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内分泌機能障害のある患者の看護
原発性アルドステロン症の患者にみられる血液検査所見として最も適切なものはどれか。
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1
低クロール血症と代謝性アシドーシス
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2
高ナトリウム血症と低カリウム血症
✓ 正解
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3
低ナトリウム血症と高カリウム血症
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4
低カルシウム血症と高リン血症
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5
高カルシウム血症と低リン血症
解説
原発性アルドステロン症はアルドステロンの過剰分泌により、ナトリウム貯留とカリウム排泄が亢進し、高ナトリウム血症と低カリウム血症、代謝性アルカローシス、高血圧をきたす。低ナトリウム血症と高カリウム血症はアジソン病でみられる。
同じテーマの次の問題甲状腺機能亢進症が疑われる患者の身体所見として最も適切なものはどれか。この問題が収録された問題集成人看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、原発性アルドステロン症 (Primary Aldosteronism) の病態生理を理解しているかを問うています。副腎皮質 (Adrenal Cortex) の球状帯 (Zona Glomerulosa) からアルドステロン (Aldosterone) が過剰に分泌されることで、腎臓の遠位尿細管 (Distal Tubule) における Na+再吸収促進とK+排泄促進 が亢進します。この結果、血液中のNa+が上昇し、K+が低下する特徴的な電解質異常が生じます。
正解の根拠 (Answer Rationale)
アルドステロンは「貯Na・排K」ホルモンです。過剰になると、体内にNaが貯留し、Kが尿中に失われるため、血液検査では高Na血症 (Hypernatremia) と低K血症 (Hypokalemia) がみられます。また、水素イオン (H+) の排泄も促進されるため、血液はアルカリ性に傾き、最重要! 代謝性アルカローシス (Metabolic Alkalosis) を合併します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ①番は、低Cl血症 (Hypochloremia) は正しい方向ですが、代謝性アシドーシスではなく代謝性アルカローシスです。③番の低Na血症と高K血症は、アルドステロンが不足するアジソン病 (Addison's Disease / 副腎皮質機能低下症) の典型像です。④番と⑤番は、副甲状腺 (Parathyroid Gland) や Ca/P代謝 に関わる病態(副甲状腺機能亢進症・低下症、腎不全など)と混同した場合に選択される誤答です。
関連概念の整理 (Related Concepts)
原発性アルドステロン症の診断には、血漿レニン活性 (Plasma Renin Activity: PRA) の低値 と アルドステロン/レニン比 (ARR) の高値 が重要です。本態性高血圧症との鑑別、特に治療抵抗性高血圧の患者では本疾患を疑うことが国試でも頻出です。
概念整理: アルドステロン (Aldosterone) の生理作用は「Na+再吸収増加 → 水も再吸収 → 循環血液量増加 & 血圧上昇」「K+排泄増加 → 低K血症」「H+排泄増加 → 代謝性アルカローシス」の3つ。この3つをセットで暗記する。
一目で比較!:
| 疾患 | 病態 | 血清Na | 血清K | 血圧 |
|---|
| 原発性アルドステロン症 | アルドステロン↑ | 高値 | 低値 | 高値 |
| アジソン病 | アルドステロン↓ | 低値 | 高値 | 低値 |
看護過程ポイント: アセスメント: 高血圧と低K血症による筋力低下・脱力・多尿・口渇を観察。QT延長やU波出現などの心電図変化にも注意。看護診断: 「体液量過剰 (Excess Fluid Volume)」や「電解質バランス異常 (Imbalanced Electrolytes)」が優先される。介入: スピロノラクトン (Spironolactone) などの抗アルドステロン薬投与時の電解質モニタリング、低K血症に対する食事指導(Kの多い食品の摂取促進)を実施。
暗記のコツ: 「アルドステロン = アルカローシス + ドンドン Naを貯める + 逆に Kを出す(低K血症)」と覚えましょう。「貯Na排Kのアルカローシス」のキャッチフレーズで、3つの主要所見(高Na・低K・アルカローシス)をワンセットで記憶してください。
国試頻出ポイント: 高血圧の原因疾患(二次性高血圧)の一つとして、原発性アルドステロン症は毎年のように出題されます。特に、低K血症 と 高血圧 の組み合わせがキーワード。アジソン病(副腎不全)との対比で電解質異常を問う問題が頻出です。
臨床実践ガイド臨床シナリオ (Clinical Scenario): 50歳女性。検診で高血圧を指摘され、近医で降圧薬を処方されるもコントロール不良。精査目的で内分泌内科を受診。血液検査で Na 148 mEq/L、K 3.1 mEq/L と高Na血症・低K血症を認め、アルドステロン/レニン比 (ARR) が高値であり、原発性アルドステロン症と診断されました。病棟では、スピロノラクトン (Spironolactone) の投与が開始されました。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 最重要! ① 電解質管理: 低K血症は不整脈(特に心室性期外収縮・Torsade de Pointes)のリスクとなるため、心電図モニターを装着し、U波の出現やQT延長に注意。血清K値が3.0 mEq/L未満の場合は医師へ報告し、補正を検討。② 血圧管理: 薬効評価のため、毎日決まった時間に血圧測定を実施。③ 薬物療法の支援: スピロノラクトン投与中は、K保持性利尿薬のため、血清K値が上昇しすぎないようモニタリング。混同注意! サイアザイド系利尿薬とは逆にKを上げる作用がある。④ 食事指導: 低K血症改善のためK含有量の多い食品(バナナ、オレンジ、ほうれん草、じゃがいもなど)の摂取を促すが、腎機能低下がある場合は高K血症リスクにも注意。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions): 最重要! 低K血症による筋力低下は転倒リスクを高めるため、転倒・転落予防策(ベッド柵、歩行補助、ナースコールの徹底) を実施。また、高血圧が続く場合の脳血管障害リスクにも注意し、急な頭痛・視力障害・意識障害の有無を観察。
看護プロトコル: 観察項目: バイタルサイン(特に血圧)、体重(体液量の指標)、血清Na/K/Cl/HCO3-値、心電図モニター、尿量(多尿の有無)。報告基準 (SBAR): 「S(状況): 原発性アルドステロン症の〇〇さん、本日の血清Kが2.8と低値です。B(背景): スピロノラクトン25mg内服中。A(アセスメント): 心室性不整脈のリスクがあると考えます。R(推奨): 心電図モニターの継続とK補正について指示をお願いします。」
先輩看護師の一言: 「この疾患のキモは『NaとKのバランス』です!アルドステロンが過剰だと、体はNaをため込み、Kを捨ててしまいます。ただ高血圧だからというだけでなく、患者さんの『足がつる(筋痙攣)』『疲れやすい(筋力低下)』という訴えを見逃さないでください。これが低K血症のサインです。国試でも『高血圧+低K血症=原発性アルドステロン症』は絶対に覚えておきましょう!」
- アルドステロン — 副腎皮質球状帯から分泌される鉱質コルチコイド。腎臓遠位尿細管でNa+再吸収を促進し、K+とH+の排泄を促進する。「貯Na排K」ホルモン。
- 原発性アルドステロン症 — 副腎皮質の病変(多くは腺腫)によりアルドステロンが自律的に過剰分泌される病態。高血圧、高Na血症、低K血症、代謝性アルカローシスを特徴とする二次性高血圧の代表的疾患。
- 低カリウム血症 — 血清K値が3.5 mEq/L未満の状態。筋力低下、脱力、不整脈(U波、QT延長)、多尿、口渇などを引き起こす。原発性アルドステロン症ではK排泄亢進により生じる。
- 代謝性アルカローシス — 血液pHが7.45以上に上昇した状態。アルドステロン過剰によりH+排泄が促進されることで生じる。原発性アルドステロン症の血液ガス所見として特徴的。
- スピロノラクトン — アルドステロン受容体拮抗薬(K保持性利尿薬)。アルドステロンの作用を競合的に阻害し、Na排泄・K保持作用を示す。原発性アルドステロン症の第一選択薬。
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