重症患者のモニタリングで、中心静脈圧(CVP)の測定値が低下する原因はどれか。 | MyMerci
MyMerci — 問題も詳しい解説もすべて無料 無料で始める
急性・重症看護
問題

重症患者のモニタリングで、中心静脈圧(CVP)の測定値が低下する原因はどれか。

解説
CVPは右房圧を反映し、循環血液量減少(出血・脱水など)で低下する。右心不全、肺高血圧、心タンポナーデではCVPは上昇する。
同じテーマの次の問題急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の患者に対する人工呼吸器管理で、肺保護戦略の一環として設定する項目はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、中心静脈圧 (Central Venous Pressure, CVP) のモニタリング値の解釈を問う、重症患者管理の基本中の基本です。最重要! CVPは 右心房の圧力 を反映し、循環血液量と心機能(特に右心機能)のバランスを示す指標です。CVPが低下するということは、循環血液量が不足 しているか、静脈還流量が減少していることを意味します。 正解の根拠 (Answer Rationale): 循環血液量の減少(例:出血性ショック、脱水)では、静脈系に戻る血液量が減少するため、右心房の充満圧が低下し、CVPは低下します。これは、前負荷 (Preload) の減少を示す重要な所見です。輸液療法 (Fluid Therapy) の指標としても頻用されます。 誤答の分析 (Distractor Analysis): - 混同注意!三尖弁閉鎖不全症 (Tricuspid Regurgitation):収縮期に血液が右心房に逆流するため、右心房圧が上昇し、CVPは上昇します(V波の増高)。 - 混同注意!右心不全 (Right Heart Failure):右心室のポンプ機能が低下し、血液を肺動脈に駆出できず、右心房に血液が鬱滞するため、CVPは上昇します。 - 混同注意!心タンポナーデ (Cardiac Tamponade):心膜腔内に液体が貯留し、心臓全体が圧迫されるため、右心房の拡張が妨げられ、CVPは著明に上昇します(Kussmaul徴候と併せて重要)。 - 混同注意!肺高血圧症 (Pulmonary Hypertension):肺動脈圧が上昇し、右心室の後負荷 (Afterload) が増大するため、最終的に右心不全を来たし、CVPは上昇します。 関連概念の整理 (Related Concepts): CVPの変動を理解するには、スターリングの法則 (Frank-Starling Law) と前負荷・後負荷・心収縮力の関係を押さえることが重要です。また、CVPは 動脈血圧 (Blood Pressure)尿量 (Urine Output) と併せて総合的に評価します。CVP低下+血圧低下+尿量減少は、典型的な循環血液量減少(Hypovolemia)のパターンです。 概念整理: CVP(中心静脈圧)は右房圧を反映し、循環血液量と心機能のバランスを示す。低下=循環血液量減少(出血・脱水)、上昇=右心不全・心タンポナーデ・輸液過多。 一目で比較!:
病態CVP主な機序
循環血液量減少(Hypovolemia)低下静脈還流量の減少
右心不全(Right Heart Failure)上昇右房への血液鬱滞
心タンポナーデ(Cardiac Tamponade)上昇心臓全体の圧迫
看護過程ポイント: - アセスメント: CVPの単独値だけでなく、経時的変化、バイタルサイン(血圧、脈拍、SpO2)、尿量、末梢冷感、皮膚のツルゴールを同時に評価する。 - 看護診断: 「循環血液量減少リスク状態 (Risk for Decreased Cardiac Output)」または「体液量不足 (Deficient Fluid Volume)」 - 計画・介入: 医師の指示に基づく輸液療法(晶質液、膠質液、輸血)の準備と投与。CVPが目標値(通常5~12 cmH2O)に達するかモニタリング。 - 評価: 輸液後のCVP上昇、血圧安定、尿量増加を確認。 暗記のコツ: 「CVPが下がる=タンク(血管)の中の水(血液)が減った」とイメージしましょう。「上がる=タンクに水があふれている(心不全)or タンクが外から押されて潰されている(タンポナーデ)」と覚えると整理しやすいです。 国試頻出ポイント: CVPの異常値を、その他のショックの病態(特に 出血性ショック vs 心原性ショック)と関連付けて出題されることが非常に多いです。CVP低下=Hypovolemic Shock、CVP上昇=Cardiogenic Shock とリンクさせて覚えましょう。 出題パターン注意!: 「術後患者のCVPが低下した。輸液を開始する前に看護師が確認すべきことは?」のような状況設定問題に発展します。CVPが低い=前負荷不足という解釈から、輸液の適応を判断する流れを練習しておきましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario): 70代男性、胃がん術後、ICU入室中。CVP 4 cmH2O(低め)、血圧 88/54 mmHg、心拍数 108 bpm、尿量 20 mL/hと減少傾向。ドレーンからの排液が200 mL/hと増加。看護師は何をアセスメントし、どう行動すべきでしょうか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 1. 観察とアセスメント: CVP低下は 循環血液量減少 を示唆。ドレーン排液量増加と血圧低下・頻脈・乏尿を併せ、最重要! 術後出血(Postoperative Hemorrhage)による出血性ショック (Hemorrhagic Shock) を強く疑います。 2. 報告(SBAR): 「Situation(状況): 胃がん術後患者、CVP低下あり。Background(背景): ドレーン排液増加。Assessment(アセスメント): 出血性ショックの可能性が高いです。Recommendation(提案): 至急の医師の診察と、輸血・輸液の指示が必要と考えます。」 3. 介入: 医師の指示の範囲内で 乳酸リンゲル液 などの輸液を最大速度で投与開始。末梢静脈路が確保できない場合は、中心静脈カテーテル (Central Venous Catheter) からの輸液も考慮。酸素投与(マスク10L/min)で組織酸素化を維持。 4. 患者安全・注意事項: CVP測定時のエラーの原因となる トランスデューサーの高さ の基準(右心房の高さ=腋窩中线第4肋間)を再確認。呼吸器のPEEPが高いとCVPが実際より高く測定される可能性もあるため、注意が必要です。 看護プロトコル: 観察項目はCVP値(経時的変化)、バイタルサイン、尿量、ドレーン排液の性状と量、末梢冷感、意識レベル。報告基準はCVPが基準値(5~12 cmH2O)を大きく逸脱した場合、または急激に変動した場合。記録はCVP測定値と同時刻のバイタルサイン、輸液量、尿量を必ずセットで記載する。 先輩看護師の一言: 「CVPはただの数字じゃありません。患者さんの『血管の中の血液の残量』を教えてくれる、とても大事なモニターです。CVPが低ければ『血液が足りないかも?』とまず考えてください。『なぜ足りないのか(出血?脱水?)』をドレーンや尿量、バイタルサインと一緒に考えるのが、重症患者を診る看護師の腕の見せどころです!」

重要概念

成人看護学 800 問 · ログイン不要

MyMerciで看護師国家試験を完全対策

過去問と詳しい解説を無料で。弱点を分析し、進捗を管理してより効率的に学習しましょう。

無料で始める

学習参考用です。実際の臨床は最新のガイドラインと所属機関のプロトコルに従ってください。