こんな問題があと488問挑戦 ›
栄養の摂取・吸収・代謝機能の障害
亜鉛欠乏症でみられる症状はどれか。
-
1
甲状腺腫
-
2
骨粗鬆症
-
3
皮膚乾燥
-
4
貧血
-
5
味覚障害
✓ 正解
解説
亜鉛は味覚細胞の再生や味覚伝達に関与しており、欠乏すると味覚障害(味覚低下・味覚異常)をきたす。貧血は鉄欠乏、甲状腺腫はヨウ素欠乏、皮膚乾燥はビタミンAや必須脂肪酸欠乏、骨粗鬆症はカルシウムやビタミンD不足が主な原因である。
同じテーマの次の問題ビタミンB1欠乏症でみられる症状はどれか。この問題が収録された問題集疾病の成り立ちと回復の促進KRW 100
核心解説
この問題は、微量元素である亜鉛 (Zinc) の欠乏症に関する知識を問うています。亜鉛は体内で多様な酵素の構成成分として働き、細胞分裂、タンパク質合成、免疫機能、そして味覚の維持に不可欠です。特に味覚においては、味蕾 (Taste Buds) の細胞再生と味覚刺激の伝達に深く関与しています。したがって、亜鉛が不足すると味覚を正しく感知できなくなる味覚障害 (Dysgeusia) や味覚低下 (Hypogeusia) が代表的な症状として現れます。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 亜鉛は味細胞 (Taste Cells) の新陳代謝に必須のミネラルです。欠乏すると味細胞のターンオーバーが阻害され、味覚情報を正確に脳に伝達できなくなります。その結果、味覚障害が生じます。これは亜鉛欠乏症の早期かつ特徴的な症状であり、亜鉛補充療法で改善が期待できる可逆的な症状であることも臨床的に重要です。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! 各選択肢は異なる栄養素欠乏と関連します。
① 甲状腺腫 (Goiter) → ヨウ素 (Iodine) 欠乏が主な原因です。ヨウ素は甲状腺ホルモン合成に必須です。
② 骨粗鬆症 (Osteoporosis) → カルシウム (Calcium) や ビタミンD (Vitamin D) の慢性的な不足、または女性ホルモン(エストロゲン)低下が主因です。
③ 皮膚乾燥 (Dry Skin) → ビタミンA (Vitamin A) 欠乏や 必須脂肪酸 (Essential Fatty Acids) 欠乏が関連します。ただし、亜鉛欠乏でも皮膚炎は起こりえますが、乾燥のみが単独の代表的症状ではありません。
④ 貧血 (Anemia) → 最も一般的なのは 鉄 (Iron) 欠乏性貧血です。ビタミンB12や葉酸欠乏でも生じます。
関連概念の整理 (Related Concepts)
亜鉛の欠乏は味覚障害の他に、創傷治癒遅延 (Delayed Wound Healing)、成長障害 (Growth Retardation)、免疫能低下 (Immunodeficiency)、脱毛 (Alopecia)、下痢 (Diarrhea) などを引き起こします。高齢者や経腸栄養・静脈栄養を受けている患者は亜鉛欠乏のリスクが高いため、定期的な血清亜鉛値のモニタリングが推奨されます。
概念整理: 亜鉛 (Zinc) は 味覚維持、創傷治癒、免疫、成長 に必須の微量元素。欠乏すると代表的な症状として 味覚障害 (Dysgeusia) が出現する。
一目で比較!:
| 栄養素 | 欠乏症の代表症状 |
| 亜鉛 (Zn) | 味覚障害、創傷治癒遅延、成長障害 |
| 鉄 (Fe) | 貧血(小球性低色素性)、易疲労感、匙状爪 |
| ヨウ素 (I) | 甲状腺腫、甲状腺機能低下症 |
| カルシウム (Ca) | 骨粗鬆症、テタニー(低カルシウム血症時) |
| ビタミンA | 夜盲症、皮膚乾燥、角膜軟化症 |
看護過程ポイント:
- アセスメント: 患者の食事摂取状況(特に偏食・経腸栄養剤の種類)、血清亜鉛値(基準値: 80~130 μg/dL程度)、味覚の状態(「味がしない」「味が変」などの訴え)を確認。
- 看護診断: 栄養状態の変化:必要量以下 (Imbalanced Nutrition: Less Than Body Requirements) に関連した味覚障害。
- 計画・介入: 亜鉛を多く含む食品(牡蠣、牛肉、レバー、ナッツ類)の摂取促進。医師の指示に基づく 亜鉛補充療法(酢酸亜鉛水和物など) の内服管理と副作用(消化器症状)の観察。
- 評価: 味覚障害の改善(食事が美味しく感じられるようになったか)、血清亜鉛値の正常化。
暗記のコツ: 「亜鉛(Zn)を食べると『味がする(Zincと味)』」と語呂合わせで覚えましょう。また、牡蠣(カキ)は亜鉛が非常に豊富なので、「カキを食べて味覚回復」とイメージすると記憶に残りやすいです。
国試頻出ポイント: 微量元素の欠乏症とその症状の組み合わせは頻出テーマです。特に亜鉛(味覚障害)、鉄(貧血)、カルシウム(骨粗鬆症)、ヨウ素(甲状腺腫)はセットで問われることが多いです。
出題パターン注意!: 単純な知識問題(「亜鉛欠乏の症状は?」)から、状況設定問題(「経腸栄養中の患者が『味がしない』と訴えた。考えられる原因と看護は?」)へ発展します。病態と症状を結びつけて理解しておくことで、事例問題にも対応できます。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)80歳女性、要介護状態で経鼻経管栄養(成分栄養剤)を長期受けています。担当看護師が「最近、『何を食べても味がしない』『料理の味付けが変だ』と訴えることが増えた」と申し送りしました。バイタルサインは安定、血液検査で 血清亜鉛値 58 μg/dL(低値) が判明しました。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)- 1観察食事の摂取状況(経管栄養の種類と投与量、口腔内の状態、舌の表面(萎縮や発赤の有無))、味覚障害の具体的な内容(甘味・塩味・酸味・苦味のどの味が感じにくいか)、体重変化、創傷の有無。
- 2アセスメント長期の経腸栄養剤では亜鉛含有量が不十分な場合があり、亜鉛欠乏症 (Zinc Deficiency) による味覚障害を強く疑います。
- 3報告(SBAR)「S(状況): 経腸栄養中のA様、味覚障害を訴え、血清亜鉛値が低値です。B(背景): 長期の成分栄養剤投与中。A(アセスメント): 亜鉛欠乏による味覚障害が考えられます。R(提案): 亜鉛補充療法と栄養剤の見直しをご検討ください。」
- 4介入医師の指示に従い、酢酸亜鉛水和物 の内服(または経管投与)を開始。経腸栄養剤を亜鉛強化タイプへ変更することも検討。味覚に配慮したケアとして、口腔ケアの徹底や、可能な範囲で少量の美味しいものを口にしてもらうなどQOL向上への支援も行います。
- 5評価投与開始2~4週間後、味覚障害の改善の有無を確認。血清亜鉛値の再検査で正常範囲への回復を評価します。
看護プロトコル: 観察項目は「味覚変化の主観的訴え」「血清亜鉛値」「創傷治癒状態」「体重」「皮膚の状態」。報告基準は「血清亜鉛値 80 μg/dL未満」または「患者からの味覚異常の訴え」。記録のポイントは「訴えの内容(具体的な味の変化)」「亜鉛製剤の投与量と投与経路」「経過に伴う症状の変化」。
先輩看護師の一言: 「栄養状態の評価はバイタルサインや体重だけじゃなくて、患者さんの『味がしない』という訴えも立派な臨床サインです!特に高齢者や経管栄養の患者さんでは、『味覚障害=亜鉛不足のサイン』という知識は、栄養管理を改善するきっかけになります。国試の知識が、現場で患者さんの食事を美味しくするために役立つって素敵だと思いませんか?」
- 亜鉛 — 体内の多様な酵素反応に必須の微量元素。味覚維持、創傷治癒、免疫機能、成長に不可欠。
- 味覚障害 — 味覚の異常や低下した状態。亜鉛欠乏の代表的な症状で、味蕾の細胞再生障害が原因。
- 味蕾 (Taste Buds) — 舌の表面にある味覚を感じる感覚器官。味細胞が集まっており、亜鉛はこの細胞の新陳代謝に必要。
- 微量元素 (Trace Element) — 体内での存在量は微量だが、生理機能に必須な元素。亜鉛、鉄、銅、ヨウ素、セレンなどが該当する。
- 酢酸亜鉛水和物 — 亜鉛補充療法に用いられる医薬品。味覚障害や創傷治癒遅延の治療に使用される。
MyMerciで看護師国家試験を完全対策
過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。
無料で始める
学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。