核心解説
この問題は、
注射薬の準備技術、特に
アンプルカット後の薬液吸引の正しい手技を問うものです。看護師国家試験では基本中の基本であり、無菌操作の原則と危険防止(ガラス片混入・薬液ロス)の両面から理解する必要があります。
核心概念の分析 (Key Concept)
アンプル(Ampule)は、1回用量の注射薬が封入されたガラス容器です。カット後、開口部には微細なガラス片が付着している可能性があり、また薬液を無駄なく、清潔に吸引する技術が求められます。正しい手技は、
アンプルの底部を上に向け、注射針の先端を薬液面より下に差し込み、ゆっくりと吸引することです。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 選択肢①「アンプルの底部を上に向けて吸引する」が正解です。
理由:
1.
底部を上にすることで、重力により薬液がすべてアンプルの首(開口部)側に集まります。これにより、薬液を最後まで無駄なく吸引できます。
2.
注射針の先端を薬液中に確実に浸すことができ、空気の吸引を防ぎます。
3. 開口部(カット面)は上を向くため、微細なガラス片が薬液とともに注射器内に入り込むリスクを最小限に抑えられます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意!
- ②「アンプルを水平に保持して吸引する」:薬液面が浅く、針先が薬液から露出しやすく空気を吸い込む原因となります。また、開口部から薬液がこぼれ落ちるリスクがあります。
- ③「アンプルを逆さまにして吸引する」:
禁忌手技! カット面(開口部)が下を向くため、薬液とともにガラス片が直接注射器内に流入する危険性が非常に高くなります。絶対に行ってはいけません。
- ④「アンプルの首部を上に向けて吸引する」:薬液がアンプルの底部に残り、最後まで吸引できません。薬液のロス(無駄)が生じます。
- ⑤「アンプルを振ってから吸引する」:アンプル内で薬液が泡立ち、空気を巻き込みやすくなります。また、振動によりガラス片が薬液中に拡散する可能性もあり、不適切です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
バイアル(Vial)からの薬液吸引も併せて覚えましょう。バイアルはゴム栓をアルコール綿で消毒後、空気を同量注入してから吸引します。アンプルとバイアルの違いを整理しておくことが、国試対策として有効です。
概念整理
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アンプル (Ampule): 1回用量。カット後は底部を上にして吸引。ガラス片混入防止が最優先。
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バイアル (Vial): 複数回用量。ゴム栓消毒後、空気注入→吸引。無菌操作が最優先。
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共通原則: 注射針は薬液面より下に差し込む、ゆっくり吸引、泡立てない。
一目で比較!
| 手技 | メリット | デメリット・危険性 |
| 底部を上(正解) | 薬液を最後まで吸引可能、ガラス片混入リスク低 | なし |
| 水平保持 | 安定しやすい | 薬液ロス、空気吸引リスク |
| 逆さま | なし | ガラス片混入リスク大!禁忌 |
| 首部を上 | ガラス片混入リスク低 | 薬液が底部に残りロス |
看護過程ポイント
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アセスメント: 薬剤名、用量、有効期限、アンプルにひび割れがないか確認。カット面のガラス片の有無も目視で確認。
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看護診断: 「薬液の不適切な準備に関連した誤薬リスク状態」
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計画・実施: 正しい手技で無菌的に薬液を準備する。ダブルチェックを実施。
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評価: 薬液が清潔に、正確な用量で準備できたか。
暗記のコツ
「アンプルは『底上(そこあげ)』で吸う!」と覚えましょう。「底部を上に」で、薬液が口元に集まるイメージです。逆さまは「ガラス片吸引」で絶対NGとセットで記憶。
国試頻出ポイント
- アンプルカット後の正しい吸引方法(本問)
- アンプルとバイアルの吸引方法の違いを問う比較問題
- 無菌操作の原則(アンプルカット面の消毒は不要、など)
- 薬液のダブルチェック手順との組み合わせ
出題パターン注意!
単純な「どれが正しいか」に加え、「新人看護師が誤った手順で吸引している場面を見たとき、どのように指導するか」という状況設定問題に発展することがあります。根拠を持って説明できるようにしておきましょう。