核心解説
この問題は、
災害看護 (Disaster Nursing) における
地震発生時の避難方法 (Evacuation Method during Earthquake) を問うています。
患者の安全確保 と
二次災害の防止 を最優先に考えます。病院という特殊な環境では、患者のADL (Activities of Daily Living) や治療状況に応じた適切な判断が求められます。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 選択肢2が正解です。避難の基本原則は「自力で動ける人から順に、安全な経路(原則として階段)を使用する」ことです。歩行可能な患者には自力で階段を下りてもらい、歩行困難な患者には担架 (Stretcher) や車椅子 (Wheelchair) を用いて介助避難させることで、限られた人員で効率的かつ安全に避難を進められます。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ① 番は誤りです。点滴 (IV drip) やドレーン (Drain) は、生命維持や治療継続に不可欠なため、
緊急時であっても可能な限りルートを確保したまま避難します。 むやみに抜去すると、出血や感染のリスクを高めます。
混同注意! ③ 番は誤りです。地震発生時は停電や閉じ込めの危険があるため、
エレベーター (Elevator) の使用は絶対に禁忌 です。避難経路は階段が原則です。
混同注意! ④ 番は誤りです。地震で窓ガラスが割れて飛散する恐れがあるため、
窓際は非常に危険 です。窓から離れ、落下物のない安全な場所へ移動する必要があります。
混同注意! ⑤ 番は誤りです。歩行困難な患者や治療中の患者に無理な歩行を強いることは、転倒 (Falls) や状態悪化を招くため、
患者の状態を無視した指示は禁忌 です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
災害看護では、
CSCATTT (Command & Control, Safety, Communication, Assessment, Triage, Treatment, Transport) の原則が重要です。避難は、トリアージ (Triage) による治療優先順位決定後の「搬送 (Transport)」段階に該当します。病棟では、日頃からの避難訓練 (Evacuation Drill) と経路確認が重要です。
概念整理
| 概念 | ポイント |
|---|
| 避難誘導の優先順位 | 自力歩行可能な患者 → 介助が必要な患者 → 寝たきりの患者(担架等で搬送) |
| 避難経路 | 階段 を使用し、エレベーター は使用禁止 |
| 医療機器 | 生命維持に関わるものは クランプ・固定してルート確保 したまま搬送 |
| 危険箇所 | 窓際、ロッカーなど 転倒・落下物 の危険がある場所は避ける |
一目で比較!
| 正しい対応 | 誤った対応 |
|---|
| 移動手段 | 歩行可:自力で階段 歩行不可:担架/車椅子で階段 | 全員に立位歩行強制、エレベーター使用 |
| 点滴/ドレーン | クランプし固定、可能な限り継続 | 全て抜去して避難 |
| 待機場所 | 丈夫な机の下、壁際(中央部) | 窓際や出口付近 |
看護過程ポイント
アセスメント: 患者のADL、移動能力、装着中のルート・機器の確認。
計画: 避難経路図の事前確認、トリアージタッグの準備。
実施: 声かけによる不安軽減、歩行介助、複数人での搬送(シーツ搬送法など)。
評価: 避難後の人数確認、患者の状態変化の有無、使用物品の確認。
暗記のコツ
最重要! 避難のキーワードは「
お・か・し・も」(
おさない、
かけない(走らない)、
しゃべらない、
もどらない)です。これに加えて、病院では「
ルート確保」と「
自力歩行者優先」をセットで覚えましょう。
国試頻出ポイント
災害看護は、地震のみならず火災や院内急変(コードブルー)の対応としても出題されます。「エレベーター使用禁止」「ルート類は抜去しない」「自力歩行者から避難」の3点は必ず押さえてください。
出題パターン注意!
状況設定問題で「入院患者の一覧」を示され、避難順序を問う問題が出題されます。移動方法だけでなく、酸素吸入中や心電図モニター装着中の患者の取り扱いも併せて問われるため、優先順位の考え方をマスターしましょう。