急性心筋梗塞(AMI)発症後12時間以内の患者に対して、緊急で行うべき再灌流療法はどれか。 | MyMerci
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急性・重症看護
問題

急性心筋梗塞(AMI)発症後12時間以内の患者に対して、緊急で行うべき再灌流療法はどれか。

解説
ST上昇型心筋梗塞(STEMI)では、発症後12時間以内に緊急PCIによる再灌流が標準治療である。CABGは多枝病変や左主幹部病変などで適応となるが、急性期の第一選択ではない。
同じテーマの次の問題急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の患者に対する人工呼吸器管理で、肺保護戦略の一環として設定する項目はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、急性心筋梗塞 (Acute Myocardial Infarction, AMI) の急性期における再灌流療法 (Reperfusion Therapy) の優先順位を問うています。特に ST上昇型心筋梗塞 (STEMI) では、発症から12時間以内に閉塞した冠動脈を再開通させ、心筋壊死を最小限に抑えることが最優先の治療目標です。
正解の根拠 (Answer Rationale): 最重要! 経皮的冠動脈形成術 (PCI) は、カテーテルを用いてバルーンで狭窄部を拡張し、必要に応じてステントを留置する低侵襲な手技です。発症から12時間以内(理想的には90分以内)の緊急PCIは、死亡率を有意に低下させることがエビデンスで示されており、現在の標準治療 (Standard of Care) です。血栓溶解療法(線溶療法)と比較しても再灌流成功率が高く、出血性合併症リスクも低いため、第一選択となります。
誤答の分析 (Distractor Analysis):
混同注意! ①番の体外式膜型人工肺 (ECMO) は、心肺補助装置であり、再灌流療法そのものではありません。劇症型心筋炎や心原性ショックなど、循環不全が極めて重篤な場合に補助的に用いられます。
②番の冠動脈バイパス術 (CABG) は、多枝病変や左主幹部病変など、PCIでは対応困難な複雑な病変に対して計画的な適応が検討されます。急性期の第一選択ではなく、緊急適応は稀です。
③番の大動脈内バルーンパンピング (IABP) は、バルーンの拡張・収縮により冠動脈血流を増加させ心臓の後負荷を軽減する補助循環法です。急性心筋梗塞に伴う心原性ショックなどで用いられますが、再灌流を目的とした治療ではありません。
④番の経静脈的ペーシングは、徐脈性不整脈(完全房室ブロックなど)に対する治療であり、冠動脈の再開通とは無関係です。
関連概念の整理 (Related Concepts): STEMINSTEMI (非ST上昇型心筋梗塞) の管理方針の違いも重要です。NSTEMIでは、緊急PCIよりもまず薬物療法(抗血小板薬、抗凝固薬)を優先し、リスク層別化後に冠動脈造影のタイミングを決定します。また、再灌流療法の絶対禁忌(活動性出血、頭部外傷など)も併せて押さえておきましょう。 概念整理: 急性心筋梗塞 (AMI) の治療は、時間との戦い (Time is Muscle) です。閉塞した冠動脈をいかに早く再開通させるかが、予後を左右します。治療の第一選択は緊急PCIであり、PCIが困難な場合には血栓溶解療法が考慮されます。 一目で比較!:
治療法目的適応の目安
緊急PCI冠動脈の再開通(再灌流)STEMI発症12時間以内(第一選択)
血栓溶解療法冠動脈の再開通(再灌流)PCI困難な場合(出血リスク評価必須)
CABG冠動脈のバイパス作成多枝病変・左主幹部病変(計画的)
IABP心機能補助(後負荷軽減・冠血流増加)心原性ショック合併時
看護過程ポイント: アセスメントでは、胸痛の性状(持続時間・部位・放散痛)、発症時刻、バイタルサイン(血圧・心拍数・SpO2)、心電図変化(ST上昇・異常Q波)を迅速に評価します。看護診断としては「心拍出量低下のリスク」や「急性疼痛」が優先されます。介入では、安静保持、酸素投与(SpO2 90%以上維持)、ニトログリセリン投与(血圧低下に注意)、モルヒネ投与(呼吸抑制に注意)を医師の指示のもと実施します。 暗記のコツ: 「E-PCI」=「Emergency PCI Coronary Infraction」と覚えましょう。PCIは心筋梗塞(MI)の急性期治療の代名詞です。 国試頻出ポイント: 急性心筋梗塞の再灌流療法は毎年必出のテーマです。「発症12時間以内のSTEMIに対する第一選択は?」という単純知識問題に加え、事例問題で「患者にPCI後の看護(穿刺部出血・造影剤腎症・再灌流不整脈の観察)」を問う形でも頻出します。 出題パターン注意!: 近年の国試では、「急性心筋梗塞でPCI後、胸痛再発とST再上昇を認めた場合の看護師の対応は?」といった、合併症(ステント内血栓症・再狭窄)を見極める応用問題が出題されています。単なる治療法の暗記だけでなく、治療後の経過観察と看護介入まで統合して学習しましょう。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド
臨床シナリオ (Clinical Scenario): 65歳男性、急性胸痛で救急搬送。心電図で前壁中隔誘導にST上昇を認め、STEMIと診断。発症から2時間。緊急でPCIを行う方針となり、患者はカテーテル室へ移動。看護師はPCI後のCCU(冠疾患集中治療室)受け入れ準備を行います。
看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment): 観察 → アセスメント → 報告 → 介入 → 評価の流れで説明します。
1. 観察: PCI後、患者はCCUに帰室。バイタルサイン(血圧・心拍数・SpO2・体温)と心電図モニターを直ちに確認。穿刺部位(通常は大腿動脈または橈骨動脈)の出血・血腫の有無、末梢循環(足背動脈の触知・色調・温感)を確認。胸痛の有無を問診。
2. アセスメント: 最重要! 血圧低下や心拍数増加、穿刺部の膨隆(血腫)、胸痛再発は、後腹膜出血や再梗塞、心タンポナーデなどの重篤な合併症を示唆します。心電図で新たな不整脈(再灌流不整脈:心室性期外収縮・心室頻拍)がないか監視。
3. 報告(SBAR): 医師へ「患者の血圧が80/50mmHg、心拍数110bpm、穿刺部に手掌大の血腫を認めます。胸痛はありませんが、冷汗があります。」
4. 介入: 医師の指示で、止血処置(穿刺部の用手圧迫・止血デバイス確認)、輸液の増量、造影剤腎症予防のための輸液負荷、必要に応じて昇圧薬の投与を準備。
5. 評価: 介入後、血圧が回復し、穿刺部の出血が停止したことを確認。
患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions):
絶対安静:PCI後の穿刺部止血のため、穿刺した下肢(大腿動脈の場合)は6~8時間の安静・伸展保持が必要。患者の安楽と転倒予防のため、ベッド柵の使用と適切なポジショニング(背部・膝下クッション)を徹底。
・造影剤腎症:術前から輸液負荷(生理食塩水)を行い、腎機能(血清クレアチニン値・尿量)を厳重に監視。
・アレルギー:造影剤アレルギーの有無を事前確認。緊急時はステロイド・抗ヒスタミン薬の準備。
・抗血小板薬:PCI後はアスピリンとP2Y12受容体拮抗薬(クロピドグレルなど)の2剤併用抗血小板療法(DAPT)が必須。出血リスクが高まるため、観察と患者教育が重要。
看護プロトコル: CCU入室時の観察項目は、バイタルサイン(15分毎 → 安定後30分毎 → 1時間毎)、心電図モニター(不整脈・ST変化)、穿刺部出血・血腫(15分毎 → 1時間毎)、末梢循環(1時間毎)、尿量(1時間毎)、胸痛・呼吸困難の有無。記録は経時的にSOAP形式で。家族への説明は、治療経過と今後の安静の必要性、合併症のサイン(急な胸痛・息苦しさ)について簡潔に行う。
先輩看護師の一言: 「急性心筋梗塞の患者さんにとって、PCIはゴールではなくスタートです!治療後も心臓はダメージを受けています。『いつもと違う』サイン(胸痛の再発・血圧低下・不整脈の出現)を見逃さず、迅速に医師へ報告することが、患者さんの命を救う看護です。国試でも、治療の流れと観察ポイントを『時間軸』で整理すると覚えやすいですよ!」

重要概念

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