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内分泌機能障害のある患者の看護
先端巨大症の診断に用いられる検査値として最も適切なものはどれか。
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1
成長ホルモン (GH) とインスリン様成長因子-1 (IGF-1)
✓ 正解
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2
バソプレシンと血漿浸透圧
-
3
TSHとT4
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4
コルチゾールとACTH
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5
プロラクチンとLH
解説
先端巨大症は成長ホルモン (GH) の過剰分泌により生じる疾患で、診断にはGH基礎値の上昇と75g経口糖負荷試験によるGH抑制不良、IGF-1の高値が用いられる。コルチゾールとACTHはクッシング病の診断に用いられる。
同じテーマの次の問題甲状腺機能亢進症が疑われる患者の身体所見として最も適切なものはどれか。この問題が収録された問題集成人看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、先端巨大症 (Acromegaly) の診断に用いる検査値を問うています。先端巨大症は、下垂体腺腫などによる 成長ホルモン (GH: Growth Hormone) の過剰分泌 を原因とする疾患です。その診断には、GHそのものの測定と、GHの標的臓器で産生されその生理作用を反映する インスリン様成長因子-1 (IGF-1: Insulin-like Growth Factor-1) の両方を評価することが 最重要 です。
正解の根拠 (Answer Rationale)
①番が正解です。先端巨大症では、GH の基礎値が上昇し、75g経口糖負荷試験(OGTT)で正常なら抑制されるGHが抑制されない(抑制不良)という特徴があります。また、GHは日内変動が大きく単独での診断が難しいため、より安定してGH分泌状態を反映する IGF-1 の高値が診断の感度・特異度に優れています。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意! ②番のバソプレシンと血漿浸透圧は、尿崩症 (Diabetes Insipidus) や SIADH (抗利尿ホルモン不適合分泌症候群) の診断に用います。
③番のTSHとT4は、甲状腺機能亢進症 (Hyperthyroidism) や 甲状腺機能低下症 (Hypothyroidism) の診断に用います。
④番のコルチゾールとACTHは、混同注意! クッシング症候群 (Cushing's Syndrome) / クッシング病 (Cushing's Disease) の診断に用います。
⑤番のプロラクチンとLHは、乳汁分泌 や 性腺機能 の評価に用い、先端巨大症とは直接関係しません。
関連概念の整理 (Related Concepts)
先端巨大症の診断には、成長ホルモン (GH) とIGF-1 のセットが基本です。さらに、下垂体MRI で腫瘍の有無を確認し、視野障害の有無を評価するための 視野検査 も併せて行われます。治療には経蝶形骨洞手術 (TSS) や薬物療法(ソマトスタチンアナログ、GH受容体拮抗薬など)があります。
概念整理: 先端巨大症は GH過剰分泌 → IGF-1上昇 が診断の核心。GH単独ではなくIGF-1を併せて評価することで診断精度が向上する。
一目で比較!: | 疾患 | 主な検査項目 |
|---|
| 先端巨大症 | GH, IGF-1 |
| クッシング病 | ACTH, コルチゾール |
| 尿崩症 | バソプレシン, 血漿浸透圧 |
| 甲状腺機能亢進症 | TSH, FT4 |
看護過程ポイント: アセスメント:顔貌の変化(眉弓部・下顎の突出、鼻・舌の肥大)、手足のサイズ増大、頭痛、関節痛を観察。看護診断:『ボディイメージの混乱』『慢性疼痛』。計画・実施:検査前の説明(OGTT時の低血糖リスク)、手術前後の看護、薬物療法の副作用(消化器症状、胆石など)のモニタリング。
暗記のコツ: 「GH が Go(成長)を促すホルモン」と覚え、その標的産物が IGF-1 であることをセットで記憶しましょう。GH単独ではなく、セットで検査する理由も合わせて押さえてください。
国試頻出ポイント: 内分泌系の各疾患と対応するホルモン・検査項目の組み合わせは頻出。特に、クッシング症候群(ACTH, コルチゾール)と先端巨大症(GH, IGF-1)の鑑別は必ず出題されるテーマです。選択肢の中で「どれがどの疾患の検査か」を瞬時に判断できるようにしておきましょう。
出題パターン注意!: 「先端巨大症の患者に認められる身体所見はどれか」という単純知識問題や、「75gOGTTでGH抑制不良」のような検査値の解釈問題、さらには「経蝶形骨洞手術後の看護で注意すべきことは何か」という術後看護へと発展する出題が予想されます。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)40代女性が、数年かけて顔つきが変わった、指輪が入らなくなった、と来院。外来で先端巨大症が疑われ、GHとIGF-1の採血が行われました。結果、GH高値、IGF-1高値が判明。精査の結果、下垂体腺腫が確認され、経蝶形骨洞手術 (TSS) が予定されています。看護師は術前の患者説明と術後の合併症予防が求められます。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)最重要! 術前:患者のボディイメージの変化に対する不安を傾聴し、手術の目的と経過をわかりやすく説明します。術後:尿崩症(術後合併症として頻発)の早期発見のために、尿量、尿比重、血清Na、口渇の有無を厳密に観察します。また、髄液漏(鼻漏が甘い味がする、頭痛増悪)のサインを見逃さないようにします。患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)術後の 低Na血症(SIADH)にも注意が必要で、水分バランスの厳密な管理が求められます。感染予防のため、鼻漏がある場合は清潔操作を徹底し、無理な鼻かみや咳・くしゃみは避けるよう指導します。
看護プロトコル: 観察項目:バイタルサイン、尿量(1時間ごと)、尿比重、血清電解質、視野、頭痛の有無。報告基準(SBAR):尿量が200ml/h以上、または血清Naが変動した場合。記録:正確なインテーク・アウトプット。家族への説明:手術後の外見の変化が徐々に改善すること、経過観察の必要性。
先輩看護師の一言: 「先端巨大症の患者さんは、長期間症状に気づかず、見た目の変化で悩まれていることが多いです。国試の勉強でも、単に『GHとIGF-1』と覚えるだけでなく、『患者さんがどんな苦痛を抱えているのか』『術後にどんなリスクがあるのか』までイメージできると、現場で患者さんに寄り添った看護ができるようになりますよ!」
- 先端巨大症 — 成長ホルモン (GH) の過剰分泌により、四肢末端や顔面骨の肥大をきたす疾患。成人発症が多く、診断にはGHとIGF-1の測定が必須。
- 成長ホルモン (GH: Growth Hormone) — 下垂体前葉から分泌され、成長や代謝を促進するホルモン。日内変動が大きく、診断には負荷試験やIGF-1の同時測定が重要。
- インスリン様成長因子-1 (IGF-1: Insulin-like Growth Factor-1) — GHの標的臓器(主に肝臓)で産生される成長因子。血中濃度はGHより安定しており、先端巨大症のスクリーニングや治療効果判定に有用。
- 経蝶形骨洞手術 (TSS: Transsphenoidal Surgery) — 先端巨大症の第一選択治療。鼻腔から蝶形骨洞を通り下垂体腫瘍を摘出する低侵襲手術。術後は尿崩症や髄液漏の観察が重要。
- 75g経口糖負荷試験 — 先端巨大症診断に用いる負荷試験。正常では血糖上昇に伴いGHは抑制されるが、本疾患では抑制がみられない(抑制不良)。
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