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診療に伴う技術
病院で大規模災害が発生し、多数の傷病者が搬送されてきた。看護師が最初に行うべき行動はどれか。
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1
外来患者の診療を継続する
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2
個人の防災用品を取りに行く
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3
病院災害対策本部に参集する
✓ 正解
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4
通常の勤務を続ける
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5
帰宅可能な患者を帰宅させる
解説
大規模災害発生時には、看護師は自身の安全を確保した上で、速やかに病院災害対策本部に参集し、指示を受けることが最優先である。災害対策本部の指揮の下で組織的な対応を行う必要がある。通常業務の継続や個人行動は優先されない。
同じテーマの次の問題災害発生時に看護師がトリアージタグを使用する目的として正しいものはどれか。この問題が収録された問題集看護師の基本となる基礎看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、災害看護 (Disaster Nursing) における看護師の初期行動の優先順位を問うています。最重要! 大規模災害発生時、病院組織全体として迅速かつ効果的に対応するためには、個々の医療従事者がバラバラに行動するのではなく、統制のとれた活動が不可欠です。そのための最初の行動が、病院災害対策本部への参集 です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
災害対策本部は、病院全体の情報を集約し、リソース(人員・物資・設備)を管理し、各部署への指示を出す司令塔です。看護師は自身の安全を確認した後、直ちにこの対策本部に参集し、自分の役割(トリアージ、処置室、病棟対応など)の指示を受けることで、組織的な医療活動にスムーズに参加できます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番(外来患者の診療を継続する)は、通常業務に固執する行動で、災害時の優先順位が誤っています。災害時には通常業務は縮小または中断されます。
②番(個人の防災用品を取りに行く)は、自身の安全確保の一環として重要ですが、最初の行動としては優先されません。行動前に最低限の身の安全を確保し(落下物を避けるなど)、すぐに参集します。
④番(通常の勤務を続ける)は、①と同様に災害時の緊急対応を怠る誤った行動です。
⑤番(帰宅可能な患者を帰宅させる)も重要な判断ですが、これは対策本部の指示や、各部署のリーダーの判断の下で行うべきであり、個人で勝手に行う行動ではありません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
災害時の看護師の行動原則として、「CSCA(Command & Control(指揮命令系統)、Safety(安全)、Communication(情報伝達)、Assessment(アセスメント)」や「Triage(トリアージ)」の概念も併せて重要です。災害看護では、平時の看護とは異なる「組織的・機動的・柔軟な思考と行動」が求められます。
概念整理: 災害看護 (Disaster Nursing) における「指揮命令系統 (Chain of Command)」の理解。災害対策本部が病院全体の最高意思決定機関となる。
一目で比較!: | 状況 | 優先行動 |
|---|
| 大規模災害発生直後 | 災害対策本部への参集 |
| 院内での火災発生時 | 初期消火と患者避難誘導 |
| 通常勤務中の急変対応 | 応援要請と救命処置の開始 |
看護過程ポイント: アセスメント: 災害の規模と自分の所属部署の状況を瞬時に判断。 計画/実施: 災害対策本部の指示に従い、自身の役割を遂行(トリアージ、応急処置、患者誘導など)。
暗記のコツ: 「災害時は個人プレー禁止!まずは司令塔(対策本部)に集合!」と覚えましょう。バラバラに動くと混乱が生じ、医療機能が麻痺します。
国試頻出ポイント: 「災害発生直後の看護師の行動」は頻出です。特に「対策本部への参集」「トリアージの実施」「通常業務の縮小」のキーワードがよく問われます。
出題パターン注意!: 「地震発生直後、あなたは内科病棟の看護師です。最初に何をしますか?」といった具体的な状況設定問題で出題されることが多いです。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)あなたは急性期病院の内科病棟で勤務する看護師です。勤務中に緊急地震速報が鳴り、その後大きな揺れを感じました。数分後、病院の災害対策本部が立ち上がったとの院内放送が入りました。病棟内は患者さんが混乱し、医師や看護師がそれぞれの行動を取り始めています。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)1. 自身の安全確保: まず、頭上からの落下物や足元の転倒物に注意し、安全な場所へ移動します。2. 状況アセスメントと報告: 病棟内の被害状況(負傷者、火災、停電など)を瞬時に把握し、リーダー看護師または上位者に状況を報告(SBARの原則)。3. 指示を仰ぐ: 「病棟の被害は軽微です。患者さんは落ち着いています。私はどこに参集すべきですか?」と明確に指示を仰ぎます。リーダーの指示がなければ、病院災害対策本部へ直接参集 することを判断します。4. 行動: 指示に従い、トリアージポストや救護所に配置されるか、病棟での患者ケア継続に徹します。患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)危険! パニックになってエレベーターを使用しない(閉じ込めのリスク)。帰宅可能な患者を勝手に帰宅させない(二次災害や搬送途上のリスクがあるため、必ず統制下で行う)。自分の役割を超えた判断はせず、必ず指揮命令系統に従う。
看護プロトコル: 災害時には通常の記録様式が使えないことがあるため、簡易なトリアージタッグやメモを用いて情報を記録する。報告は「誰が・何を・どの程度・どうすべきか」を簡潔に。
先輩看護師の一言: 「災害はいつ起こるかわかりません。国試で学んだ『災害対策本部への参集』という原則は、実際の現場で皆さんの最初の一歩を迷いなくさせる羅針盤になります。『まずは司令塔に集合!』これを絶対に忘れないでください!」
- 災害看護 (Disaster Nursing) — 自然災害や人為的災害発生時における、被災者の生命・健康を守るための看護活動。平時の看護とは異なる、組織的かつ柔軟な対応が求められる。
- 災害対策本部 (Disaster Control Headquarters) — 大規模災害時に病院内に設置される、情報集約、資源管理、指揮命令を行う最高意思決定機関。看護師はここで役割指示を受ける。
- トリアージ — 多数の傷病者発生時、傷病の緊急度と重症度に基づいて治療の優先順位を決定する方法。災害医療の根幹をなす概念。
- 指揮命令系統 (Chain of Command) — 組織が効果的に機能するための命令や報告の流れ。災害時にはこの系統を遵守することが、混乱を防ぎ組織的対応を可能にする。
- CSCA — 災害対応の基本原則。Command & Control(指揮命令)、Safety(安全)、Communication(情報伝達)、Assessment(アセスメント)の頭文字。
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