核心解説
この問題は、
メンデルの遺伝の法則 (Mendel's Laws of Inheritance) の基本を問うています。メンデルの法則は、看護師国家試験でも頻出の基礎生物学・遺伝学の概念です。特に、遺伝性疾患の理解や家系図(血統図)の分析、遺伝カウンセリングの基礎として重要です。
最重要! メンデルの法則は大きく分けて3つあります。
1.
優性の法則 (Law of Dominance): 異なる対立遺伝子(例: A と a)が一緒になったとき、優性形質(A)が表現型に現れ、劣性形質(a)は隠れる。
2.
分離の法則 (Law of Segregation): 対立遺伝子は、配偶子(卵子・精子)形成時(減数分裂)に、それぞれ別々の配偶子に分離される。
3.
独立の法則 (Law of Independent Assortment): 異なる遺伝子(例えば、目の色の遺伝子と血液型の遺伝子)は、互いに独立して配偶子に分配される。
この問題の核心は「
対立遺伝子が配偶子形成時にそれぞれ別々の配偶子に分離される」という部分です。これは「
分離の法則」そのものを説明しています。
正解の根拠 (Answer Rationale)
②
分離の法則 (Law of Segregation) が正解です。メンデルはエンドウマメの実験から、形質を決める因子(現在の「遺伝子」)は、親から子へ伝わる際に1つずつ別々に分離することを発見しました。例えば、親が「A」と「a」という対立遺伝子を持っている場合、配偶子には「A」だけ、または「a」だけが入ります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①
混同注意! ①番の
倍数性の法則はメンデルの法則ではありません。倍数性(Polyploidy)とは、染色体数が通常の2倍(2n)よりも多い状態(3n, 4nなど)を指し、植物などで見られます。
③
混同注意! ③番の
連鎖の法則 (Law of Linkage) は、メンデルの独立の法則に対する例外です。同じ染色体上にある遺伝子は一緒に遺伝する傾向があるという法則で、メンデルが提唱した3つの基本法則には含まれません。
④ ⑤ ④番の
独立の法則 (Law of Independent Assortment) と⑤番の
優性の法則 (Law of Dominance) は、いずれもメンデルの基本法則ですが、問題文の「別々の配偶子に分離される」という記述には該当しません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
-
混同注意! 分離の法則と
独立の法則の違いを明確にしておきましょう。
-
分離の法則: 1つの遺伝子座(例: 血液型A/B/O)における対立遺伝子の分離。
-
独立の法則: 異なる遺伝子座(例: 血液型と目の色)の遺伝子が互いに影響されずに分離すること。
- 優性の法則は、メンデルが最初に提唱した法則です。
概念整理: メンデルの3大法則は「優性」「分離」「独立」。特に「分離」は「配偶子への対立遺伝子の分配」を、「独立」は「異なる遺伝子の組み合わせ」をイメージすると覚えやすいです。
一目で比較!:
| 法則名 | 内容 | キーワード |
|---|
| 優性の法則 | 優性遺伝子が表現型を決める | 顕性・潜性 |
| 分離の法則 | 対立遺伝子が別々の配偶子へ | 減数分裂・分配 |
| 独立の法則 | 異なる遺伝子が独立に配偶子へ | 染色体の組み換え |
国試頻出ポイント: 「メンデルの法則」の定義そのものを問う問題に加え、「優性遺伝病」「劣性遺伝病」の家系図分析の問題で、この法則の理解が前提となります。特に、常染色体優性遺伝病(例: マルファン症候群)と常染色体劣性遺伝病(例: 嚢胞性線維症)の遺伝形式を区別する問題で必要です。
暗記のコツ: 「優性は表現型」、「分離は配偶子」、「独立は違う遺伝子同士」と覚えましょう。「ブンリ(分離)=わかれる(バラバラになる)」とイメージすると、問題文の「別々の配偶子に」と直結します。
出題パターン注意!: 単純な知識問題から、事例問題で「この家系図から考えられる遺伝形式はどれか」という形に発展します。その際、優性/劣性、常染色体/伴性(X連鎖)の区別も必要になります。