先天性股関節脱臼の診断に用いられる検査法はどれか。 | MyMerci
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問題

先天性股関節脱臼の診断に用いられる検査法はどれか。

解説
ガレアッツィ徴候は、股関節脱臼により患側の大転子が上前腸骨棘よりも高位に位置することを確認する徴候である。先天性股関節脱臼のスクリーニングで用いられる。トレンデレンブルグ徴候は立位での股関節安定性の評価に用いられる。

詳細解説

核心解説 この問題は、先天性股関節脱臼 (Congenital Dislocation of the Hip, CDH) の診断に用いられる整形外科的検査法を問うています。新生児・乳児期の股関節スクリーニングで重要な徴候を、他の股関節・下肢の検査法と正しく区別できるかが問われる頻出テーマです。先天性股関節脱臼は、大腿骨頭が臼蓋から逸脱する疾患で、早期発見・早期治療が予後を大きく左右するため、適切なスクリーニング検査の知識が不可欠です。 正解の根拠 (Answer Rationale):
最重要! ①番の ガレアッツィ徴候 (Galeazzi Sign) は、先天性股関節脱臼を疑う重要なスクリーニング検査です。これは、乳児を仰臥位にし、両膝と股関節を90度屈曲させた状態で、両膝の高さを比較する方法です。脱臼側では大腿骨頭が後方に脱臼しているため、患側の膝が健側よりも低くなる(短く見える)ことを確認する徴候です。この徴候は、大腿骨頭の臼蓋からの逸脱により、患側下肢の機能的短縮が生じることを利用しています。 誤答の分析 (Distractor Analysis):
②番 トレンデレンブルグ徴候 (Trendelenburg Sign): 混同注意! これは立位での検査であり、先天性股関節脱臼の評価ではなく、主に発育性股関節形成不全や中殿筋の機能不全を評価するために用います。片脚で立った時に骨盤が健側に傾く現象で、立位が可能な年齢(幼児以降)でなければ評価できません。 ③番 ラセーグ徴候 (Lasègue Sign): これは腰椎椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛の評価に用いられる検査です。仰臥位で患側下肢を伸展させたまま挙上し、下肢後面に放散痛が出現するか確認します。股関節疾患の診断には用いません。 ④番 トーマス徴候 (Thomas Sign): これは股関節屈曲拘縮の有無を評価する検査です。健側の股関節を最大屈曲させることで腰椎の前彎を代償させ、患側の股関節屈曲拘縮を明らかにします。先天性股関節脱臼のスクリーニングには用いません。 ⑤番 パトリック徴候 (Patrick Sign): これは股関節の炎症や変形性股関節症の評価に用いられます。仰臥位で患側の足関節を健側の膝上に置き、膝を外側に倒すことで股関節にストレスをかけ、疼痛の有無を確認します。 関連概念の整理 (Related Concepts):
先天性股関節脱臼のスクリーニングで他に重要なのは、オルトラーニ法 (Ortolani Maneuver)バーロー法 (Barlow Maneuver) です。これらは徒手的に股関節の脱臼・亜脱臼を評価する方法で、ガレアッツィ徴候と並んで新生児期~乳児期早期の必須スクリーニング項目です。また、超音波検査(エコー)も確定診断に用いられます。これらの検査法は、先天性股関節脱臼に特化したものであり、他の股関節疾患の検査法と混同しないように整理しましょう。
概念整理: 先天性股関節脱臼の診断には、視診・触診によるスクリーニング(ガレアッツィ徴候、オルトラーニ法、バーロー法)が基本です。これらの検査は、乳児の股関節の不安定性や機能的短縮を捉えることを目的としています。一方、トレンデレンブルグ徴候やトーマス徴候は、より成長後の股関節機能評価や拘縮の評価に用いられるため、目的と適応年齢を明確に区別しましょう。
一目で比較!:
検査法評価対象姿勢主な適応疾患
ガレアッツィ徴候下肢の機能的短縮仰臥位 膝・股関節屈曲先天性股関節脱臼
トレンデレンブルグ徴候中殿筋機能・股関節安定性立位(片脚起立)発育性股関節形成不全 中殿筋麻痺
ラセーグ徴候坐骨神経の伸展痛仰臥位 下肢伸展挙上腰椎椎間板ヘルニア
トーマス徴候股関節屈曲拘縮仰臥位 健側最大屈曲変形性股関節症 関節リウマチ
パトリック徴候股関節内の炎症・病変仰臥位 下肢を“4”の字に変形性股関節症 股関節炎

看護過程ポイント: 先天性股関節脱臼が疑われる場合、看護師はスクリーニング検査の結果を正しく医師に報告するとともに、保護者への説明を行います。アセスメントでは、児の股関節の開排制限や下肢長の左右差、臀部・大腿部の皮膚溝の非対称性なども観察します。看護計画には、保護者への疾患説明と治療(リーメンビューゲル装具など)の指導、経過観察の重要性の説明が含まれます。
暗記のコツ: 「ガレアッツィ」は「ガレ(膝が)アッ(ア、低い)ツィ(ツ、つまり)」と覚えましょう!膝を曲げて高さを比べる検査で、脱臼側の膝が低くなる(短い)ことをイメージしてください。トレンデレンブルグは「立ってる(Trend)」、ラセーグは「脚を伸ばして(Leg raise)痛い(Sign)」と関連付けると区別しやすいです。
国試頻出ポイント: このテーマは、毎年出題 と言ってよいほど頻出です。特に、先天性股関節脱臼のスクリーニング検査としてガレアッツィ徴候が正解となる問題、あるいは他の股関節疾患(変形性股関節症など)の検査法としてトレンデレンブルグ徴候パトリック徴候が出題されるケースが多く見られます。「どの検査がどの疾患の、どのような目的で行われるか」を整理して覚えましょう。
出題パターン注意!: 単純な「徴候名と疾患の組み合わせ」を問う知識問題に加え、近年は事例問題として「生後○か月の乳児の健診で、股関節の開排が制限され、下肢長に左右差がある。この児に実施する検査はどれか。」のように、観察所見と検査法を結びつける形で出題されることが増えています。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario):
あなたは新生児病棟で働く看護師です。生後1週間の女児の退院前健診を担当しています。医師から「股関節のスクリーニングをしておいてください」と指示がありました。児を仰臥位にし、両膝と股関節を90度に屈曲させて両膝の高さを比較したところ、左膝が右膝よりも明らかに低い位置にあることに気づきました。また、左股関節の開排が右に比べて制限されている印象です。児の機嫌は良く、啼泣はありません。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment):
1. 観察: ガレアッツィ徴候を正確に評価します。両膝を揃えて並べた状態で、膝の高さの差(機能的短縮)を確認します。同時に、股関節の開排角度や臀部・大腿部の皮膚溝の対称性も観察します。
2. アセスメント: 左膝が低い(ガレアッツィ徴候陽性)ことから、先天性股関節脱臼の可能性が高いとアセスメントします。これは、大腿骨頭が臼蓋から逸脱しているために、患側下肢が機能的に短縮している状態です。
3. 報告: 医師にSBARで報告します。
S (状況): 生後1週間の女児、退院前健診中。
B (背景): 特記すべき妊娠経過・分娩歴なし。
A (アセスメント): ガレアッツィ徴候陽性(左膝低位)、左股関節開排制限あり。先天性股関節脱臼を疑います。
R (推奨): 整形外科医へのコンサルトと、超音波検査による確定診断を提案します。
4. 介入: 医師の指示のもと、超音波検査の準備と介助を行います。確定診断後は、リーメンビューゲル装具パヴリックハーネスの装着が開始されるため、保護者への装着方法・スキンケア・経過観察の指導を実施します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
最重要! 先天性股関節脱臼は早期発見・早期治療が鍵です。発見が遅れると、大腿骨頭壊死や変形性股関節症のリスクが高まります。徒手的な整復操作(オルトラーニ法など)は、医師の指示なしに看護師が単独で行ってはいけません。大腿骨頭壊死を誘発する可能性があるためです。また、装具装着中は皮膚トラブル(湿疹、すれ、びらん)に注意し、おむつ交換時などに装具のずれがないか確認します。
看護プロトコル: 観察項目:両下肢長、股関節開排角度、臀部・大腿部の皮膚溝の左右差、歩行開始後の跛行の有無。報告基準(SBAR):ガレアッツィ徴候陽性や開排制限を確認したら、速やかに医師へ報告。記録のポイント:検査の実施日時、所見(陽性/陰性)、医師への報告内容と指示、保護者への説明内容。家族への説明:治療の必要性(装具装着の目的と期間)、予後(早期治療で良好な経過が期待できること)、注意点(装具装着中の観察ポイント)をやさしく、繰り返し説明する。
先輩看護師の一言: 「股関節スクリーニングは、新生児期の看護師の大切な役割です!ガレアッツィ徴候をチェックするときは、赤ちゃんが泣いて力が入っていると正確に評価できないので、落ち着いているタイミングを選んでくださいね。『膝の高さが違うな?』と感じたら、迷わず先輩や医師に報告することが大切です。早期発見が赤ちゃんの将来の歩行を支えます!」

重要概念

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