在胎34週で出生した低出生体重児の看護で適切なのはどれか。 | MyMerci
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周産期の異常と看護
問題

在胎34週で出生した低出生体重児の看護で適切なのはどれか。

在胎34週、体重1800gで出生した女児。出生後、呼吸は安定しているが、体温調節が未熟である。
解説
低出生体重児は体温調節中枢が未熟で、皮下脂肪が少なく、体表面積が大きいため熱放散が多く、低体温になりやすい。そのため、保育器を使用し、皮膚温や直腸温をモニタリングしながら適切な温度環境を保つことが重要である。
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詳細解説

核心解説 この問題は、低出生体重児 (Low Birth Weight Infant, LBW)、特に在胎34週の早産児 (Preterm Infant) における体温管理の看護を問うています。在胎34週では体温調節中枢が未熟であり、体表面積が体重に対して大きく、皮下脂肪(特に褐色脂肪組織 (Brown Adipose Tissue, BAT))が少ないため、熱放散が著しく亢進しやすく、低体温 (Hypothermia) に陥りやすい病態を理解することが鍵となります。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 低出生体重児の看護では、保育器 (Incubator) を使用した中性温度環境 (Neutral Thermal Environment, NTE) の維持が最優先されます。中性温度環境とは、新生児が体温維持のために代謝を亢進させることなく、最も少ない酸素消費量とエネルギー消費量で体温を36.5~37.5℃に保てる環境温度を指します。選択肢①の「皮膚温を測定し、適宜保育器の温度を調節する」は、児の状態に応じて保温環境を動的に調整する、最も適切かつ安全な看護介入です。皮膚温(腹部皮膚温など)や直腸温をモニタリングしながら、サーボコントロール(児の皮膚温に連動して保育器内温度を自動調節する機能)またはマニュアルコントロールで設定温度を変更します。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ②番の経鼻エアウェイ挿入は、呼吸状態が安定している本症例では不必要な侵襲的処置であり、適応ではありません。
③番の室温22℃設定は、成人には適切でも、低出生体重児にとっては低体温を誘発する危険な環境です。保育器内は通常32~36℃程度に設定します。
④番のコット(ベビーベッド)管理は、体温調節が未熟な低出生体重児には適さず、低体温のリスクが高まります。
⑤番の出生直後の沐浴は、低体温を助長する行為であり、全身状態が安定するまで(通常は体重増加や体温調節が安定するまで)待つべきです。 関連概念の整理 (Related Concepts)
低出生体重児の体温調節に関しては、混同注意! 以下の3つの熱喪失経路を理解しておくことが重要です。
1. 対流 (Convection): 空気の流れによる熱喪失(保育器内の空気の流れを最小限に)
2. 放射 (Radiation): 周囲の冷たい壁への熱喪失(保育器を窓辺や冷気の流れ込む場所に設置しない)
3. 蒸発 (Evaporation): 羊水や汗の蒸発による熱喪失(出生後は速やかに清拭し、乾いた布で保温する)
また、無呼吸発作 (Apnea of Prematurity)低血糖 (Hypoglycemia) も低体温と関連して生じやすいため、併せて観察します。 概念整理: 低出生体重児は、体温調節中枢未熟 + 皮下脂肪不足(BAT減少)+ 体表面積/体重比大 → 熱放散亢進 → 低体温リスク → 保育器による中性温度環境の維持が必須。 一目で比較!:
項目正期産児 (Term Infant)低出生体重児 (LBW/Preterm)
体温調節中枢比較的成熟未熟
皮下脂肪/BAT十分不足
熱喪失リスク低い高い
管理方法コット + 保温保育器(サーボ or マニュアル)
看護過程ポイント: アセスメント:出生時体重、在胎週数、体温(直腸温/皮膚温)、呼吸状態、血糖値。看護診断:体温調節障害 (Ineffective Thermoregulation) リスク状態。計画・実施:保育器設定温度の適宜調整、皮膚温モニタリング、最小限の刺激での処置。評価:体温が36.5~37.5℃で安定しているか、酸素消費量増加の徴候(多呼吸、頻脈、不機嫌)がないか。 暗記のコツ: 「低出生体重児は『寒がりで痩せている新生児』」とイメージしましょう。『寒い』→『体温が下がる』→『酸素とエネルギーをたくさん使う』→『さらに弱る』という悪循環を防ぐのが看護の役目です。保育器は『自分で体温調節できない子のための魔法のベッド』と覚えてください。 国試頻出ポイント: 低出生体重児の看護では、①体温管理(保育器使用)、②呼吸管理(無呼吸発作の観察)、③栄養管理(経管栄養や哺乳の工夫)、④感染予防(皮膚保護、清潔ケア)の4つが頻出です。特に体温管理は毎年のように出題される核心項目です。 出題パターン注意!: 「在胎28週、体重1200gの児」のようにさらに未熟な児の事例問題では、呼吸管理(サーファクタント補充療法や人工呼吸器の適応)や、経腸栄養の開始基準、黄疸に対する光線療法など、複合的なアセスメントが求められる発展問題に注意しましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
NICUに勤務する看護師のあなた。在胎34週、体重1800gで出生した女児が、保育器で管理中です。朝のラウンドで、児の腹部皮膚温が35.8℃、直腸温が36.0℃であることを確認しました。児はやや多呼吸で、四肢に軽度のチアノーゼを認めます。保育器の設定温度は32.0℃(マニュアル設定)です。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 観察 (Observation): バイタルサイン(体温(皮膚温・直腸温)、心拍数、呼吸数、SpO2)、皮膚色、活動性、筋緊張、血糖値(低血糖の有無)を確認します。 2. アセスメント (Assessment): 最重要! 児の体温が基準範囲(36.5~37.5℃)を下回っており、低体温状態です。多呼吸やチアノーゼは、低体温に対する代償反応(酸素消費量増加による呼吸仕事量の増大)または低体温による代謝性アシドーシスの可能性を示唆します。 3. 報告 (Report - SBAR): 医師へSBARで報告します。
S (Situation): 「在胎34週1800gの女児です。現在低体温状態です。」
B (Background): 「出生後は安定していましたが、今朝の体温が35.8℃(皮膚温)です。設定温度は32.0℃です。」
A (Assessment): 「低体温に伴う多呼吸と軽度チアノーゼを認めます。設定温度の変更が必要と考えます。」
R (Recommendation): 「保育器の設定温度を上げる指示をいただけますか?またはサーボコントロールモードへの変更をご検討ください。」 4. 介入 (Intervention): 医師の指示に基づき、保育器の設定温度を33.0~34.0℃に上昇させます。児の状態を再評価し、30分後には体温が上昇傾向にあることを確認します。必要に応じて、毛布や帽子で追加の保温を行います(ただし、過度な保温によるオーバーヒートには注意)。 5. 評価 (Evaluation): 30分~1時間ごとに体温を測定し、36.5~37.5℃に到達したら、設定温度を徐々に下げるか、サーボモードに切り替えて維持します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 低体温 (Hypothermia) の危険所見: 体温35.5℃未満、徐脈、無呼吸、低血糖、代謝性アシドーシス。緊急対応が必要です。
- オーバーヒートの危険所見: 体温37.5℃以上、頻脈、多汗、不機嫌。設定温度を下げる必要があります。
- 感染対策 (Infection Control): 保育器内は温かく多湿な環境であるため、細菌繁殖に注意。定期的な保育器の清掃(消毒)と、児への処置時の無菌操作を徹底します。
- 皮膚保護 (Skin Care): 低出生体重児の皮膚は非常に脆弱です。体温プローブの固定には低刺激性テープを使用し、皮膚トラブルを予防します。 看護プロトコル: 観察項目:体温(直腸温・皮膚温)は最低4時間ごと(不安定時は1時間ごと)、バイタルサイン、SpO2、血糖値(低血糖スクリーニング)、体重(毎日)。報告基準:体温36.0℃未満 or 37.5℃以上、呼吸数60回/分以上 or 無呼吸発作、SpO2 90%未満。記録:設定温度と児の体温の推移、児の全身状態、介入内容とその効果。 先輩看護師の一言: 「低出生体重児の看護で一番大切なのは『見逃さないこと』。特に夜勤帯は室温が下がりやすく、保育器の設定温度が適切か、児の体温が安定しているかを、こまめに確認する習慣をつけましょう。『体温が安定しているから大丈夫』ではなく、『なぜ安定しているのか』をアセスメントできる看護師になりましょう!」

重要概念

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