核心解説
この問題は、新生児期の原始反射 (Primitive Reflexes) の消退時期に関する知識を問うています。原始反射は脳幹や脊髄レベルの反射で、大脳皮質の発達に伴い抑制・消失します。それぞれの反射の特徴と消退時期を正確に覚え、どの反射が最も遅くまで残るかを押さえることがポイントです。
正解の根拠 (Answer Rationale): モロー反射 (Moro Reflex) は、大きな音や急な頭部の位置変化に対する驚愕反射で、両上肢を伸展・外転し、その後屈曲する一連の運動です。
最重要! この反射は生後4~6か月頃までに消失します。これは、他の主要な原始反射(吸啜反射、把握反射、ATNR)の消退時期(生後3~4か月頃)よりも遅く、問題文の「生後4~6か月頃までに消失するもの」に最も合致します。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ①番の吸啜反射 (Sucking Reflex) は生後3~4か月頃に消失し、随意の吸啜へと移行します。②番の把握反射 (Palmar Grasp Reflex) は生後3~4か月頃に消失します。③番のバビンスキー反射 (Babinski Reflex) は足底刺激で母趾が背屈し、他の趾が扇状に開く反射で、通常1歳頃までに消失し、錐体路の成熟を示します。④番の非対称性緊張性頸反射 (ATNR: Asymmetrical Tonic Neck Reflex) は、顔を向けた側の上下肢が伸展し、反対側の上下肢が屈曲する反射で、生後3~4か月頃に消失します。
関連概念の整理 (Related Concepts): 原始反射の消退は中枢神経系(特に大脳皮質)の発達の指標です。消退が遅れる(残存する)場合は、脳性麻痺 (Cerebral Palsy) などの神経発達障害の可能性が疑われます。各反射の誘発方法と評価も併せて学習しましょう。
概念整理:
新生児・乳児の主要原始反射と消退時期
| 原始反射 | 誘発方法 | 反応 | 消退時期 |
|---|
| 吸啜反射 | 口唇や口腔内への刺激 | 吸啜運動 | 生後3~4か月 |
| 把握反射(手掌) | 手掌への指の挿入 | 指を強く握る | 生後3~4か月 |
| バビンスキー反射 | 足底外側縁を踵から母趾方向に刺激 | 母趾背屈、その他趾扇状開大 | 1歳頃 |
| 非対称性緊張性頸反射 (ATNR) | 仰臥位で顔を片側に向ける | 顔向け側上下肢伸展、反対側屈曲 | 生後3~4か月 |
| モロー反射 | 頭部を急に数cm落とす、大きな音 | 両上肢伸展・外転後、屈曲 | 生後4~6か月 |
一目で比較!:
混同注意! バビンスキー反射は他の反射より消退が遅く(1歳頃)、錐体路徴候として有名です。モロー反射は「最も遅くまで残る原始反射の一つ」と捉えると覚えやすいです。
看護過程ポイント: 新生児・乳児の神経学的アセスメントでは、これらの反射の有無と対称性を観察します。反射の誘発方法を正しく習得し、消退時期を考慮した発達評価が重要です。
暗記のコツ: 「モロー(4~6)は、吸啜・把握・ATNR(3~4)よりちょっと長め。バビンスキーは1歳までいるよ!」と語呂合わせで覚えましょう。
国試頻出ポイント: 各反射の名称、誘発方法、反応、消退時期は頻出です。特にモロー反射の消退時期(4~6か月)は毎年出題されてもおかしくない重要項目です。症例問題で「この反射が消失していない場合、どんな疾患が疑われるか」と発展して問われることもあります。