こんな問題があと475問挑戦 ›
診療に伴う技術
点眼薬の点眼方法で正しいのはどれか。
-
1
上眼瞼を強く押し上げて点眼する
-
2
下眼瞼を引き上げて結膜嚢内に滴下する
✓ 正解
-
3
点眼瓶の先端を角膜に直接接触させる
-
4
一度に2滴以上を連続して点眼する
-
5
点眼後すぐに強くまばたきをする
解説
点眼薬は、下眼瞼を軽く引き下げて結膜嚢(下眼瞼と眼球の間)に滴下するのが正しい。点眼瓶の先端を角膜に接触させると感染や角膜損傷の原因となる。点眼後は静かに閉眼し、涙点を圧迫することで全身吸収を防ぐ。
同じテーマの次の問題経口薬の内服介助において、薬剤を服用する際の体位として最も適切なのはどれか。この問題が収録された問題集看護師の基本となる基礎看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、点眼薬の投与技術 (Ophthalmic Medication Administration)における正しい手技を問うものです。結膜嚢 (Conjunctival Sac) は下眼瞼と眼球の間にあり、ここに薬液を滴下することで、角膜を傷つけずに薬液を保持・吸収させることができます。点眼技術は、最重要! 感染予防と角膜保護の観点から、非接触かつ無菌的操作が原則です。
1. 核心概念の分析 (Key Concept): この問題の核心は、点眼薬の正しい投与手順と、誤った手技がもたらすリスクを理解することです。特に、点眼瓶の先端と眼球の接触は、角膜損傷 (Corneal Abrasion) や薬液汚染の原因となるため、厳に避けるべき行為です。
2. 正解の根拠 (Answer Rationale): ②番が正解です。下眼瞼を引き上げる(正しくは軽く引き下げる)ことで結膜嚢が露出し、そこに点眼することで薬液が眼表面に均等に行き渡り、かつ溢れ出しを最小限に抑えられます。これは、薬液の有効活用と患者の不快感軽減に直結します。
3. 誤答の分析 (Distractor Analysis):
① 上眼瞼を強く押し上げる → 患者に強い恐怖感や圧迫感を与え、角膜を傷つける危険性が高いです。上眼瞼は操作せず、下眼瞼のみを操作します。
③ 点眼瓶の先端を角膜に直接接触させる → 混同注意! 絶対禁忌です。感染症の原因や角膜上皮障害を引き起こします。点眼瓶の先端は、角膜や睫毛に触れないよう約1~2cmの距離を保ちます。
④ 一度に2滴以上を連続して点眼する → 結膜嚢の容量は約1滴分(0.05mL)です。2滴以上点眼してもほとんどの薬液は溢れ出て無駄になるだけでなく、全身吸収による副作用リスクが増大します。
⑤ 点眼後すぐに強くまばたきをする → 瞬きによって薬液が涙点から鼻涙管へと排出されやすくなり、効果が減少します。点眼後は静かに閉眼し、涙点圧迫(鼻根部を押さえる)を行うことで全身吸収を防ぎます。
4. 関連概念の整理 (Related Concepts): 点眼薬の投与は、点眼薬の種類(懸濁液はよく振る、コンタクトレンズ装用時の可否)や、複数種の点眼薬を併用する場合の間隔(通常5分以上あける)といった知識と組み合わせて出題されることが多いです。また、小児や高齢者への点眼介助方法も併せて学習しましょう。
概念整理: 点眼の目的は、薬液を結膜嚢内に確実に保持し、角膜や結膜に作用させることです。そのためには、適切な部位(結膜嚢)、適切な量(1滴)、適切な手技(非接触・無菌的操作)、適切な後ケア(静閉眼・涙点圧迫)が不可欠です。
一目で比較!:
| 手技 | 正しい方法 | 誤った方法 | 根拠 |
|---|
| 眼瞼の操作 | 下眼瞼を軽く引き下げる | 上眼瞼を強く押し上げる | 角膜保護と患者の安全 |
| 滴下部位 | 結膜嚢内 | 角膜上や眼球表面 | 角膜損傷・感染予防 |
| 点眼瓶との距離 | 1~2cm 離す | 角膜に接触させる | 汚染と損傷の回避 |
| 点眼後の対応 | 静かに閉眼し涙点圧迫 | 強くまばたきをする | 薬液の流出と全身吸収防止 |
看護過程ポイント:
- アセスメント: 患者の眼疾患の状態、アレルギー歴、コンタクトレンズ装用の有無、自己点眼の可否(手指の動き、視力、理解力)を確認する。
- 看護診断: 非効果的健康管理(点眼手技の未習得)、感染リスク状態(不潔な手技による)、角膜損傷リスク状態。
- 計画・実施: 患者教育(正しい点眼手順の指導、手洗いの重要性、点眼瓶管理の注意点)、環境整備(清潔な場所で行う)。
- 評価: 患者が正しい手技を習得できたか、点眼後の症状改善や副作用の有無を確認する。
暗記のコツ: 「点眼は、下を向いて、1滴、離して、静かに閉じる」と覚えましょう。「下眼瞼を引き、結膜嚢に、1滴だけ、瓶は触らず、目はギュッと閉じない」がポイントです。特に「角膜に触れない」は絶対条件です。
国試頻出ポイント: 点眼は、基礎看護技術の「与薬」分野から頻出です。単純な手技の知識に加え、「点眼後の涙点圧迫の目的(全身吸収防止)」や「複数点眼時の間隔」、「懸濁液点眼時の注意(よく振ってから使用する)」などの応用知識も問われます。事例問題では、「糖尿病患者への点眼指導」や「緑内障患者への点眼管理」として出題されることがあります。
出題パターン注意!: 単純な「正しい方法はどれか」という知識問題に加え、「点眼後、患者が『目の中に薬が残っている感じがする』と訴えた。看護師の対応で適切なのはどれか」といった状況設定問題に発展することがあります。その際は、「無理に追加点眼せず、静かに閉眼するよう促す」という選択肢が正解になることが多いです。
臨床実践ガイド- 1臨床シナリオ (Clinical Scenario)白内障術後の70代女性患者が、抗生物質とステロイドの点眼薬を自己管理しています。初回指導時、患者は「上を向いて、目を大きく開けて、ビンをつけてさすんだよね」と言い、実際に点眼瓶の先端を角膜に触れそうになりました。看護師はどのように指導すべきでしょうか?
- 2看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察: 患者の手指の状態(清潔か)、点眼瓶の保管状態、点眼動作の一部始終を観察する。2. アセスメント: 患者は「上眼瞼を開く」「瓶を目に接触させる」という誤った手技を覚えており、感染や角膜損傷のリスクが高いと判断。3. 介入: 最重要! まず、患者の間違った認識を否定せず、「安全に点眼するためのコツ」として指導する。「点眼瓶は目に触れないように1~2cm離して、目の下のまぶたを軽く引き下げて、赤ちゃんの目のくぼみ(結膜嚢)に1滴落としましょう。その後は、優しく目を閉じて、鼻の付け根を軽く押さえてくださいね」と具体的に伝える。また、鏡の前で練習してもらい、看護師が一緒に手を添えて指導する。- 4評価患者が実際に安全に点眼できるか再確認し、理解度を評価する。
- 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)点眼瓶の先端が角膜に接触した場合は、直ちに新しい点眼瓶と交換する(コンタミネーションの可能性)。 また、両眼に異なる点眼薬を使用する場合、左右を間違えないよう指導する。高齢者では、手指の震えや関節の動きの制限があるため、自助具の導入も検討する。
看護プロトコル: 点眼指導の際は、SBARに準じた報告基準は不要ですが、観察項目として「患者の自己点眼手技の正確性」「点眼後の自覚症状(しみる、痛い、見えにくいなど)」「点眼瓶の管理状態(清潔、使用期限)」を記録に残します。特に、初回指導時と再指導時の手技の変化を評価することが重要です。
先輩看護師の一言: 「点眼って、患者さんにとっては『ただ目にさすだけ』の簡単なことのように思われがちです。でも、角膜を傷つけてしまったり、感染を起こしてしまったら大変です。『なぜ1滴だけなのか』『なぜビンを触ってはいけないのか』『なぜ目を閉じて鼻を押さえるのか』という理由を、患者さんに優しく、わかりやすく伝えることが、看護師の大事な役目です。国試でも『根拠を持ったケア』が問われますよ!」
- 結膜嚢 — 下眼瞼と眼球の間にある空間で、点眼薬を貯留し角膜に作用させる最適な部位
- 涙点圧迫 — 点眼後、鼻根部(内眼角)を押さえることで、薬液が鼻涙管を通って全身に吸収されるのを防ぐ手技
- 角膜損傷 — 角膜上皮が物理的に傷つく状態で、点眼瓶の先端接触が主な原因となる
- 無菌操作 — 点眼瓶の先端をいかなる物にも触れさせないことで、薬液の汚染を防ぐ操作
- 点眼指導 — 患者が安全かつ効果的に自己点眼できるよう、手技と根拠を教育すること
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。