核心解説
この問題は、
障害者総合支援法 (Comprehensive Support for Persons with Disabilities Act)における障害福祉サービスの分類を問うています。障害者総合支援法のサービスは、
「介護給付 (Care Benefits)」と
「訓練等給付 (Training and Other Benefits)」に大別されます。この区分を正確に理解することが、この問題を解く鍵です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! ②番の「就労移行支援」は、一般企業等への就労を希望する障害者に対して、生産活動、職場体験、求職活動支援などを行い、就労に必要な知識・能力の向上を図るサービスです。これは
「訓練等給付」に明確に区分されており、正解となります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①番「行動援護」、③番「居宅介護(ホームヘルプ)」、④番「短期入所(ショートステイ)」、⑤番「重度訪問介護」は、いずれも
「介護給付」に分類されるサービスです。
混同注意! これらのサービスは、主に日常生活上の介護(食事、入浴、排泄等の支援)や外出時の移動支援など、生活の基盤を支えることを目的としており、訓練(就労や社会参加のための能力向上)を主目的とする「訓練等給付」とは性質が異なります。特に、③番「居宅介護」と①番「行動援護」は、訓練等給付の「自立生活援助」や「共同生活援助(グループホーム)」と混同しやすいので注意が必要です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
障害者総合支援法のサービスは、障害の程度や支援の必要度に応じて支給が決定されます。介護給付は障害支援区分の認定が必要な場合が多く、訓練等給付は障害支援区分の認定が不要なサービスもあります。また、
障害者基本法 (Basic Act for Persons with Disabilities)、
障害者雇用促進法 (Act for Promotion of Employment of Persons with Disabilities)との違いも併せて整理しておきましょう。
概念整理: 障害者総合支援法のサービス体系
| 分類 | 主なサービス名 | 目的 |
| 介護給付 | 居宅介護、重度訪問介護、行動援護、短期入所、療養介護、生活介護、施設入所支援 | 日常生活における介護、見守り、外出支援など |
| 訓練等給付 | 自立訓練(機能訓練・生活訓練)、就労移行支援、就労継続支援(A型・B型)、共同生活援助(グループホーム) | 自立した日常生活・社会生活・就労に向けた訓練、支援 |
一目で比較!: 「行動援護」vs「就労移行支援」
| 項目 | 行動援護(介護給付) | 就労移行支援(訓練等給付) |
| 対象者 | 重度の知的障害・精神障害等で行動に著しい困難がある者 | 就労を希望する障害者(65歳未満が原則) |
| 主な支援内容 | 行動時の危険回避、移動中の介護、外出時の見守り | 生産活動、職場体験、求職活動支援、職場定着支援 |
| 目的 | 安全な社会参加の保障 | 一般就労への移行 |
看護過程ポイント: 障害者支援においては、
「個別支援計画 (Individual Support Plan)」の作成が重要です。看護師は、障害の特性や健康状態をアセスメントし、サービス利用の提案や関係機関との連携(ケアマネジメント)を担うことがあります。特に、医療的ケアが必要な障害者については、医療と福祉の両面からの支援調整が求められます。
暗記のコツ: 「介護給付」は「生活の介護」=「日常生活の世話をするサービス」と覚え、「訓練等給付」は「社会にでる訓練」=「自立や就労に向けた能力向上のサービス」と覚えると整理しやすいです。
国試頻出ポイント: 障害者総合支援法のサービス分類は、毎年1問程度出題される頻出事項です。特に「就労移行支援」「就労継続支援」「自立訓練」が訓練等給付に該当することを確実に押さえましょう。また、
障害者差別解消法 (Act for Eliminating Discrimination against Persons with Disabilities)との関連で、「合理的配慮 (Reasonable Accommodation)」の概念も併せて学習しておくと良いでしょう。
出題パターン注意!: 単純な「どれが訓練等給付か」という知識問題に加えて、「事例で示された障害者に、どのサービスを提案するか」という状況設定問題(事例問題)でも出題される可能性があります。サービスの目的と内容を、事例のニーズに合わせて選択できるようになりましょう。