急性心筋梗塞 (AMI) 発症後、心不全の重症度を評価するために用いられる分類はどれか。 | MyMerci
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循環機能障害のある患者の看護
問題

急性心筋梗塞 (AMI) 発症後、心不全の重症度を評価するために用いられる分類はどれか。

解説
Killip分類は急性心筋梗塞における心不全の重症度を、身体所見 (肺ラ音、頸静脈怒張、ショックなど) に基づいて分類する。NYHA分類は慢性心不全の日常生活動作における症状の程度を評価する。
同じテーマの次の問題急性心筋梗塞 (AMI) の患者において、心筋障害の程度を評価するために最も有用な血液検査所見はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、急性心筋梗塞 (Acute Myocardial Infarction: AMI) 発症後に生じる心不全の重症度評価に特化した分類法を問うています。AMIでは、虚血による心筋ポンプ機能の低下が急性心不全を引き起こすため、その重症度を迅速かつ簡便に評価する必要があります。この目的に最適なのが Killip分類 (Killip Classification) です。Killip分類は、身体所見(肺ラ音、頸静脈怒張、ショックなど)のみを用いて、I~IV級に分類します。 正解の根拠 (Answer Rationale) 最重要! Killip分類は、急性心筋梗塞発症後の心不全重症度を身体所見から迅速に評価するために開発されました。治療方針(強心薬の使用、IABPの適応など)や予後予測に直結するため、CCU/ICUでは必須の評価指標です。身体診察のみで簡便に評価できる点が最大の利点です。 誤答の分析 (Distractor Analysis) 混同注意! 各分類の評価対象とタイミングをしっかり区別しましょう。 - Forrester分類 (Forrester Classification): こちらも急性心筋梗塞の重症度評価に用いますが、血行動態(肺動脈楔入圧と心係数)に基づく侵襲的な分類です。スワンガンツカテーテルによる測定が必要であり、Killip分類よりも詳細な情報が得られますが、侵襲性が高いため、日常のスクリーニング的評価にはKillip分類が優先されます。 - NYHA心機能分類 (NYHA Functional Classification): これは慢性心不全の患者さんを対象に、日常生活動作における自覚症状(息切れ、疲労感など)の程度をI~IV級に分類するものです。急性期の評価には用いません。 - Braunwald分類 (Braunwald Classification): これは不安定狭心症 (Unstable Angina)の重症度を、発症様式(安静時、労作時、急性期後など)と臨床状況(二次性、原発性など)で分類するものです。心筋梗塞の評価には用いません。 - CCS狭心症分類 (CCS Angina Classification): これは慢性安定狭心症の患者さんを対象に、労作時の狭心痛の程度をI~IV級に分類するものです。心不全評価ではありません。 概念整理 急性心筋梗塞 (AMI) 関連分類の整理
分類名対象評価項目評価時期
Killip分類急性心筋梗塞 (AMI)身体所見(肺ラ音、頸静脈怒張、ショック)発症直後~急性期
Forrester分類急性心筋梗塞 (AMI)血行動態(肺動脈楔入圧、心係数)発症直後~急性期(侵襲的)
NYHA分類慢性心不全 (CHF)自覚症状(息切れ、疲労感)と運動耐容能慢性期(安定期)
Braunwald分類不安定狭心症 (UA)発症様式と臨床状況発症時
CCS分類慢性安定狭心症 (SA)労作時の胸痛程度慢性期(安定期)
一目で比較! Killip分類 vs NYHA分類 - Killip分類: 他覚的所見(医師/看護師が観察・聴診する身体所見)で評価 → 急性心不全の重症度 - NYHA分類: 自覚的症状(患者が訴える日常生活での症状)で評価 → 慢性心不全の機能制限の程度 → この違いが国試で頻出です! 看護過程ポイント - アセスメント (Assessment): AMI患者を受け持ったら、まずKillip分類を意識した身体所見の観察を実施します。呼吸音(肺ラ音の有無・範囲)、頸静脈怒張の有無、血圧・尿量(ショックの有無)を重点的に観察しましょう。 - 看護診断 (Nursing Diagnosis): Killip分類の結果は、「心拍出量減少 (Decreased Cardiac Output)」や「ガス交換障害 (Impaired Gas Exchange)」などの看護診断の根拠となります。 - 計画・実施 (Planning/Implementation): Killip分類の重症度に応じて、安静度、酸素療法、利尿薬や強心薬の投与管理、モニタリングの頻度を調整します。 暗記のコツキ(Killip)は、急性MIのキキメ(聞き目・身体所見)」と覚えましょう。Killip分類は身体所見(肺を聴診する)が評価の中心です。 一方、「NYHAは、慢性心不全のニッポン(日常生活動作の症状)」と覚えましょう。NYHA分類は患者さんの生活の様子(日本での日常生活動作)を聞くイメージです。 国試頻出ポイント - 最重要! 「急性心筋梗塞の心不全評価 → Killip分類」と「慢性心不全の重症度評価 → NYHA分類」のペアはセットで必ず覚えてください。 - Killip分類の各段階(I: 肺ラ音なし、II: 軽度~中等度のラ音、III: 肺水腫、IV: 心原性ショック)の定義を身体所見と結びつけて理解しておくと、事例問題に対応できます。 出題パターン注意! 近年の国試では、「Killip分類III級の患者の看護」といった形で、分類の知識を看護介入に応用させる問題が増えています。単に「どれが急性心筋梗塞の分類か」を覚えるだけでなく、「III級(肺水腫)の患者には酸素療法と座位の保持が優先される」といった看護実践に結びつけて学習しましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario) あなたはCCUに勤務する看護師です。60代男性が、強い胸痛を訴え救急搬送され、急性心筋梗塞 (AMI)と診断され緊急PCIが施行されました。PCI後、CCUに帰室した患者さんをアセスメントします。バイタルサインは安定していますが、聴診で両側肺底部に細かいラ音を聴取しました。あなたはどのように評価し、対応すべきでしょうか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment) 1. 観察 (Observation): バイタルサイン(血圧、心拍数、呼吸数、SpO2)、呼吸音(ラ音の範囲と程度)、頸静脈の怒張の有無、尿量、意識レベルを確認します。本例では両側肺底部ラ音が確認されたため、Killip分類II級に該当するとアセスメントします。 2. 報告 (Report: SBAR): 「医師へ。患者の〇〇様、PCI後2時間経過。バイタルサインは安定していますが、両側肺底部にラ音を認め、Killip分類II級と考えます。酸素投与と経過観察の指示をお願いします。」 3. 介入 (Intervention): 医師の指示のもと、酸素投与(SpO2 94%以上を目標)、安静の徹底、体重測定と厳重な出入水量の管理(I/O管理)を開始します。必要に応じて利尿薬の投与準備をします。 4. 評価 (Evaluation): 呼吸状態の改善(ラ音の減少、SpO2の安定化)を継続的に評価します。Killip分類が進行し、III級(肺水疱音、起坐呼吸)やIV級(血圧低下、冷汗、意識障害)に悪化しないかを注意深く観察します。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions) - 最重要! 急性期の心不全増悪は急変に直結します。患者の訴え(「息が苦しい」「何か変だ」)や、わずかなバイタルサインの変化(呼吸数の増加、血圧の変動、SpO2の低下)を見逃さないことが看護師の最も重要な役割です。 - 体位は上半身挙上(ファウラー位またはセミファウラー位)とし、心臓への静脈還流量を減らし、呼吸を楽にします。 - 心不全増悪時には、強心薬(ドブタミンなど)や血管拡張薬(ニトログリセリンなど)の持続静注が開始されることが多いため、投与ラインの確保と流量管理を確実に行います。 看護プロトコル - 観察項目: バイタルサイン(特に呼吸数と血圧)、呼吸音(ラ音の部位・程度)、頸静脈怒張、浮腫、尿量、体重、意識レベル、胸痛の有無。 - 報告基準 (SBAR): 「状況(S):患者の呼吸状態が変化した。背景(B):Killip分類II級の急性心筋梗塞後。アセスメント(A):肺うっ血が進行している可能性がある。推奨(R):酸素投与量の調整と利尿薬投与の指示を仰ぎたい。」 - 記録のポイント: 観察時刻、バイタルサイン、呼吸音の詳細(部位・ラ音の種類)、Killip分類の評価結果、実施したケアとその反応を経時的に記録します。 先輩看護師の一言 「急性心筋梗塞の患者さんを診る時、まずはこの『Killip分類』を頭の中でつぶやきながら身体所見をとる習慣をつけましょう!最初は戸惑うかもしれませんが、肺の音を聴いて『あ、ラ音があるからII級だな』と分類することで、今何が起きていて、次に何を警戒すべきかが明確になります。国試では選択肢として出ますが、現場ではあなたのアセスメント力が患者さんの予後を左右しますよ。頑張って!」

重要概念

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