トリアージの結果、黒タグ(死亡または救命困難)が付けられた傷病者への対応として適切なのはどれか。 | MyMerci
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問題

トリアージの結果、黒タグ(死亡または救命困難)が付けられた傷病者への対応として適切なのはどれか。

解説
黒タグは死亡が確認された傷病者、または生命兆候がなく大規模災害時に限られた医療資源では救命が困難と判断された傷病者に付与される。対応としては、死亡確認後は他の救命可能な傷病者の対応に優先的にリソースを割り当てる。長時間の蘇生行為は行わない。

詳細解説

核心解説 この問題は、大規模災害時における トリアージ (Triage) の結果、最も優先順位が低いと判断された傷病者への対応を問うています。トリアージは、限られた医療資源を最大限有効に活用し、一人でも多くの命を救うための「治療の優先順位決定」システムです。最重要! 災害現場では「最大多数の最大幸福」が原則となり、救命の可能性が低い傷病者に多くのリソースを割くことは、救命可能な傷病者の死につながります。 正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! 黒タグ (Black Tag / 死亡群) は、「死亡が確認された傷病者」または「生命兆候がなく、限られた医療資源では救命困難と判断された傷病者」に付けられます。対応としては、医師または適切な資格を持つ者が死亡の確認を行い、その後は生存が確認され、治療の優先度が高い他の傷病者(赤タグ: 最優先治療群、黄タグ: 待機的治療群)の対応にリソースを集中させることが適切です。長時間の蘇生は行わず、他の救命可能な傷病者の対応に移ります誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! 鎮痛薬の投与は、痛みを伴う傷病者へのケアとして適切な場面もありますが、黒タグ傷病者に対しては優先されるべき医療行為ではありません。むしろ、痛みを訴える意識がある傷病者は、黒タグの基準(死亡または救命困難)には該当しない可能性が高いです。
混同注意! 高度な医療処置(気管挿管、胸腔ドレナージなど)は、救命の可能性が高い傷病者(赤タグ)に優先的に行われます。黒タグの傷病者に多くのリソースを使うことは、トリアージの原則に反します。
混同注意! 黒タグ傷病者を隔離する必要はありません。むしろ、医療資源を有効活用するためにも、死亡確認後はそのままの状態で、他の傷病者の対応に移ります。
混同注意! 優先的な搬送は、救命の可能性が高い傷病者(赤タグ)が対象です。黒タグ傷病者は、搬送よりも他の救命可能な傷病者の現場での治療を優先します。 関連概念の整理 (Related Concepts):
トリアージの4色分類は、災害規模や施設の状況によって若干のバリエーションがありますが、基本的な考え方は共通です。 - 赤タグ (Red Tag / 最優先治療群): 生命の危険が切迫しており、即時の処置が必要な傷病者(例: 気道閉塞、緊張性気胸、大量出血)。 - 黄タグ (Yellow Tag / 待機的治療群): 重傷だが、処置が数時間遅れても生命の危険が比較的少ない傷病者(例: 単純骨折、安定した腹部外傷)。 - 緑タグ (Green Tag / 軽症群): 軽傷で自力歩行が可能な傷病者。 - 黒タグ (Black Tag / 死亡群): 上記の通り。
概念整理: トリアージは「治療の優先順位決定システム」であり、「治療の差別」ではありません。限られたリソースを最も効果的に使い、一人でも多くの命を救うための倫理的かつ実践的な判断基準です。黒タグは、そのリソース配分の結果として「最優先で救命すべき対象ではない」という判断であり、決して「見捨てる」ことではないという点を深く理解しましょう。 一目で比較!:
タグ色分類対応の優先度具体例
最優先治療群最優先気道確保困難、緊張性気胸、大量出血
待機的治療群次優先開放骨折、腹部穿通性外傷(安定)
軽症群後回し擦過傷、軽度の打撲
死亡群 / 救命困難群優先度なし心肺停止(蘇生困難)、広範囲熱傷(救命困難)
看護過程ポイント: 災害看護におけるアセスメントの第一歩は「トリアージの実施」です。看護師は、START法 (Simple Triage and Rapid Treatment) などの簡易トリアージ法を用いて、傷病者の呼吸・循環・意識レベルを迅速に評価し、タグを付けます。黒タグの傷病者に対しては、死亡確認後の記録(死亡推定時刻、身体所見、タグ番号)が重要になります。 暗記のコツ: トリアージは「赤→黄→緑→黒」の順で優先度が下がると覚えましょう。「黒は待て」や「黒は死(し)」という語呂合わせも有効です。黒タグへの対応は「長時間の蘇生は行わず、他の傷病者へ」がキーワードです。 国試頻出ポイント: トリアージの色分類と各傷病者の対応、START法の評価項目(歩行できるか、呼吸数、脈拍の有無、意識レベル)、混同注意! 黒タグの傷病者への対応(積極的な治療を行わない)と、トリアージの倫理的・法的な考え方が頻出です。特に「黒タグは見捨てることではない」という点は、選択肢で間違えやすいポイントです。 出題パターン注意!: 単純に「黒タグの傷病者には何をするか」という知識問題だけでなく、「大規模地震で多数の傷病者が搬送された。この中で最初に処置すべき傷病者は誰か」という状況設定問題(事例問題)で、複数の傷病者の情報からトリアージの優先順位を判断させる問題が出題されます。また、高齢者や小児のトリアージ(JumpSTART法など)の特殊性も押さえておきましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario):
地域の大きなイベント会場で爆発事故が発生し、多数の傷病者があなたの勤務する病院の救急外来に一度に搬送されてきました。院内トリアージが開始され、あなたはある傷病者の評価を担当しました。傷病者は意識がなく、呼吸がなく、橈骨動脈も触知できません。医師が到着し、胸骨圧迫を開始しましたが、瞳孔は散大固定しています。医師は「トリアージタグを黒に変更しよう。ご家族の確認と死亡診断の準備をしてください」と指示を出しました。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
1. 観察 (Observation): 医師の指示に従い、蘇生行為を中止し、傷病者の状態(瞳孔、皮膚の色、体温)を最終確認します。
2. アセスメント (Assessment): この傷病者は、院内トリアージで黒タグに変更されたということは、限られた医療資源(人手、酸素、薬剤、ベッド)を、より救命の可能性が高い他の赤タグ・黄タグ傷病者に集中させる必要があるという判断です。
3. 報告 (Report): 医師に、死亡確認のための情報(最終観察時間、瞳孔所見など)を SBAR で報告します。
4. 介入 (Intervention): 蘇生行為を中止し、医療廃棄物を適切に処理します決して、他の医療スタッフを呼び止めて蘇生を継続するように促してはいけません。そのリソースは、まだ助かる可能性がある傷病者に使われるべきです。
5. 評価 (Evaluation): 死亡確認後の記録(死亡推定時刻、黒タグ番号、身体所見)を正確に医事記録に残します。ご家族への連絡と対応は、別途定められた手順に従います。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
最重要! トリアージは「救命の優先順位」であり、決して「傷病者を差別したり、見捨てたりすること」ではありません。この判断は、多くの医療資源を有効に使うための、非常に辛いけれども必要な判断です。看護師として、感情に流されず、冷静に、かつ倫理的に行動することが求められます。また、死亡が確認された傷病者への対応(ご遺体の取扱い、ご家族への精神的ケア)も、災害時であっても可能な限り敬意を持って行う必要があります。 先輩看護師の一言: 「災害現場やトリアージは、本当に大変な状況です。『目の前の患者さんを助けたい』という気持ちはもちろん大切ですが、『限られたリソースで最も多くの命を救う』という視点も、看護師として絶対に持っておくべき視点です。国試の勉強では、このトリアージの考え方の背景にある『災害時の医療倫理』まで想像してみてください。現場で本当に役立つ力になりますよ!」

重要概念

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