核心解説
この問題は、視覚障害のアセスメントにおいて、
視野 (Visual Field) の状態を簡便に評価する方法を問うています。
視野狭窄や半盲などの異常を早期に発見するためのスクリーニング検査として、特別な機器を必要としない手法を理解することが鍵となります。
1.
核心概念の分析 (Key Concept): 視覚機能のアセスメントは、
視力 (Visual Acuity)、
視野 (Visual Field)、
色覚 (Color Vision)、
眼圧 (Intraocular Pressure) など多岐にわたります。問題は「視野の状態」に焦点を当てており、臨床現場でベッドサイドや診察室で簡便に行える検査を選択する必要があります。
2.
正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 正解は
対座法 (Confrontation Test) です。検者と患者が約1メートル向かい合い、検者が動かす指標(指やペンなど)を患者に注視させながら、周辺視野から中心に向かって指標を移動させ、患者がいつ指標に気づいたかを口頭で報告させる方法です。特別な器具を必要とせず、簡便に視野の大まかな欠損(例:同名半盲、求心性視野狭窄)をスクリーニングできます。
3.
誤答の分析 (Distractor Analysis):
- ①番:
スネレン視力表 (Snellen Chart) は、
混同注意! 視力(中心視力)の評価に用いるもので、視野の評価には使用しません。
- ②番:
細隙灯顕微鏡 (Slit Lamp Microscope) は、角膜、結膜、前房、水晶体、虹彩などの前眼部の微細な構造を観察するための機器です。視野の評価には用いません。
- ④番:
眼圧計 (Tonometer) は、
眼圧 (Intraocular Pressure) を測定し、
緑内障 (Glaucoma) の診断や経過観察に用います。視野評価の直接的な方法ではありません。
- ⑤番:
眼底カメラ (Fundus Camera) は、
眼底 (Ocular Fundus)(網膜、視神経乳頭、黄斑部など)を写真撮影する機器で、糖尿病網膜症や緑内障の診断に有用ですが、視野そのものを測定するものではありません。
4.
関連概念の整理 (Related Concepts): 視野検査には、より精密な
ゴールドマン視野計 (Goldmann Perimeter) や
ハンフリー視野計 (Humphrey Field Analyzer) を用いた量的視野測定もありますが、これらは対座法で異常が疑われた場合に、精査として行われます。看護師が行う簡便なアセスメントとしては、対座法が最も適しています。
概念整理: 視覚機能のアセスメントは、主に「視力」「視野」「色覚」「眼圧」「眼底所見」の5つの要素から構成されます。それぞれを評価するための代表的な検査と目的を整理しておきましょう。
一目で比較!:
| 検査法 | 評価対象 | 特徴 |
| 対座法 | 視野 (大まかな評価) | 簡便・ベッドサイドで実施可能 |
| スネレン視力表 | 視力 (中心視力) | 最も一般的な視力検査 |
| 細隙灯顕微鏡 | 前眼部 (角膜・水晶体など) | 微細構造の観察に優れる |
| 眼圧計 | 眼圧 | 緑内障スクリーニングに必須 |
| 眼底カメラ | 眼底 (網膜・視神経) | 糖尿病網膜症・緑内障の診断に有用 |
看護過程ポイント: 対座法で視野異常が疑われた場合、患者の安全確保(特に同名半盲の場合の見落としによる転倒・衝突予防)が看護上の重要なポイントになります。また、視野障害が日常生活動作 (ADL) に与える影響をアセスメントし、環境調整(ベッドの配置、歩行介助など)を計画します。
暗記のコツ: 「対座法」は「向かい合う(対座)」という名前の通り、検者と患者が向かい合って行う視野検査と覚えましょう。「スネレン=視力」「眼圧計=眼圧」「細隙灯=前眼部」とセットで暗記すると混同を防げます。
国試頻出ポイント: 「簡便な」「ベッドサイドでできる」というキーワードと検査方法を結びつける問題が頻出です。特に、対座法とスネレン視力表の評価対象(視野 vs 視力)の違いは確実に押さえてください。