6歳の女児が、発熱と咽頭痛を主訴に小児科外来を受診した。体温38.2℃、咽頭は発赤しており、扁桃に白苔を認める。母親は「… | MyMerci
さまざまな状況にある小児と家族への看護
問題

6歳の女児が、発熱と咽頭痛を主訴に小児科外来を受診した。体温38.2℃、咽頭は発赤しており、扁桃に白苔を認める。母親は「熱が下がらず、ご飯を食べたがりません。水分は少し飲めています」と話す。看護師の対応として適切なのはどれか。

解説
扁桃に白苔を認める咽頭痛と発熱は、溶連菌感染症の可能性がある。診断確定のためには咽頭培養検査または迅速抗原検査が必要であり、その必要性を説明することが適切である。抗菌薬は検査で陽性が確認された後に処方される。

詳細解説

核心解説 この問題は、小児の急性咽頭炎 (Acute Pharyngitis) の看護、特に感染症の鑑別と検査の必要性を問うています。発熱、咽頭発赤、扁桃の白苔という症状は、A群β溶血性連鎖球菌 (Group A Streptococcus, GAS) による溶連菌感染症 (Streptococcal Pharyngitis) を強く疑わせます。溶連菌感染症は、適切に治療しないと混同注意! 急性糸球体腎炎 (Acute Glomerulonephritis) やリウマチ熱 (Rheumatic Fever) などの続発症を引き起こす可能性があるため、確定診断と適切な抗菌薬治療が不可欠です。確定診断には咽頭培養 (Throat Culture) または 迅速抗原検査 (Rapid Antigen Detection Test, RADT) が必要です。 1. 核心概念の分析 (Key Concept): この問題の核心は「症状からの感染症アセスメント」と「診断プロセスの理解」です。発熱と咽頭痛はウイルス性・細菌性のどちらでも起こりますが、扁桃の白苔(膿栓)は細菌感染、特に溶連菌感染症を示唆する重要な身体所見です。単なる風邪と決めつけず、続発症予防のために適切な検査へつなげる看護の役割が問われています。 2. 正解の根拠 (Answer Rationale): ⑤咽頭培養検査の必要性を説明するが正解です。症状から溶連菌感染症が強く疑われるため、診断を確定するための検査(咽頭培養 or 迅速抗原検査)の必要性を保護者に説明することが、看護師の最初の適切な対応です。確定診断後、抗菌薬治療が開始されます。 3. 誤答の分析 (Distractor Analysis): - ①解熱剤の坐薬: 体温38.2℃は、全身状態が落ち着いていれば即座に解熱剤を使用するレベルではありません。まずは水分摂取と経過観察が基本です。解熱剤は高熱で苦痛が強い場合に検討します。 - ②安静のため入院: 水分が少し摂れていることから、重度の脱水や全身状態の悪化は認められません。外来で対応可能なレベルであり、入院を積極的に勧める必要はありません。 - ③アイスクリームなどの冷たい食べ物: 咽頭痛に対して冷たいものは痛みを和らげる可能性はありますが、問題は「診断と治療」の優先順位です。まずは原因を特定することが先決です。 - ④抗菌薬の処方を医師に依頼: 最重要! 抗菌薬はウイルス感染には無効であり、細菌感染でも原因菌が不明なまま使用すべきではありません。抗菌薬の乱用は耐性菌を生む原因となります。医師は培養結果を確認してから処方します。 4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 溶連菌感染症とウイルス性咽頭炎の鑑別ポイントは、発症年齢(学童期に多い)、高熱、咽頭痛の程度(強い)、扁桃の白苔、口蓋の点状出血、イチゴ舌などです。一方、ウイルス性は咳や鼻汁を伴うことが多く、白苔は目立ちません。また、溶連菌感染症の治療後は、続発症予防のために尿検査(血尿・蛋白尿のチェック)が推奨されることも覚えておきましょう。 概念整理: 溶連菌感染症(Streptococcal Pharyngitis): A群β溶血性連鎖球菌による急性咽頭炎。学童期に好発。主症状は発熱、強い咽頭痛、扁桃白苔(膿栓)、イチゴ舌、口蓋点状出血。続発症としてリウマチ熱、急性糸球体腎炎がある。診断には咽頭培養または迅速抗原検査。治療はペニシリン系抗菌薬(10日間内服)。
一目で比較!:
項目溶連菌感染症(細菌性)ウイルス性咽頭炎
原因A群β溶血性連鎖球菌アデノウイルス、RSウイルスなど
発症年齢学童期(5~15歳)に多い全年齢(乳幼児にも多い)
咽頭所見扁桃白苔、口蓋点状出血咽頭発赤(白苔は目立たない)
随伴症状頭痛、腹痛、イチゴ舌咳、鼻汁、結膜炎を伴うことも
治療ペニシリン系抗菌薬対症療法(解熱鎮痛、安静)

看護過程ポイント: アセスメントでは、発熱、疼痛(咽頭痛、頭痛)、水分摂取量、全身状態(活気、眠気)を評価。看護診断としては「感染リスク状態」「急性疼痛(咽頭痛)」「栄養バランスの変化:必要量以下」などが考えられます。計画としては、検査説明と検体採取(咽頭培養)の介助、苦痛緩和のためのクーリングや冷たい飲食物の提供、水分摂取の促進と観察が重要です。評価は、抗菌薬内服後の症状改善の有無を確認します。
暗記のコツ: 「溶連菌(GAS)=ジスキーな菌!喉が痛くて白苔、抗生剤はペニシリン」と覚えましょう。扁桃の白苔を見たら「溶連菌を疑え」が鉄則です。
国試頻出ポイント: このテーマは「症状と検査の優先順位」として頻出です。「白苔があるから抗菌薬をすぐに処方してもらう」という短絡的な選択肢を選ばせず、「まずは検査で確定診断を」という看護の役割を理解しているかを問う問題です。同様のパターンで、「発熱と咳嗽のある患者への対応」でも、「解熱剤よりもまずは検体採取(喀痰培養など)」が出題されます。
出題パターン注意!: 単純知識問題としては「溶連菌感染症の合併症はどれか」など。状況設定問題(事例問題)では、「6歳児、発熱、咽頭痛、白苔あり。水分摂取はわずか。看護師の最初の対応は?」の形で出題されます。さらに発展して、「検査で溶連菌陽性が判明。抗菌薬内服開始。1週間後、尿の色が赤い。何を疑うか?」と続発症へつなげる問題もよくあります。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 実際の外来診療では、このような症例を見たら、看護師はまず母親(保護者)に対して「お子さんの症状から、細菌による扁桃炎(溶連菌感染症)の可能性があります。診断を確定するために、喉の奥の綿棒で菌を調べる検査をお勧めします。」と説明します。 - 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 先輩看護師から「○○ちゃん、扁桃に白苔があるね。溶連菌を疑って、医師に咽頭培養 or 迅速検査を依頼するね。お母さんには、結果が出るまで待ってもらうこと、熱が高ければクーリングや水分を勧めてね」と指示を受けます。 - 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 観察:体温(38.2℃だが全身状態は良好か)、咽頭所見(白苔の程度)、水分摂取状況(少し飲めている)。アセスメント:溶連菌感染症の可能性が高い。介入:医師へ検査依頼の報告、保護者への検査説明と同意取得、検体採取の介助(小児は嫌がるため、しっかり抑制して安全に採取する)、検査結果を待つ間のケア(クーリング、冷たい飲み物の勧め)。評価:検査結果(陽性なら抗菌薬処方へ、陰性ならウイルス性として対症療法へ)。 - 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 抗菌薬の誤用防止! 細菌感染が確定していない段階で抗菌薬の使用を促すことは禁忌です。また、咽頭培養は正しい方法で採取しないと偽陰性になるため、採取手技(舌を押さえ、扁桃の白苔部分をこする)を確認しましょう。脱水予防として、水分摂取(冷たいジュース、アイスキャンディーなど)を積極的に促します。
先輩看護師の一言: 「小児の咽頭痛、特に扁桃に白苔が見えたら、必ず溶連菌を疑って検査につなげてね。抗生物質が必要かどうかは、検査をしてから。この一手間で、後々のリウマチ熱や腎炎を予防できるんだよ。国試でも出るけど、現場でも本当に大事な知識だからね!」

MyMerciで看護師国家試験を完全対策

過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。

無料で始める

学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。