核心解説
この問題は、
栄養アセスメント (Nutritional Assessment) における各種検査法の目的を正しく理解しているかを問うています。特に、
コンピュータ断層撮影 (CT, Computed Tomography) が画像診断以外にどのような評価に活用されるかが焦点です。近年、栄養状態の評価においては、単なる体重やBMIだけでなく、
体組成 (Body Composition)、特に骨格筋量の評価が重要視されています。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! CT検査は、特に第3腰椎 (L3, Third Lumbar Vertebra) レベルでの横断像を用いて、
骨格筋断面積 (Skeletal Muscle Cross-Sectional Area) を測定します。この断面積は全身の骨格筋量と強く相関することが知られており、
サルコペニア (Sarcopenia) や
悪液質 (Cachexia) の診断、栄養介入の効果判定に用いられます。したがって、CT検査は骨格筋量の定量的評価を目的として使用されます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意!
①番の「骨密度の評価」は、主に
二重エネルギーX線吸収測定法 (DXA, Dual-energy X-ray Absorptiometry) や
定量的CT (QCT, Quantitative CT) が用いられますが、通常のCT検査の主目的ではありません。
②番の「血清タンパク質の測定」は、
血液検査 (Blood Test) であり、
アルブミン (Albumin) や
プレアルブミン (Prealbumin) などが栄養指標として用いられます。CT検査では測定できません。
③番の「基礎代謝量の測定」は、
間接熱量測定法 (Indirect Calorimetry) や
ハリス・ベネディクトの式 (Harris-Benedict Equation) を用いて推定します。
④番の「体脂肪率の簡易測定」は、
生体電気インピーダンス法 (BIA, Bioelectrical Impedance Analysis) や
キャリパー法 (Skinfold Caliper) が一般的です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
栄養アセスメントには、スクリーニングツール(
MNA, SGA, CONUT など)、身体計測(上腕周囲長、上腕三頭筋皮下脂肪厚)、血液検査(アルブミン、総リンパ球数、トランスフェリン)、そして画像検査(CT, MRI, DXA, BIA)があります。CTは筋量評価のゴールドスタンダードとされていますが、被曝とコストの面から全ての患者に実施されるわけではありません。
概念整理: 栄養アセスメントは、
体重減少、
食事摂取量、
身体計測、
血液検査、
画像検査を統合して行います。CTによる骨格筋量評価は、特にサルコペニアや悪液質の診断に不可欠です。
一目で比較!:
| 評価項目 | 主な検査方法 |
|---|
| 骨密度 | DXA, QCT |
| 体脂肪率 | BIA, キャリパー法 |
| 基礎代謝量 | 間接熱量測定法, 推定式 |
| 血清タンパク質 | 血液検査 (アルブミン等) |
| 骨格筋量 | CT (L3レベル), MRI, DXA, BIA |
看護過程ポイント: アセスメントでは、患者の栄養状態を総合的に評価します。CT結果から筋量低下が認められた場合、
看護診断 (Nursing Diagnosis) として「栄養バランスの変化:必要量以下」や「身体的可動性の障害」を立案し、
栄養補給(経口・経腸・静脈)と
リハビリテーション(レジスタンス運動)を計画に組み込みます。
暗記のコツ: 「
CTで筋を見る」と覚えましょう。CTは骨や臓器だけでなく、
筋肉の量を正確に測れる検査です。特にL3レベルで評価することをセットで覚えると良いでしょう。
国試頻出ポイント: 栄養アセスメントの各手法(BIA, DXA, CT, 血液検査)の目的を混同させた出題が頻出です。「CT=骨格筋量」「BIA=体脂肪率」「DXA=骨密度」という対応関係を必ず押さえましょう。
出題パターン注意!: 単純な知識問題だけでなく、事例問題で「高齢の悪性腫瘍患者に栄養評価を行うために、どの検査が最も適切か?」といった形で出題されることがあります。特に、体重減少が顕著な患者では、サルコペニアの評価としてCTが選択肢に上がります。