核心解説
この問題は、手術室看護の安全技術である
電気メス (Electrocautery/Electrosurgical Unit)の
対極板(患者プレート) (Dispersive Electrode/Patient Plate)の正しい貼付部位を問うています。電気メスは、高周波電流を利用して組織の切開や止血を行いますが、安全に電流を体外へ戻すために、
対極板が必須です。対極板の貼付が不適切だと、
皮膚熱傷 (Burns) や電撃傷 (Electrosurgical Burns)のリスクが生じます。看護師は、対極板の貼付部位と状態を適切に管理する責任があります。
正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 正解は
①番です。電気メスの対極板は、
電流を効率的に、かつ安全に体内から体外へ逃がすために貼付します。そのため、
筋肉量が豊富で血流が良い部位(例:大腿部、臀部)が最適です。筋肉は導電性が高く、血流が良いことで熱が拡散され、局所的な熱傷を防ぐことができます。体毛が少ない部位を選ぶのも、接触抵抗を減らすためです。
誤答の分析 (Distractor Analysis)
混同注意!
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②番(体重を支える部位):体重を支える部位(臀部、仙骨部など)は、長時間の手術で圧迫による
血流障害が生じやすく、接触抵抗が増加して熱傷のリスクが高まります。避けるべきです。
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③番(体毛の多い部位):体毛が多いと、対極板と皮膚の間に
空隙(エアギャップ)が生じ、接触抵抗が増大します。熱傷の原因となるため、必要に応じて除毛しますが、剃毛ではなくバリカン等で行います(剃毛は皮膚損傷のリスクがあるため)。
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④番(骨突出部):骨突出部は皮膚と骨の間に筋肉や脂肪が少なく、
接触面積が小さく、かつ血流が乏しいため、電流が集中しやすく熱傷のリスクが非常に高いです。絶対に避けます。
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⑤番(手術部位から最も遠い部位):対極板は、手術部位と対極板の間を電流が通過するよう、
可能な限り手術部位に近い部位に貼付します。遠すぎると、電流の経路が長くなり、体内を通過する際に不意の熱傷(例:ペースメーカーリード先端の熱傷)を引き起こすリスクがあります。
概念整理 電気メスの原理と安全対策
| 項目 | 説明 |
|---|
| 原理 | 高周波電流(約300kHz-5MHz)を利用。メス先(アクティブ電極)で組織を切開・凝固。電流は体内を通り、対極板から回収される。 |
| 対極板の役割 | 電流の帰路となり、電流密度を下げることで皮膚熱傷を防ぐ。接触面積が広いほど安全。 |
| 貼付条件 | 筋肉質・血流良好・除毛済み(剃毛禁止)・清潔・乾燥・骨突出部や瘢痕組織を避ける・皮膚と密着(エアギャップ禁止)。 |
看護過程ポイント
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アセスメント:患者の皮膚状態(損傷、瘢痕、タトゥー、インプラント)、除毛の必要性、ペースメーカーや植込み型除細動器の有無を確認。
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計画・実施:対極板を適切な部位に、メーカー指示通りに貼付。貼付後は接触状態とコードの接続を確認。手術中は患者の体位や体動によるずれがないか定期的に観察。
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評価:手術終了後、対極板剥離時に皮膚の発赤、水疱、熱傷の有無を確認。
暗記のコツ
「対極板は、
筋肉質で血の巡りが良く、毛がなくて、骨がないところ」と覚えましょう!電流が流れやすい場所=熱が逃げやすい場所です。
国試頻出ポイント
電気メスの安全対策は、
手術室看護の頻出テーマです。特に「対極板の貼付部位」「皮膚熱傷のリスク」「ペースメーカー患者への注意(双極メスや磁石の使用など)」がよく問われます。