核心解説
この問題は、
輸液療法 (Fluid Therapy)における基本的な
点滴速度の計算を問うものです。看護師は医師の指示に基づき、正確な投与速度を計算し、安全に輸液を管理する必要があります。計算式は「
総輸液量 (mL) × 1mLあたりの滴下数 (滴/mL) ÷ 総投与時間 (分)」で求められます。
1. まず、総投与時間(10時間)を分に換算します。
10時間 × 60分 =
600分
2. 次に、公式に値を当てはめて計算します。
総輸液量:2,000mL
1mLあたりの滴下数:20滴/mL
総投与時間:600分
計算式:(2,000mL × 20滴/mL) ÷ 600分 = 40,000 ÷ 600 =
約66.7滴/分
3. したがって、最も近い値は
約67滴/分(選択肢5)が正解となります。
最重要! 点滴速度の計算ミスは、
輸液過多 (Fluid Overload)や
脱水 (Dehydration)など、患者の安全を脅かす重大なインシデントにつながります。また、
輸液ポンプ (Infusion Pump)や
輸液セット (Infusion Set)の機種によっても滴下数が異なるため、必ず1mLあたりの滴下数を確認する習慣をつけましょう。
概念整理
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輸液速度計算の公式:
(総輸液量 (mL) × 1mLあたりの滴下数 (滴/mL)) ÷ 投与時間 (分) = 1分間あたりの滴下数 (滴/分)
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1mLあたりの滴下数の種類:
成人用輸液セット:20滴/mL(一般的)
小児用輸液セット:60滴/mL(微量調整が必要な場合)
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輸液管理の基本:指示された総量と投与時間を正確に理解し、計算ミスを防ぐためにダブルチェックが必須。
一目で比較!
| 輸液セットの種類 | 1mLあたりの滴下数 | 主な使用場面 |
|---|
| 成人用(一般用) | 20滴/mL | 一般成人の維持輸液 |
| 小児用(微量用) | 60滴/mL | 小児・新生児、または精密な速度調整が必要な場合 |
| 輸液ポンプ用 | 専用セットを使用 | 厳密な速度管理が必要な薬剤投与時 |
看護過程ポイント
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アセスメント:医師の指示(輸液の種類・総量・投与時間)、患者の全身状態(脱水の有無、心不全リスク)、輸液ルートの開存性を確認する。
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看護診断:
輸液管理に関連した傷害リスク状態 (Risk for Injury)(計算ミスによる速度異常)。
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計画・実施:正しい計算式を用いて滴下数を算出し、輸液セットのクランプで調整。実施後は必ず1分間の実測滴下数を確認する(ダブルチェック)。
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評価:指示通りの速度で輸液が持続しているか、患者に症状の変化(呼吸困難、浮腫など)がないか定期的に観察する。
暗記のコツ
- 「
総量 × 滴下数 ÷ 時間(分)」の公式をしっかり暗記しましょう。
- 時間を分に換算するのを忘れがちなので、
混同注意! 必ず「10時間 = 600分」と計算してから公式に当てはめること。
- 国試では、設問文に「1mLあたり20滴」と記載がある場合と、記載がない場合があります。記載がない場合は「成人用=20滴/mL」と覚えておきましょう。
国試頻出ポイント
- このような
単純計算問題は、看護師国家試験で毎年必ず1〜2問出題されます。
- 計算問題は「時間の単位換算(時間→分)」「滴下数の暗記(成人20滴/mL、小児60滴/mL)」がクリアできれば、確実に得点できる分野です。
- 応用問題として、「輸液速度の変更指示」「残量からの残り時間計算」「輸液ポンプ設定時のmL/時への換算」などにも発展します。
出題パターン注意!
- 単純計算だけでなく、状況設定問題(事例問題)として出題されることがあります。
例:「術後患者に1日2,000mLの輸液が指示された。夜間の睡眠を考慮し、昼間12時間で全量を投与するよう医師から変更指示があった。この場合の滴下数はいくつか?」のように、条件が変わった場合の計算も練習しておきましょう。