好中球減少状態にある患者の感染リスクを評価する際に、最も重要な血液検査所見はどれか。 | MyMerci
身体防御機能の障害のある患者の看護
問題

好中球減少状態にある患者の感染リスクを評価する際に、最も重要な血液検査所見はどれか。

解説
感染防御において中心的な役割を担うのは好中球である。好中球数が1,000/μL未満になると感染リスクが高まり、特に500/μL未満では重症感染症のリスクが著しく上昇する。白血球数が正常範囲内でも好中球減少は起こり得るため、好中球数の確認が重要である。

詳細解説

核心解説 この問題は、好中球減少 (Neutropenia) 状態にある患者の感染リスク評価において、どの血液検査項目が最も優先されるかを問うています。感染防御の第一線である好中球は、その絶対数が直接的な防御能を反映するため、単なる白血球数や炎症マーカーよりも詳細な評価が求められます。 正解の根拠 (Answer Rationale) 最重要! 好中球は細菌や真菌に対する貪食・殺菌を行う中心的な細胞です。感染リスク評価において最も重要な指標は好中球絶対数 (Absolute Neutrophil Count: ANC) です。 - 正常値: 約2,000~7,500/μL - 軽度減少: 1,000~1,500/μL(感染リスク上昇開始) - 中等度減少: 500~1,000/μL(感染リスク高い) - 高度減少: 500/μL未満(重症感染症リスク著増、発熱性好中球減少症 (Febrile Neutropenia) の基準) 選択肢①の 好中球数 800/μL は中等度減少に該当し、感染リスクが高まっていることを示すため、最も重要な評価項目となります。 誤答の分析 (Distractor Analysis) - 混同注意! ②ヘモグロビン 12.0 g/dL: 貧血の評価指標であり、感染リスクの直接的な指標ではありません。ただし、骨髄抑制の一環として好中球減少と同時に認められることはあります。 - 混同注意! ③白血球数 3,500/μL: 基準範囲(4,000~9,000/μL)よりやや低値ですが、白血球分画(好中球、リンパ球など)を考慮していません。例えば、リンパ球が多く好中球が著減している場合でも、白血球数は「正常」に見えることがあり、感染リスクを過小評価する危険があります。 - 混同注意! ④CRP 0.3 mg/dL: 炎症反応の指標であり、感染が起こった後に上昇します。感染リスクの予測には使いません。好中球減少患者では感染が起きてもCRPが上昇しにくい(免疫不全による炎症反応低下)ため、評価が難しい点にも注意が必要です。 - ⑤血小板数 15万/μL: 正常範囲内であり、止血能の評価です。感染リスクの直接的な指標ではありません。 関連概念の整理 (Related Concepts) 好中球減少は、抗癌剤治療、再生不良性貧血、白血病などで見られます。感染予防策として、好中球減少時の感染予防 (Infection Prevention in Neutropenia) として以下の対策が重要です。 - 手洗いの励行 - 個室隔離(特に500/μL未満) - 生もの(刺身、加熱不十分な肉など)の食事制限 - 検温の頻回実施 - 発熱時は直ちに血液培養採取、広域抗菌薬の開始
概念整理: 感染防御の中心は好中球 (Neutrophil)。その絶対数 (ANC) が感染リスク評価の最重要指標。
一目で比較!:
指標感染リスク評価での役割
好中球数直接的な防御能を評価(最重要)
白血球数分画を確認しないと不十分
CRP感染後の炎症マーカー(リスク予測には不向き)
ヘモグロビン/血小板感染リスクとは無関係

看護過程ポイント: - アセスメント: 好中球数 < 1,000/μL で感染リスク高いと判断。< 500/μL は緊急対応。 - 看護診断: 「感染リスク状態 (Risk for Infection)」が優先。 - 計画・実施: バイタルサイン測定(特に体温)、無菌的操作の徹底、皮膚粘膜の観察(口腔内、肛門周囲など)。 - 評価: 発熱の有無、感染徴候(咳嗽、排膿など)の出現を監視。
暗記のコツ: 「好中球の絶対数 (Absolute) が感染防御の絶対条件 (Absolute Condition)」と覚えましょう。
国試頻出ポイント: 抗癌剤治療後の骨髄抑制期の患者ケアとして、「好中球減少時の感染予防策」と「発熱性好中球減少症の初期対応」が頻出。数値を交えたリスク評価(500/μL未満で重症リスク)は必須知識です。
出題パターン注意!: 「好中球数が200/μLまで減少した患者。以下の観察・対応で適切なのはどれか?」のような状況設定問題に発展しやすいテーマです。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 60代女性、急性骨髄性白血病 (AML) で寛解導入療法後。現在、抗癌剤による骨髄抑制期で、好中球数は 200/μL。発熱は認められません。看護師が患者の感染リスクを評価し、予防策を計画する必要があります。 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察: 体温(4時間ごと)、皮膚・粘膜の状態(口腔内潰瘍、肛門周囲の発赤・疼痛)、咳嗽の有無、検尿所見(尿路感染の兆候)。 2. アセスメント: 好中球数200/μLは高度減少。感染予防のための逆隔離 (Protective Isolation) の適応。 3. 報告 (SBAR): 「S(状況): 好中球数200/μLの高度減少状態。B(背景): AML化学療法中。A(アセスメント): 重症感染リスクが非常に高い。R(提案): 逆隔離の指示、生ものの食事制限、検温の頻回化についてご指示ください。」 4. 介入: 個室管理、手洗い・手指消毒の徹底、面会制限、口腔ケアの強化、白血球除去フィルター付き輸血の準備。 5. 評価: 発熱の有無を継続監視。発熱時(37.5℃以上)は、直ちに血液培養を2セット採取し、医師に報告し、広域抗菌薬の投与を開始する。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): - 最重要! 好中球減少患者では、感染のサイン(発熱、発赤、腫脹)が典型的に現れにくい。微熱や倦怠感などの非特異的症状を見逃さない。 - 経腸栄養や静脈カテーテル(CVポート、PICC)の挿入部は、感染の侵入口となるため、毎日観察し、不潔な操作を絶対に行わない。 - 生花や鉢植え(真菌の温床)は病室に持ち込まない。
看護プロトコル: 好中球数 < 500/μL → 逆隔離開始。発熱時は血液培養×2セット、検尿、胸部X線、CRP測定を医師と協力して迅速に実施。
先輩看護師の一言: 「好中球が減っている患者さんは、『熱が出たら一大事!』という意識を持ってください。特に抗癌剤治療後7~14日目は骨髄抑制のピークです。『いつもと違うな?』という小さな変化(ちょっとだるい、口の中が痛い)が、実は重症感染のサインかもしれません。国試では数値と対策をセットで覚えましょう!」

重要概念

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