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診療に伴う技術
与薬の5R(ファイブ・ライツ)に含まれないのはどれか。
1
正しい薬剤 (Right Drug)
2
正しい用量 (Right Dose)
3
正しい患者 (Right Patient)
4
正しい廃棄方法 (Right Disposal)
✓ 正解
5
正しい経路 (Right Route)
解説
与薬の5Rは「正しい患者」「正しい薬剤」「正しい用量」「正しい経路」「正しい時間」である。「正しい廃棄方法」は含まれない。これらは与薬時の誤薬防止のための基本的な確認項目である。
同じテーマの次の問題 経口薬の内服介助において、薬剤を服用する際の体位として最も適切なのはどれか。 この問題が収録された問題集 看護師の基本となる基礎看護学 KRW 12,900
核心解説
この問題は、看護の基本技術である与薬 (Medication Administration) における誤薬防止のための基本原則である与薬の5R(ファイブ・ライツ / Five Rights) について問うています。患者安全 (Patient Safety) を最優先とする看護の根幹を理解するために極めて重要な概念です。与薬の5Rは、看護師が薬剤を投与する際に、投与前に必ず確認すべき5つの項目を指し、これらを確実に遵守することでヒューマンエラーを防止します。
核心概念の分析 (Key Concept)
与薬の5Rとは、与薬の誤りを防ぐために、投与の直前に5つの項目を確認する安全チェックのフレームワークです。これは看護の場において国際的に標準化されている概念であり、医療安全の基本です。問題の選択肢の中で、混同注意! 「正しい廃棄方法 (Right Disposal)」は5Rに含まれず、これは与薬後の後片付けや感染性廃棄物の処理に関する手順であり、投与前の確認項目とは性質が異なります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 与薬の5Rは以下の5つです。
1. 正しい患者 (Right Patient) :患者確認を2つの識別子(氏名・生年月日など)で行う。
2. 正しい薬剤 (Right Drug) :薬剤名とラベルを照合する。
3. 正しい用量 (Right Dose) :処方された用量と薬剤の力価を確認する。
4. 正しい経路 (Right Route) :経口・静脈内・筋肉内など、指示された投与経路を確認する。
5. 正しい時間 (Right Time) :処方された投与時間と投与間隔を確認する。
「正しい廃棄方法 (Right Disposal)」はこの5つの項目には含まれないため、本問の正解となります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
- ①番(正しい薬剤):混同注意! これは5Rの正しい要素です。薬剤名が処方箋と一致するかを確認します。誤って似た名称の薬剤を投与しないための重要なステップです。
- ②番(正しい用量):5Rの正しい要素です。特に小児や高齢者、ハイリスク薬(抗がん剤、抗凝固薬など)では、用量の計算ミスが重大な有害事象につながるため、厳重なダブルチェックが必要です。
- ③番(正しい患者):5Rの正しい要素です。患者誤認は与薬事故の代表的な原因の一つであり、リストバンドや氏名の確認を徹底します。
- ⑤番(正しい経路):5Rの正しい要素です。例えば経口薬を静脈内に投与するなどの経路間違いは致死的な事故につながるため、投与経路の確認は絶対条件です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
近年の看護安全では、5Rに加えて「正しい記録 (Right Documentation)」や「正しい理由 (Right Indication)」を加えた7Rや10Rが提唱されることもあります。また、与薬エラー防止には5Rの確認だけでなく、ダブルチェック(二人での確認) や、ハイリスク薬 (High-Alert Medications) の特別管理、薬剤名の類似性によるエラー(見間違いやすい薬剤名の注意喚起)なども重要です。さらに、与薬に関する法律(保健師助産師看護師法 第37条)では、看護師は医師の指示なしに薬剤を投与してはならないと規定されており、指示受けのプロセスも安全な与薬の基盤です。
概念整理
与薬の5Rは「患者 (Patient)」「薬剤 (Drug)」「用量 (Dose)」「経路 (Route)」「時間 (Time)」の5つの頭文字を取ったもの。これらは与薬前の確認ステップであり、投与後の「廃棄方法 (Disposal)」や「記録 (Documentation)」は別の看護手順に該当する。
一目で比較!
確認タイミング 項目 具体例 与薬前(5Rに該当) 患者・薬剤・用量・経路・時間 「この薬は◯◯患者様の◯◯mgを経口で8:00に投与するものか」 与薬後(5Rに非該当) 廃棄方法・記録・効果観察 「使用済み注射針は鋭利なもの入れに廃棄」「投与後の患者の反応を記録」
看護過程ポイント
- アセスメント :患者のアレルギー歴、服用中の薬剤、相互作用の有無を確認する。特に経管栄養や嚥下障害の有無は投与経路の決定に直結する。
- 計画・実施 :与薬の5Rを投与の直前に声に出して確認(Read Back & Verify)する。高リスク薬は2名でのダブルチェックを徹底する。
- 評価 :投与後の薬効と副作用(Adverse Effect)を観察し、記録する。期待された効果が得られない場合は、医師に報告し処方の再評価を検討する。
暗記のコツ
5Rを覚えるゴロ合わせ:「患薬用経時 (かんやくようけいじ)」。
「患(患者)薬(薬剤)用(用量)経(経路)時(時間)」と唱えれば5Rを網羅できます。「廃棄」は「カン」に含まれないと意識しておきましょう。
国試頻出ポイント
- 5Rの選択問題(「どれが含まれないか」)は毎年のように出題される基本問題。
- 事例問題では、与薬エラーが発生した場面で「どのRを確認し忘れたか」を問う出題形式が多い。
- 近年は「正しい理由 (Right Indication)」を加えた概念も出題される可能性があるため、5Rが「絶対的基礎」であり、その上に拡張概念があると理解する。
出題パターン注意!
単純な知識問題から、与薬ミスの事例を読み解く応用問題へ発展します。例えば「患者AさんにB薬を投与しようとしたが、薬剤トレイにC薬が入っていた。この時、看護師が確認すべきRは何か?」といった形で出題されるため、5Rの各要素を具体的な行動としてイメージできるようにしておきましょう。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)
朝の与薬ラウンドで、新人看護師が患者Bさんの内服薬を準備しています。トレイにはBさんと別の患者Cさんの薬が並んでいます。先輩看護師が「与薬の前に、5Rを確認してみて」と声をかけました。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment) 1 観察 薬剤名、用量、患者名のラベルを確認。患者リストバンドと照合する。 2 アセスメント 薬剤トレイに複数の患者の薬が混在していることは、患者誤認のリスクが高いと判断。トレイを患者ごとに分けるべきである。 3 報告 もし薬剤名が不明瞭であったり、処方箋と一致しない場合は、必ず先輩看護師または薬剤師に確認し、医師へ疑義照会する。 4 介入 正しい患者(リストバンド+氏名の口頭確認)、正しい薬剤(処方箋とラベルの照合)、正しい用量(力価確認)、正しい経路(内服であることを確認)、正しい時間(8:00投与指示かを確認)を1つずつ声に出して確認する。 5 評価 患者が薬を確実に内服したことを確認し、服薬後30分は観察を継続する。副作用(発疹、悪心など)の有無を評価する。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 禁忌! 与薬の確認を怠った状態で薬剤を投与しないこと。特に高齢者や小児、認知機能が低下した患者では、患者確認が困難な場合があるため、複数の識別子(氏名・生年月日・診察券番号)を必ず使用する。
- 危険所見! 誤った薬剤を投与した場合、直ちに投与を中止し、医師へ報告。患者のバイタルサイン(Vital Signs)を測定し、急変に備える。誤薬の内容によっては、催吐や解毒剤の準備が必要となる。
- 感染対策:内服薬を直接手で触れない、衛生的な手袋の着用、与薬後の手指衛生を徹底する。看護プロトコル 1 観察項目 投与前のバイタルサイン、アレルギー歴、服用中の他剤、嚥下状態。 2 報告基準 (SBAR) - S (Situation):患者Bさんに処方された内服薬を準備中です。
- B (Background):Bさんは高血圧で降圧薬を服用中。
- A (Assessment):薬剤ラベルの用量が処方箋と異なるように見えます。
- R (Recommendation):処方の再確認をお願いします。 3 記録のポイント 与薬時刻、薬剤名・用量・経路、患者の反応、副作用の有無を必ず記録。誤薬が発生した場合は、インシデントレポート (Incident Report) を作成し、再発防止策を検討する。 先輩看護師の一言
「与薬の5Rは看護の基本中の基本!でも、忙しい朝のラウンドだとつい確認を飛ばしがちになります。『自分は絶対に間違えない』という過信が事故を招くんです。5Rを唱えながら行うことは、患者さんの命を守るだけでなく、自分の看護師免許を守ることにもつながります。国試でも現場でも、この5Rは必ず押さえてくださいね!」
与薬の5R (Five Rights of Medication Administration) — 患者安全のために投与直前に確認すべき5項目(正しい患者・薬剤・用量・経路・時間)を指す。誤薬防止の基本フレームワーク。ダブルチェック (Double Check) — 与薬時に二人の医療従事者が独立して確認を行う手順。特にハイリスク薬では必須。患者誤認 (Patient Misidentification) — 患者を別の患者と取り違える医療事故。リストバンドや氏名確認で予防する。ハイリスク薬 (High-Alert Medications) — 誤投与が患者に重篤な害を及ぼす可能性が高い薬剤(抗がん剤、抗凝固薬、インスリンなど)。インシデントレポート (Incident Report) — 医療事故やヒヤリハット事例を記録・報告する書類。再発防止策の検討に活用される。
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