重症患者における早期離床の目的として正しいのはどれか。 | MyMerci
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急性・重症看護
問題

重症患者における早期離床の目的として正しいのはどれか。

解説
早期離床は筋萎縮や廃用症候群の予防、DVT予防、人工呼吸器離脱促進などの効果がある。せん妄予防や筋力維持にも有効であり、重症患者の予後改善に寄与する。
同じテーマの次の問題急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の患者に対する人工呼吸器管理で、肺保護戦略の一環として設定する項目はどれか。

詳細解説

核心解説 この問題は、重症患者の早期離床 (Early Mobilization) の目的と効果を問うています。早期離床とは、集中治療室(ICU)などの重症患者に対して、安全を確保した上で段階的にベッド上での体位変換から端座位、立位、歩行へと進める介入のことです。近年のエビデンスにより、その効果は 廃用症候群(Disuse Syndrome)の予防全身の機能維持・改善 にあることが明らかになっています。 正解の根拠 (Answer Rationale)
最重要! 深部静脈血栓症(DVT)の予防 は、早期離床の重要な目的の一つです。重症患者は長期臥床により下肢の静脈還流が低下し、深部静脈血栓症(DVT)のリスクが高まります。早期離床により 下肢の筋ポンプ作用(Muscle Pump) を活性化し、静脈還流を促進することでDVTの発症を予防します。 誤答の分析 (Distractor Analysis)
せん妄の発症率の上昇混同注意! 早期離床はむしろ せん妄(Delirium) の予防効果が報告されています。早期離床により覚醒状態が維持され、見当識障害の改善につながります。発症率を上昇させるわけではありません。
筋力低下の促進混同注意! 早期離床は筋力低下を予防・改善するための介入です。筋力低下を促進するのは長期臥床(廃用)の影響であり、早期離床はその逆の効果を持ちます。
心拍出量の低下防止 → 早期離床の直接的・最優先の目的ではありません。適切な離床は循環動態を安定させる方向に働きますが、心拍出量(Cardiac Output)の維持 は主に輸液療法や薬物療法(強心薬など)で管理されます。
人工呼吸器関連肺炎(VAP)の治療混同注意! 早期離床は人工呼吸器関連肺炎(VAP)の予防効果は期待できますが、治療法ではありません。VAPの治療は抗菌薬投与や気管吸引などの呼吸管理が中心です。 関連概念の整理 (Related Concepts)
早期離床は ABCDFバンドル(ICU-AW予防) の一部として位置づけられます。A(Awakening:鎮静中断)、B(Breathing:自発呼吸トライアル)、C(Coordination:鎮静と呼吸の調整)、D(Delirium:せん妄管理)、F(Early Mobility:早期離床)の頭文字を取ったもので、重症患者の転帰改善に寄与します。
概念整理: 早期離床 は重症患者の廃用症候群(筋萎縮、関節拘縮、DVT、褥瘡、呼吸器合併症)を予防し、機能維持・回復を促進する介入である。DVT予防は下肢静脈還流促進による効果。
一目で比較!:
介入主な目的主な効果
早期離床廃用症候群予防・機能維持DVT予防 筋力維持 せん妄予防 人工呼吸器離脱促進
体位変換褥瘡予防 呼吸状態改善皮膚血流維持 無気肺予防 喀痰排出促進
他動的関節可動域訓練関節拘縮予防関節可動域維持 筋緊張緩和

看護過程ポイント: アセスメント: 早期離床開始前に循環動態(血圧・心拍数)、呼吸状態(SpO2、呼吸数)、鎮静レベル(RASSスコア)、筋力(MRCスコア)を評価。 計画: 医師の指示のもと、段階的な離床プログラム(ベッドアップ30°→端座位→立位→歩行)を作成。 実施: バイタルサインをモニタリングしながら安全に実施。 評価: 離床前後のバイタルサイン変化、疲労度、めまいの有無を確認。
暗記のコツ: 「早期離床で防げるもの」=「寝たきりで悪くなるもの」と覚える。長期臥床の合併症(筋萎縮、DVT、せん妄、無気肺、褥瘡、便秘)の逆を考えると理解しやすい。
国試頻出ポイント: 早期離床の目的(DVT予防、筋萎縮予防、せん妄予防)と禁忌(血行動態不安定、頭蓋内圧亢進、重症不整脈)の両方を押さえる。単純暗記ではなく、なぜ禁忌となるかの病態生理も問われる。
出題パターン注意!: 「早期離床の効果として正しいものはどれか」のような知識問題に加え、「ICU入室中の患者への早期離床で看護師が注意すべきことはどれか」のような安全面を問う状況設定問題が出題される。

臨床シナリオ

臨床実践ガイド 臨床シナリオ (Clinical Scenario)
70代男性、肺炎による敗血症性ショック(Septic Shock)でICU入室。人工呼吸器管理と昇圧薬(ノルアドレナリン)投与中。バイタルサインは安定傾向にあり、医師より「明日から早期離床開始」と指示が出ました。看護師として、離床開始前に評価すべき項目は何でしょうか? 看護介入と判断戦略 (Nursing Intervention & Clinical Judgment)
1. 離床前アセスメント: 最重要! ①循環動態の安定性:昇圧薬の投与量が減少傾向か、血圧が目標範囲内か。②呼吸状態:SpO2 90%以上、呼吸数35回/分以下、PEEP 10cmH2O以下。③鎮静状態:RASSスコア -2以上(軽い鎮静~覚醒)。④神経学的状態:指示に従えるか(開眼、把握など)。
2. 実施手順: ①ベッドアップ30°から開始し、バイタルサインの変動がないか3分以上観察。②変化がなければ端座位へ。③離床中は 心拍数・血圧・SpO2を連続モニター。④許容範囲を超える変動(心拍数±20回/分、収縮期血圧±20mmHg、SpO2 90%未満)があれば即座に中断し、ベッドをフラットに戻す。
3. チーム連携: 理学療法士と協働し、医師へ離床の可否を報告(SBAR:Situation「離床開始予定」、Background「バイタルサイン安定」、Assessment「離床可能と判断」、Recommendation「開始します」)。 患者安全・注意事項 (Patient Safety & Precautions)
- 離床の禁忌: ①平均動脈圧(MAP)65mmHg未満、②昇圧薬の急速な増量、③不安定な不整脈、④頭蓋内圧亢進、⑤活動性出血、⑥不安定な骨折。これらがある場合は離床を延期する。 - 転倒・転落予防:ベッド柵、ブレーキ、離床時は必ず介助者を配置。歩行開始時は歩行器や杖を使用。 - ライン類(輸液ライン、動脈ライン、人工呼吸器回路)の抜去防止:離床前にすべてのラインを整理し、十分な長さを確保。
看護プロトコル: 観察項目: 離床前後の血圧・心拍数・呼吸数・SpO2・RASSスコア・疲労度(Borg指数)・めまいの有無。 報告基準(SBAR): 離床中に収縮期血圧が90mmHg未満となった場合は直ちに中断し医師へ報告。 記録のポイント: 離床の段階(端座位/立位/歩行)、実施時間、バイタルサインの変動、患者の自覚症状(「少し息苦しい」「足が重い」など)、中断の有無とその理由。
先輩看護師の一言: 「重症患者の離床は『やればいい』というものではなく、安全が最優先です。患者さんの血圧が少し下がっただけで慌てて中断するのではなく、『この変動は許容範囲か』『何が原因か』を冷静にアセスメントすることが大切。でも、『いつもと違う』と感じたら迷わず中断して、医師やチームに相談してくださいね。現場ではその判断力が患者さんの命を守ります!」

重要概念

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