核心解説
この問題は、
乳幼児の栄養状態評価 (Assessment of Nutritional Status in Infants) に用いられる
カウプ指数 (Kaup Index) の計算とその解釈を問うています。カウプ指数は、主に乳幼児の
体格評価 (Body Build Assessment) に使用される指標で、成人のBMIに類似した概念です。計算式を正しく覚え、標準範囲と照らし合わせて評価できることが求められます。
正解の根拠 (Answer Rationale)
カウプ指数の計算式は以下の通りです。
最重要! カウプ指数 = [体重(g) ÷ {身長(cm)}^2] × 10
この児の場合、体重10kg = 10,000g、身長80cmなので、
10,000 ÷ (80 × 80) × 10 = 10,000 ÷ 6,400 × 10 ≒ 15.6
問題文で与えられたカウプ指数の標準範囲は15~19であり、15.6はこの範囲内に含まれます。したがって、評価は「標準」となります。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
①肥満:カウプ指数が19を超える場合の評価です。15.6は範囲内であるため該当しません。
③やや肥満:通常、「やや肥満」は標準範囲をやや超えた場合(例:19~20程度)に用いられる表現ですが、今回の数値は標準範囲内です。
④高度肥満:カウプ指数が20を超える場合の評価で、15.6は明らかに該当しません。
⑤やせすぎ:カウプ指数が15未満の場合の評価です。15.6は15以上であるため該当しません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
カウプ指数と似た指標として、学童以降に用いられる
ローレル指数 (Rohrer Index) があります。ローレル指数は [体重(kg) ÷ {身長(cm)}^3] × 10^7 で計算され、思春期の体型評価に適しています。
混同注意! カウプ指数は指数部が10(×10)、ローレル指数は指数部が10^7(×10,000,000)と全く異なるため、計算ミスに注意しましょう。また、カウプ指数は主に
3歳未満の乳幼児 に用いられることが多い点も押さえておきましょう。
概念整理:
カウプ指数 (Kaup Index) は、乳幼児の栄養状態・体格を評価する簡便な指標です。計算式は [体重(g) / 身長(cm)の二乗] × 10 です。標準範囲は15~19と覚えましょう。15未満で「やせ」、19超で「肥満傾向」と評価します。
一目で比較!:
| 指標 | 対象 | 計算式 | 標準範囲 |
|---|
| カウプ指数 | 乳幼児(主に3歳未満) | [体重(g) / 身長(cm)^2] × 10 | 15~19 |
| ローレル指数 | 学童・思春期 | [体重(kg) / 身長(cm)^3] × 10^7 | 115~145(目安) |
| BMI | 成人 | 体重(kg) / 身長(m)^2 | 18.5~25 |
看護過程ポイント:
アセスメント:成長曲線と併用し、月齢・年齢に応じた発育評価を行います。カウプ指数が標準範囲外の場合、栄養摂取量や生活習慣、疾患の有無をアセスメントします。
計画・介入:低体重(やせ)の場合は栄養指導や経過観察、肥満傾向の場合は食事内容の見直しや運動習慣の提案を行います。保護者への栄養指導が看護の重要な役割です。
暗記のコツ: カウプ指数の計算式は「体重(g) ÷ 身長(cm) ÷ 身長(cm) × 10」と覚えましょう。単位に注意!体重はkgではなくgで計算する点がポイントです。標準範囲「15~19」は「イチゴ(15)とイクラ(19)」と語呂合わせで覚える学生もいます。
国試頻出ポイント: カウプ指数の計算問題は、数値が与えられて「評価を選べ」という形式で頻出です。単純な計算ミス(体重の単位g忘れ、二乗の計算ミス)をしないように注意しましょう。計算結果が15~19の範囲内なら「標準」、それ以外なら範囲から外れた方の評価を選びます。
出題パターン注意!: 事例問題として「体重増加不良の乳児の評価」や「肥満傾向の幼児の栄養指導」という形で出題されることもあります。計算だけでなく、その結果に基づいた看護介入(保護者への指導内容)を問われる可能性もあります。