3歳の男児が母親とともに発熱と咳嗽を主訴に小児科外来を受診した。体温38.5℃、呼吸数30回/分、心拍数110回/分、経… | MyMerci
さまざまな状況にある小児と家族への看護
問題

3歳の男児が母親とともに発熱と咳嗽を主訴に小児科外来を受診した。体温38.5℃、呼吸数30回/分、心拍数110回/分、経皮的酸素飽和度(SpO2)97%(室内気)。母親は「昨日から咳と鼻水が出ていて、今朝から熱が上がってきました。機嫌は悪くないのですが、ミルクの飲みが少し悪くなりました」と話す。看護師の対応として最も適切なのはどれか。

解説
発熱と咳嗽のある小児は感染症が疑われる。外来では他の患者への感染拡大を防ぐため、まず個室や感染症用の待合スペースに案内することが優先される。その後、診察や追加の対応を行う。

詳細解説

核心解説 この問題は、小児看護学感染対策 (Infection Control) におけるトリアージ(受診時の優先順位決定)と看護師の初期対応を問うています。特に、発熱 (Fever)咳嗽 (Cough) を呈する小児が外来を受診した場合、医療機関内での二次感染(院内感染)予防が看護師の最優先責務の一つであることを理解する必要があります。患者の状態が比較的安定している(SpO2 97%、呼吸数30回/分、機嫌も不良ではない)ことをアセスメントした上で、まず感染拡大防止のための環境整備を行います。 正解の根拠 (Answer Rationale)
正解は 4. 院内の感染対策として個室の待合室へ案内する です。
最重要! 発熱と咳嗽は、特に小児において感染症 (Infectious Disease)(インフルエンザ (Influenza)、RSウイルス (RSV)感染症、麻疹 (Measles)など)の代表的な症状です。外来には免疫が未熟な乳幼児や基礎疾患を持つハイリスク患者も多く来院しています。最重要! 看護師は、感染が疑われる患者を一般待合室に長時間滞在させることなく、速やかに感染対策が取られた待機スペース(個室や感染症専用待合室)へ誘導することで、他の患者・家族及び医療従事者への感染伝播リスクを最小化することが最も優先される対応です。これは医療法や院内感染対策マニュアルに基づく基本行動です。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 以下の選択肢は、状況設定を誤って解釈すると選びやすくなります。 - 1. 水分摂取を促すために経口補水液を勧める: 脱水予防は重要ですが、まず感染拡大防止という環境調整が優先されます。経口補水液の勧めは、診察や感染対策のための移動後、医師の診察を待つ間や指示に基づいて行う次のステップです。 - 2. 解熱剤を処方してもらうよう医師に依頼する: 発熱自体は生体防御反応であり、解熱剤の必要性は医師が診察して判断します。看護師が診察前に治療方針(処方)を依頼することは看護師の業務範囲を超えており不適切です。 - 3. すぐに診察室へ案内する: 診察室が空いていれば誘導することもあり得ますが、問題文には診察室の状況が記載されていません。最も確実で普遍的な対応は、待合環境での感染拡大防止です。「すぐに」とあるため、診察順序を考慮せずに診察室へ入れることは、他の患者の診療や診察室の清潔環境を乱す可能性があります。 - 5. 母親に症状の経過を詳しく問診する: 問診は診療の一部として重要ですが、まず患者を安全な場所へ移動させることが先決です。問診は個室待合室へ移動してから、あるいは医師の診察時に行うことができます。 概念整理
外来における感染症疑い患者への初期対応フロー
1. トリアージと隔離: 発熱+呼吸器症状(咳嗽、鼻汁)を確認したら、一般待合室から隔離する。
2. 標準予防策 (Standard Precautions)と感染経路別予防策: 飛沫感染(インフルエンザ、RSウイルス)や空気感染(麻疹、水痘)を疑い、適切な予防策(マスク着用、個室隔離)をとる。
3. 患者アセスメント: SpO2、呼吸状態、全身状態(機嫌、活気)を評価し、緊急性を判断する。
4. 医療者への情報共有と診療調整: 医師や看護師間で感染症の疑いがあることを報告し、診療の優先順位や検査の準備を調整する。 看護過程ポイント
アセスメント: 感染の有無(症状)、感染経路(飛沫/空気/接触)、患者のバイタルサイン (Vital Signs)と全身状態、ハイリスク患者(免疫不全児、乳幼児)の混在状況。
看護診断 (Nursing Diagnosis): 【感染リスク状態 (Risk for Infection)】(他の患者・家族)
計画・実施: 感染疑い患者の個室待合室への誘導、家族へのマスク着用と手指衛生の指導、院内感染対策マニュアルの遵守。
評価: 院内二次感染が発生しなかったか、患者が安全に診察・治療を受けられたか。 国試頻出ポイント
- 外来や病棟で感染症が疑われる患者が来た時、最初に行うべき看護行為を問う問題が頻出です。選択肢には「すぐに診察室へ」「バイタルサイン測定」「問診」「経過観察」などが並びます。最重要! キーワードは「院内感染防止」であり、他の患者を守るための環境調整が最優先です。 - 小児看護学だけでなく、成人看護学(高齢者施設や一般病棟での感染対策)や基礎看護学(感染予防の基本)でも同様の出題が見られます。 出題パターン注意!
- 単純な知識問題:「発熱・咳嗽のある患者さんが外来に来た。まず何をするか?」
- 発展問題:「入院中のAさん(70歳、肺炎)が、昼食後に発熱と咳嗽を訴えた。看護師の対応として適切なのはどれか。」(→この場合は、患者の状態アセスメントと医師への報告、そして感染対策としての個室隔離や環境整備が問われます)

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
あなたは小児科外来に勤務する看護師です。午前中の予防接種外来が終わった後、3歳の男児が「熱と咳」で受診しました。母親は「昨日から咳が出ていて、今朝38度の熱が出ました」と話します。待合室には、定期健診のため0歳児とその母親が数組待っています。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 最重要! 観察とトリアージ: 発熱+咳嗽という情報を得た時点で、感染症の可能性を考えます。バイタルサイン(体温38.5℃、呼吸数30回/分、SpO2 97%)と全身状態(機嫌は悪くない)を確認し、生命に直ちに危険がないとアセスメントします。
2. 即時行動 - 環境調整: 「感染症が疑われるので、他の患者さんにうつさないように別の部屋でお待ちいただきますね」と母親に説明し、速やかに感染症用の個室待合室または診察室に隣接した隔離スペースへ案内します。この時、マスク着用を勧め(可能であれば)、手指消毒を促します。
3. 情報共有と診療依頼: 医師に「3歳男児、発熱と咳嗽あり、個室待合室で待機中です。診察をお願いします」と報告します。
4. 継続ケア: 診察を待つ間、母親の不安を軽減する声掛けをし、必要に応じて経口補水液の摂取を促します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 最重要! 院内感染防止: 特にRSウイルス (Respiratory Syncytial Virus)は感染力が強く、乳児に重症肺炎を引き起こす可能性があります。感染が疑われる患者を免疫不全の乳幼児と同じ待合室に置くことは絶対に避けます。
- 家族への説明と協力: なぜ個室に案内するのか、理解と協力を得るための説明が必要です。「お子さんの病気が他の赤ちゃんにうつらないように、こちらのお部屋でお待ちくださいね」と伝えます。
- スタッフの感染対策: 対応する看護師も、感染の可能性を考慮し、マスクやガウンなどの適切な個人防護具 (PPE: Personal Protective Equipment)を着用します。 先輩看護師の一言
「外来で最初に患者さんと接するのは看護師です。特に小児科では、感染症が疑われるお子さんをいかに素早く隔離できるかが、その後の院内感染の広がりを決めます!『熱と咳』を聞いたら、すぐに頭の中で感染対策スイッチをONにしてください。診察室にすぐに入れたい気持ちはわかりますが、まずは『他の患者さんを守る』ことが看護師の役目です!」

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