核心解説
この問題は、
先端巨大症 (Acromegaly) の診断に用いる検査値を問うています。先端巨大症は、下垂体腺腫などによる
成長ホルモン (GH: Growth Hormone) の過剰分泌 を原因とする疾患です。その診断には、GHそのものの測定と、GHの標的臓器で産生されその生理作用を反映する
インスリン様成長因子-1 (IGF-1: Insulin-like Growth Factor-1) の両方を評価することが
最重要 です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
①番が正解です。先端巨大症では、
GH の基礎値が上昇し、75g経口糖負荷試験(OGTT)で正常なら抑制されるGHが抑制されない(抑制不良)という特徴があります。また、GHは日内変動が大きく単独での診断が難しいため、より安定してGH分泌状態を反映する
IGF-1 の高値が診断の感度・特異度に優れています。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ②番のバソプレシンと血漿浸透圧は、
尿崩症 (Diabetes Insipidus) や
SIADH (抗利尿ホルモン不適合分泌症候群) の診断に用います。
③番のTSHとT4は、
甲状腺機能亢進症 (Hyperthyroidism) や
甲状腺機能低下症 (Hypothyroidism) の診断に用います。
④番のコルチゾールとACTHは、
混同注意! クッシング症候群 (Cushing's Syndrome) /
クッシング病 (Cushing's Disease) の診断に用います。
⑤番のプロラクチンとLHは、
乳汁分泌 や
性腺機能 の評価に用い、先端巨大症とは直接関係しません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
先端巨大症の診断には、
成長ホルモン (GH) とIGF-1 のセットが基本です。さらに、
下垂体MRI で腫瘍の有無を確認し、視野障害の有無を評価するための
視野検査 も併せて行われます。治療には経蝶形骨洞手術 (TSS) や薬物療法(ソマトスタチンアナログ、GH受容体拮抗薬など)があります。
概念整理: 先端巨大症は
GH過剰分泌 →
IGF-1上昇 が診断の核心。GH単独ではなくIGF-1を併せて評価することで診断精度が向上する。
一目で比較!:
| 疾患 | 主な検査項目 |
|---|
| 先端巨大症 | GH, IGF-1 |
| クッシング病 | ACTH, コルチゾール |
| 尿崩症 | バソプレシン, 血漿浸透圧 |
| 甲状腺機能亢進症 | TSH, FT4 |
看護過程ポイント: アセスメント:顔貌の変化(眉弓部・下顎の突出、鼻・舌の肥大)、手足のサイズ増大、頭痛、関節痛を観察。看護診断:『ボディイメージの混乱』『慢性疼痛』。計画・実施:検査前の説明(OGTT時の低血糖リスク)、手術前後の看護、薬物療法の副作用(消化器症状、胆石など)のモニタリング。
暗記のコツ: 「
GH が
Go(成長)を促すホルモン」と覚え、その標的産物が
IGF-1 であることをセットで記憶しましょう。GH単独ではなく、セットで検査する理由も合わせて押さえてください。
国試頻出ポイント: 内分泌系の各疾患と対応するホルモン・検査項目の組み合わせは頻出。特に、クッシング症候群(ACTH, コルチゾール)と先端巨大症(GH, IGF-1)の鑑別は必ず出題されるテーマです。選択肢の中で「どれがどの疾患の検査か」を瞬時に判断できるようにしておきましょう。
出題パターン注意!: 「先端巨大症の患者に認められる身体所見はどれか」という単純知識問題や、「75gOGTTでGH抑制不良」のような検査値の解釈問題、さらには「経蝶形骨洞手術後の看護で注意すべきことは何か」という術後看護へと発展する出題が予想されます。