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消化・吸収機能障害のある患者への看護
胃瘻(PEG)造設後の患者に対する看護で適切なのはどれか。
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1
注入時の患者の体位は、仰臥位が最も適切である
-
2
カテーテルの閉塞予防に、注入前後に微温湯でフラッシュする
✓ 正解
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3
カテーテル挿入部の消毒は毎日行う
-
4
栄養剤注入後は、カテーテルをすぐにクランプする
-
5
造設当日から経腸栄養を開始する
解説
胃瘻カテーテルの閉塞を予防するため、栄養剤注入前後には微温湯でフラッシュする。経腸栄養の開始は医師の指示に従い、一般的に造設翌日以降である。挿入部の消毒は毎日行う必要はなく、汚染時や交換時に行う。栄養剤注入後はカテーテル内に栄養剤が残らないようにフラッシュしてからクランプする。注入時の体位は誤嚥予防のため、上半身を30〜45度挙上したファウラー位が適切である。
同じテーマの次の問題胃切除術後早期の患者に対する看護で適切なのはどれか。この問題が収録された問題集成人看護学KRW 12,900
核心解説
この問題は、経管栄養法の一種である 胃瘻 (PEG: Percutaneous Endoscopic Gastrostomy) の造設後における、安全で効果的な看護管理の知識を問うています。特に、カテーテル管理、感染予防、誤嚥予防、栄養開始のタイミングが重要です。PEGは長期的な栄養管理が必要な患者に用いられ、適切な管理が カテーテルの閉塞 (Catheter Obstruction) や 誤嚥性肺炎 (Aspiration Pneumonia) などの合併症予防に直結します。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! ②番の「カテーテルの閉塞予防に、注入前後に微温湯でフラッシュする」が適切です。栄養剤は粘性が高く、カテーテル内で乾燥・凝固しやすいため、注入前後に 微温湯 (約20〜30mL) でフラッシュすることで、カテーテル内腔を清潔に保ち、閉塞を予防します。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意!
- ①番:注入時の体位は、誤嚥予防のため ファウラー位 (Fowler's Position)(上半身30〜45度挙上)が適切です。仰臥位では胃内容物が逆流しやすく、誤嚥のリスクが高まります。
- ③番:カテーテル挿入部(瘻孔周囲)の消毒は、毎日行う必要はありません。過度の消毒はかえって創傷治癒を遅らせ、皮膚トラブルを引き起こす可能性があります。汚染時やガーゼ交換時、入浴後 に行うのが標準的で、基本的には 石鹸と清潔な水での洗浄 が推奨されます。
- ④番:栄養剤注入後は、カテーテル内に栄養剤が残らないようにフラッシュしてからクランプします。フラッシュせずにクランプすると、カテーテル内で栄養剤が固まり、閉塞の原因となります。
- ⑤番:経腸栄養の開始は、医師の指示に従いますが、一般的に 造設翌日以降 です。造設当日は、瘻孔の安定とイレウス予防のため、絶食または減圧目的の排液が行われることが多いです。
関連概念の整理 (Related Concepts)
PEG管理の基本は「3つの予防」です。最重要! ① 誤嚥予防(注入時の体位・速度管理) ② カテーテル閉塞予防(注入前後のフラッシュ) ③ 感染予防(瘻孔部の清潔保持・観察)。これらのバランスが重要です。また、胃瘻のタイプ(バルーン型 vs バンパー型)によっても管理方法が一部異なるため、併せて学習しておきましょう。
概念整理: 胃瘻(PEG)管理の核心は、①誤嚥予防(体位・速度) ②閉塞予防(フラッシュ) ③感染予防(瘻孔部ケア) ④自己抜去予防(固定・抑制・観察) の4つです。
一目で比較!: | 管理項目 | 適切な方法 | 不適切な方法(リスク) |
|---|
| 注入時の体位 | ファウラー位(30〜45度) | 仰臥位(誤嚥リスク↑) |
| カテーテル閉塞予防 | 注入前後に微温湯でフラッシュ | フラッシュなし(閉塞リスク↑) |
| 瘻孔部消毒 | 汚染時のみ/洗浄主体 | 毎日消毒(皮膚トラブルリスク↑) |
| 栄養開始時期 | 造設翌日以降(医師指示) | 造設当日(瘻孔安定不良) |
看護過程ポイント: アセスメント:注入前後に必ずカテーテルの位置・固定状態、瘻孔部の発赤・排膿・出血の有無を観察。胃残渣量も確認(200mL以上は注入中止の目安)。計画・実施:注入速度は患者の消化管の状態に合わせて調整(初回は緩徐に)。注入後30分〜1時間は体位を保持。評価:注入後の腹部膨満感、下痢・便秘の有無、誤嚥の兆候(咳嗽、発熱、SpO2低下)。
暗記のコツ: PEG管理の基本は「P(体位:Posture)E(閉塞予防:Embolization prevention)G(管理の基本:Guideline)」と覚えましょう!体位はファウラー位、注入前後は必ずフラッシュ。
国試頻出ポイント: PEGの管理は必修問題・一般問題の両方で頻出です。特に「注入前後のフラッシュ」「注入時の体位」「瘻孔部の観察」は毎年のように出題されています。また、誤嚥性肺炎の予防策として、注入速度や体位の重要性を問う問題もよく出ます。
出題パターン注意!: 単純な「正しい管理方法」の知識問題から、事例問題(「PEG造設後1週間の患者が発熱・咳嗽を訴えた」→看護師の優先的な対応は?)へと発展します。単なる暗記ではなく、合併症の兆候とその看護介入 を結びつけて理解しておくことが重要です。
臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario)脳梗塞後遺症で嚥下障害がある80代女性。在宅で家族がPEGからの経腸栄養を行っています。訪問看護師が定期訪問した際、家族から「最近、カテーテルから栄養剤を注入するとき、少し勢いよく押すと入りにくい感じがする」と相談がありました。また、注入中に患者さんがむせ込むことがあるとのことです。看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)- 1観察 (Observation)カテーテルのルート全体の屈曲・ねじれの有無を確認。瘻孔部の固定状態(スケールの位置変化がないか)をチェック。注入前の胃残渣量を測定し、200mL以上でないか確認。
- 2アセスメント (Assessment)「入りにくい」という情報は、最重要! カテーテル閉塞の前兆または瘻孔内でのカテーテル先端の位置異常(腹壁内での屈曲)が疑われます。むせ込みは、注入速度が速すぎるか、体位が不十分である可能性を示唆します。
- 3報告 (Report: SBAR)「S(状況):80代女性、PEG管理中。最近注入抵抗あり。注入中にむせ込みを認める。B(背景):脳梗塞後遺症、胃瘻造設後6ヶ月。A(アセスメント):カテーテル閉塞または誤嚥のリスクが高い。R(提案):微温湯フラッシュの徹底と、注入速度・体位の再指導が必要。医師への相談も検討。」と報告します。
- 4介入 (Intervention)まずは注入前に微温湯(30〜50mL)でフラッシュし、抵抗が軽減するか確認。家族に、注入速度は50〜100mL/時間 から開始し、患者の様子を見ながら調整するよう指導。体位は確実にファウラー位を取っているか、クッションの高さを再確認。
- 5評価 (Evaluation)翌日の訪問時までに、むせ込みが改善したか、カテーテルの入り具合はどうかを家族に確認。改善がなければ、カテーテル交換や胃瘻カテーテルの位置確認のため、医師の診察が必要です。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)絶対禁忌! 無理に強い圧で注入しようとしないこと(カテーテル破損や胃粘膜損傷のリスク)。注入抵抗が強い場合は、カテーテル内に凝固した栄養剤や薬剤(特に粉砕薬)が詰まっている可能性があります。その場合は、微温湯でのフラッシュを試みても改善しなければ、無理に続けず医師へ連絡 することが原則です。また、自己抜去に備えて、固定テープの状態も毎回確認します。 看護プロトコル: 訪問看護では、PEG管理の手技を家族が正しく継続できているか、技術面・衛生面の指導・確認が最重要です。特に「注入前後の微温湯フラッシュ」「誤嚥予防のための体位と速度管理」「瘻孔部の観察(発赤・腫脹・排膿・出血)」の3点は、毎回の訪問で確認する習慣をつけましょう。記録には、フラッシュの有無、注入時の体位、残渣量、注入量、患者の状態(咳嗽・腹部膨満・下痢の有無)を詳細に残します。
先輩看護師の一言: 「PEGは『魔法のチューブ』ではありません。合併症を起こせば、患者さんの生活の質を大きく低下させます。国試では『正しい管理方法』を聞かれますが、現場では『患者さんと家族が安全に続けられるか』という視点が何より大事。『なぜフラッシュするのか』『なぜこの体位なのか』を根拠から説明できる看護師を目指しましょう!」
- 胃瘻 — 経皮内視鏡下胃瘻造設術。内視鏡を用いて腹壁から胃に直接カテーテルを留置し、経腸栄養を行う方法。
- 誤嚥性肺炎 (Aspiration Pneumonia) — 胃内容物や口腔内分泌物が気道に流入することで生じる肺炎。経腸栄養中の重大な合併症。
- フラッシュ — カテーテル内腔を洗浄・閉塞予防するために、液体(主に微温湯)を注入する行為。
- ファウラー位 (Fowler's Position) — 上半身を30〜90度挙上した体位。経腸栄養時は誤嚥予防のために30〜45度の挙上が推奨される。
- 胃残渣 (Gastric Residual) — 注入前に胃内に残っている栄養剤や消化液。通常は200mL以上ある場合は注入を控える目安となる。
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