核心解説
この問題は、軟骨組織 (Cartilage Tissue) の構造と性質に関する基本的な知識を問うています。
最重要! 軟骨組織の最大の特徴の一つは、
血管と神経を欠く無血管組織 (Avascular Tissue) であることです。そのため、栄養や酸素は、軟骨膜 (Perichondrium) や関節液 (Synovial Fluid) からの拡散 (Diffusion) によって供給されます。この「無血管性」を理解していれば、④番が誤りであると容易に判断できます。再生能力が低いのもこの無血管性に起因します。
正解の根拠 (Answer Rationale)
④番「血管と神経が豊富に分布する」が誤りです。前述の通り、軟骨組織は
無血管・無神経組織であることが基本です。軟骨膜には血管がありますが、軟骨組織本体には分布しません。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番「硝子軟骨、弾性軟骨、線維軟骨の3種類がある」:正しい記述です。軟骨は基質の組成や線維の種類により、この3つに分類されます。
②番「硝子軟骨は関節面を覆う」:正しい記述です。関節軟骨 (Articular Cartilage) は硝子軟骨 (Hyaline Cartilage) で構成されており、関節の動きを滑らかにします。
③番「基質はゲル状で弾力性に富む」:正しい記述です。軟骨基質はプロテオグリカン (Proteoglycan) とコラーゲン線維 (Collagen Fibers) からなるゲル状の構造で、圧縮に対する弾力性を持ちます。
⑤番「軟骨細胞は軟骨小腔に存在する」:正しい記述です。軟骨細胞 (Chondrocyte) は、基質内の軟骨小腔 (Lacuna) と呼ばれる小さな部屋に1~数個ずつ入っています。
関連概念の整理 (Related Concepts)
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混同注意! 骨組織 (Bone Tissue) は豊富な血管と神経を持つ、活発な代謝組織です。この対比が頻出です。「軟骨は無血管・無神経、骨は有血管・有神経」とセットで覚えましょう。
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軟骨の種類と分布:硝子軟骨(関節、鼻、気管、肋軟骨)、弾性軟骨(耳介、喉頭蓋)、線維軟骨(椎間板、膝関節半月板)。
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軟骨の栄養:軟骨膜からの拡散(関節軟骨以外)または関節液からの拡散(関節軟骨)。
概念整理:
軟骨組織の核心は
無血管性 (Avascularity) と
弾力性 (Elasticity) です。基質のゲル状構造がクッションの役割を果たします。栄養は拡散に依存するため、代謝が遅く、損傷後の修復が難しいという臨床的意義も併せて理解しましょう。
一目で比較!:
| 組織 | 血管・神経 | 主な特徴 |
|---|
| 軟骨組織 | なし (無血管) | ゲル状基質、拡散で栄養、再生困難 |
| 骨組織 | あり (有血管) | 石灰化基質、代謝活発、再生可能 |
看護過程ポイント:
直接の看護診断は稀ですが、例えば
変形性関節症 (Osteoarthritis) の患者さんでは、軟骨の摩耗による疼痛と可動域制限が問題となります。アセスメントでは、
関節の安静と可動域訓練のバランスが重要です。
暗記のコツ:
「軟骨(Cartilage)=カートリッジ(Cartridge)」と連想してみましょう。プリンターのカートリッジはインクが無くなったら交換ですが、体の軟骨も血管がないため自分で修復しにくく、損傷すると「交換(人工関節)」が必要になることがある、と覚えると印象に残ります。
国試頻出ポイント:
「軟骨の特徴として正しいのはどれか」「誤っているのはどれか」という形で、
無血管性を問う問題が非常に頻出です。他の組織(骨、筋、上皮)との比較問題もよく出ます。