類感染症は、感染力が非常に強く、重症化リスクが高いため、診断した医師は直ちに最寄りの保健所に届け出る義務があります。また、
原則として入院による隔離治療が必要 とされており、患者の行動制限(就業制限など)も行われます。これは、集団感染を防止し、患者の重症化を防ぐための重要な法的措置です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番の
手足口病(Hand, foot and mouth disease)、②番の
突発性発疹(Exanthem subitum)、③番の
流行性耳下腺炎(Mumps)、⑤番の
水痘(Varicella/Chickenpox) は、いずれも
5類感染症 に分類されます。5類感染症は、全数把握が必要なもの(例:インフルエンザ(小児)、風疹)と、定点把握(全国約3,000カ所の定点医療機関からの報告)が必要なものがあり、これらの疾患は主に後者に該当します。
原則として全例入院が必要とはならず、症状に応じて自宅療養や外来対応が可能です。感染症法の分類と、入院隔離の要否を混同しないようにしましょう。
関連概念の整理 (Related Concepts)
感染症法の分類を理解する上では、各類の定義と代表的な疾患、および医療措置(届出、入院勧告・措置、就業制限)をセットで覚えることが重要です。
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1類感染症: エボラ出血熱、ペストなど。極めて危険。即時届出、特定感染症指定医療機関への入院勧告・措置。
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2類感染症: 麻疹、結核(空気感染)、急性灰白髄炎(ポリオ)など。感染力・重症度が高い。直ちに届出、原則入院。
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3類感染症: 腸管出血性大腸菌感染症(O157など)、コレラ、腸チフスなど。特定の職業(調理師など)への就業制限あり。直ちに届出。
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4類感染症: 狂犬病、鳥インフルエンザ(H5N1など)など。動物や飲食物を介するもの。直ちに届出。
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5類感染症: インフルエンザ(小児を除く全数把握)、風疹(全数把握)、水痘(定点把握)など。国が発生動向を把握する必要があるもの。医師の判断で届出(全数または定点)。
概念整理:
感染症法の分類 と
医療措置(届出義務・入院の要否) の関係。特に2類感染症の代表例として
麻疹(Measles) と
結核(Tuberculosis) は確実に押さえましょう。また、風疹(Rubella)は5類感染症(全数把握)であることも併せて確認しておくと良いでしょう。
一目で比較!:
| 感染症法分類 | 代表的な小児疾患 | 届出の時期 | 入院の要否 |
|---|
| 2類感染症 | 麻疹(Measles) | 直ちに | 原則入院(隔離) |
| 5類感染症(定点把握) | 水痘、流行性耳下腺炎、手足口病、突発性発疹 | 週単位で報告(定点医療機関のみ) | 症状による(原則不要) |
看護過程ポイント:
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アセスメント: 患者の症状(発熱、発疹の部位・性状、咳嗽、結膜炎など)から麻疹が疑われる場合、感染症法の届出と隔離の必要性をアセスメントする。
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看護診断: [感染伝播リスク状態]、[非効果的健康維持](予防接種歴の確認)。
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計画・実施: 麻疹が疑われた場合、
空気感染対策(N95マスク、陰圧個室管理) を直ちに開始する。医師への報告、保健所への届出プロセスを確認する。患者・家族への隔離の必要性と経過についての説明と精神的ケア。
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評価: 隔離期間中(発疹出現後5日間程度)の症状の経過観察、合併症(肺炎、脳炎)の有無、隔離解除の基準の確認。
暗記のコツ: 「
2類(にるい)→ に(2)ゅういん(入院)」と語呂合わせで覚えましょう。また、麻疹と結核が2類感染症であることは絶対に押さえてください。「
ま(麻疹)つ(結核)2(に)にゅういん」と覚えると忘れにくいです。
国試頻出ポイント: 感染症法の分類とそれに伴う届出義務、入院の要否は、単独で出題されるだけでなく、「結核患者の入院が必要か」「麻疹と診断した場合の看護師の対応」といった具体的な状況設定問題で頻出です。特に
混同注意! 「風疹(Rubella)」は「麻疹」と症状が似ていますが、5類感染症(全数把握)であり、原則入院不要である点がよく出題されます。
出題パターン注意!: 「A君(5歳)、麻疹と診断された。看護師の対応で適切なのはどれか。」といった事例問題で、①「個室(陰圧)での隔離」、②「マスク着用での一般病棟での対応」、③「空気感染対策」、④「飛沫感染対策」などから選択させる問題が出題される可能性があります。感染経路(空気感染)と法的措置(入院隔離)を結びつけて考えることが求められます。