85歳の女性が転倒後に右大腿部痛と歩行困難を訴えている。単純X線写真で右大腿骨頸部内側に骨折線を認めた。この骨折の分類と… | MyMerci
MyMerci — 問題も詳しい解説もすべて無料 無料で始める
高齢者に特有な症候・疾患・障害と看護
問題

85歳の女性が転倒後に右大腿部痛と歩行困難を訴えている。単純X線写真で右大腿骨頸部内側に骨折線を認めた。この骨折の分類として正しいのはどれか。

解説
大腿骨頸部骨折は、骨折線の位置により内側骨折(頚部骨折)と外側骨折(転子部骨折)に分類される。内側骨折は骨頭への血流が阻害されやすく、骨頭壊死のリスクが高い。転子部骨折は血流が豊富で骨癒合が得られやすい。本症例では内側(頚部)に骨折線を認めているため、頚部内側骨折が正しい。
同じテーマの次の問題80歳の女性が自宅の階段で転倒し、左大腿部痛と下肢の短縮・外旋変形を認めた。単純X線写真で左大腿骨転子部に骨折線を認めた。この骨折に対する治療法として最も適切なのはどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、大腿骨頸部骨折 (Femoral Neck Fracture)の分類とその特徴を問うています。高齢者に多く、転倒による低エネルギー外傷が原因となることが多い骨折です。正しい分類を理解するには、骨折線の位置とそれに伴う骨頭への血流 (Blood Supply to Femoral Head)の関係を押さえることが重要です。

正解の根拠 (Answer Rationale)
本症例では、単純X線写真で「右大腿骨頸部内側に骨折線を認めた」と明記されています。大腿骨頸部骨折は、骨折線の位置により大きく2つに分類されます。
- 最重要! **内側骨折 (Intracapsular Fracture / 大腿骨頸部骨折)**:骨折線が関節包(靱帯)の内側にあるもの。本症例の「頚部内側骨折」がこれに該当します。
- **外側骨折 (Extracapsular Fracture / 転子部骨折)**:骨折線が関節包の外側にあるもの。
問題文では「内側に骨折線を認めた」とあるため、正解は「頚部内側骨折 (大腿骨頸部骨折)」です。
最重要! 内側骨折は、大腿骨頭への主たる栄養血管(大腿骨頭回旋動脈の分枝)が骨折によって損傷されやすく、骨頭壊死 (Avascular Necrosis of Femoral Head)偽関節 (Nonunion)のリスクが非常に高いという特徴があります。そのため、手術療法(人工骨頭置換術や骨接合術)が選択されることが多く、術後の注意深い観察が必要です。

誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番(転子部骨折)と③番(頚部外側骨折)は、ほぼ同義であり、骨折線が関節包の外側にある転子部骨折を指します。転子部は血流が豊富なため骨癒合は得られやすいですが、問題文の「内側」という記述に合致しません。
④番(転子下骨折)は、転子部よりさらに遠位(下方)の骨折であり、問題文の部位とは異なります。
⑤番(顆上骨折)は、膝関節の大腿骨遠位端(顆部のすぐ上)の骨折であり、全く異なる部位です。

関連概念の整理 (Related Concepts)
大腿骨近位部骨折の分類を整理しておきましょう。
分類部位特徴
内側骨折 (大腿骨頸部骨折)関節包内骨頭壊死リスク高 / 人工骨頭置換術適応が多い
外側骨折 (転子部骨折)関節包外 (転子間部)血流豊富で骨癒合良好 / 骨接合術適応が多い
転子下骨折小転子より遠位5cm以内整復が難しく、偽関節リスクあり

高齢者の大腿骨近位部骨折は、転倒予防 (Fall Prevention)骨粗鬆症 (Osteoporosis)治療が重要です。

概念整理: 大腿骨頸部骨折は、骨折線が関節包の内側か外側かで「内側骨折(頸部骨折)」と「外側骨折(転子部骨折)」に分類される。内側骨折は骨頭への血流が途絶えやすく、骨頭壊死のリスクが高い。
一目で比較!: 内側骨折(骨頭壊死リスク高・偽関節リスク高・人工骨頭置換術) vs 外側骨折(転子部骨折:骨癒合良好・骨接合術)
看護過程ポイント: アセスメント:疼痛部位・歩行可否・下肢短縮・外旋変形の有無。術後は創部観察・感染予防・深部静脈血栓症 (DVT) 予防・せん妄予防。看護診断:「転倒リスク状態」「術後疼痛」「身体可動性障害」
暗記のコツ: 「内側骨折=関節の内側で折れる=骨頭の血管を傷つけやすい=壊死しやすい」とストーリーで覚えましょう。転子部骨折は「外側で折れる=血流豊富=くっつきやすい」。
国試頻出ポイント: 大腿骨近位部骨折の分類と術式の選択(人工骨頭置換術 vs 骨接合術)、術後合併症(骨頭壊死、偽関節、DVT、感染、せん妄)が頻出。
出題パターン注意!: 単純な分類問題に加え、「高齢女性が転倒後、歩行困難、下肢短縮・外旋変位あり」という典型的な事例と組み合わせて、術式や術後看護の優先順位を問う状況設定問題に発展します。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド - 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 85歳女性、施設内で歩行中に転倒。右大腿部痛を訴え、立位・歩行困難。救急搬送され、単純X線で右大腿骨頸部内側骨折と診断。既往歴:骨粗鬆症、高血圧。手術(人工骨頭置換術)予定。 - 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! 救急外来での初期対応:バイタルサイン (Vital Signs)測定、疼痛評価 (Pain Assessment)(NRS 0-10)、患肢の観察(下肢短縮・外旋変形・末梢循環・知覚・運動)。安静・免荷の指示を徹底し、不必要な体位変換や牽引は避ける。医師の指示で鎮痛薬投与と点滴確保。術前はせん妄・転倒予防、術後は創部感染・DVT予防のための弾性ストッキング・間欠的空気圧迫装置 (IPC) の装着と早期離床の開始。 - 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 高齢者の大腿骨頸部骨折は長期臥床により廃用症候群 (Disuse Syndrome)(筋力低下、関節拘縮、せん妄、肺炎、DVT、褥瘡)をきたしやすい。術後の離床は医師の指示(部分荷重・全荷重の時期)を厳守。転倒・転落予防のため、ベッド柵の使用、ナースコールの位置確認、履物の滑り止め確認。
看護プロトコル: 観察項目:疼痛、創部(発赤・腫脹・排液)、下肢末梢の色調・温度・脈拍・感覚・運動、発熱の有無。報告基準(SBAR):状況(疼痛増強・発熱・創部異常)、背景(術後〇日目)、評価(バイタルサイン・創部所見)、提案(医師の診察依頼)。記録:経時的な疼痛評価と鎮痛薬の効果、離床状況、転倒リスク評価。
先輩看護師の一言: 「大腿骨頸部骨折の患者さんは、術前・術後を通じて『せん妄』に注意!環境変化や疼痛、不眠が原因になります。術前から声かけやオリエンテーションをこまめに行い、不安を軽減してあげてください。そして、『転ばないためのケア』は骨折後も継続することが本当に大事です!」

重要概念

老年看護学 416 問 · ログイン不要

MyMerciで看護師国家試験を完全対策

過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。

無料で始める

学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。